夢魔
MIN:作

■ 第19章 出張18

 そんな中、突如男性用脱衣所から賑やかな話し声が響き、金田が梓のオナニーを止める間も無く、扉が開かれた。
 梓の位置は悪い事に、男性用脱衣所の正面だった。
「うお! な、何してんの! こんな所で、オナニーしてるぜ!」
「おおぉ! 本当だ、すっげ〜〜〜っ。お姉さんいやらしい〜」
「おい、良く見ろすっげ〜良い身体してる。それにめちゃくちゃ美人だぜ!」
「ちょ、俺にも見せろよ。って、どけって!」
 4人の20代後半の青年達が、驚きながら中に入って来た。
(ちっ、面倒な事になりそうだ…)
 金田は、舌打ちしながらその青年達を見る。
 青年達は、酒は入っている物の、何処にでも居るごく平凡そうな、容貌をしていた。
 一見、暴力を笠に着るような、輩とは無縁で善良そうに見えた。
(待てよ、こいつらを使って辱めるのも手だな…)
 金田は梓をチラリと見て、青年達に話し掛ける。
「おおぉ〜、驚かせて済まない…こいつは露出癖のある変態でな、こうやって他人に見られながらするのが好きなんだ。どうだ、君達こいつと遊んでみないか? 何でも出来るぞ…フェラチオだろうが、オ○ンコだろうが…アナルもOKだ」
 金田の言葉に、梓はオナニーをしながら
「私は変態の露出狂で、淫乱な女なんです、どうか慰めてください。何処の穴でもお応えします」
 青年達に言い放った。

 青年達は一斉に梓に向かって、群がった。
 3人の青年が、それぞれ思い思いの穴を犯し始める。
(ふっ…何処まで、その嘘の仮面を被っていられるかな…。お前の救われる道は、遠く離れた主人に助けを求めても、開きはしないぞ…。今この場にいる俺に哀願しろ! 許しを請え! そうすれば助けてやる…)
 金田は揉みくちゃに犯される梓を尻目に、湯船に浸けたタオルで顔を拭う。
 何度か擦る内に、金田は有る違和感を感じる。
(待て! 今は3人が犯している…。だが、さっきまで4人居なかったか!)
 金田が梓を振り返り、犯している3人を見詰めた時、男性用の脱衣所に、大量の男達の声が響き始めたのだ。
「うお! 本当だぜ! お前ら早くしろ」
「おい、あれ今日の昼間見た、すっげ〜美人じゃねえか?」
「本当だ、たまんね〜。あんな美人とただで出来るのかよ」
「お前ら、いい加減にしろ。こう言うのは年長者が先だろ」
「え〜汚ったね〜。こう言う時だけ、真っ先に出てくるんだから」
 口々に話しながら、40代から20代後半の男達が、15・6人露天風呂に現れた。
 最初に現れた4人の内の1人が、踵を返して仲間を呼びに行っていたのだ。
(20人程か…梓は何人まで保つかな…。まあ、こいつだったら、全員相手をしても耐えるだろう…)
 金田は入ってきた、男達を見てフッと鼻で笑う。

 男達の中から40代ぐらいの男が1人現れて
「あれはお兄さんの物ですか? 本当に使って良いんですね…」
 金田に向かって、問い返してきた。
 妙に威圧感がある、金田と同じぐらいの身長の男だった。
「ああ、構わん…あれは、俺の言う事は何でも聞かなきゃ成らないんだ。好きに使ってくれ…ただ、大きな傷が付くのは困るぞ、特に顔に乱暴するような事は勘弁してくれ」
 金田が男に、伝えると男はニヤリと笑いながら
「お兄さんも阿漕な事してんですね…。解りました、ルールは守りますよ」
 金田に約束して、男達に約束を伝えた。
「うお、この女オ○ンコの毛がねえぞ! つるつるだ〜」
 男の1人が大声を上げると、別の男が叫んだ。
「ち、乳首に穴開いてる! これピアスの跡?」
 興奮した別の男が
「本当の奴隷なんだ? ド変態ねえ、ド変態なの?」
 梓に向かって大声で質問すると、梓はその質問を肯定する。
 沸き立つ男達に金田が告げる。
「その女は、奴隷なんだ。だから、どんな変態な事をしても構わないよ、ション便ぶっかけても文句は言わない」
 金田の言葉に、男達は興奮を強めた。
「そう言う事らしい、だが呉々も、傷は付けるな…ルールは守れよ!」
 梓を取り囲む男達は、金田に話し掛けた男に、敬語を使い返事を返す。
 この男が、グループのリーダーのようだった。
 こうして梓は20人の男達に、変態女として慰み者にされる。

 梓は力無く身体を委ね、男達に奉仕する。
 もう何人の男が、梓の中に精を放ったのか解らない。
 男達は入れ替わり立ち替わり、梓の身体にのし掛かり、腰を振り精を放つ。
 梓はそれに応え、自らも激しく腰をくねらせ、舌を使い男達を満足させる。
 それが、金田の命令だからだ。
(これは、私の贖罪…。心ない甘言に踊らされ、医院長様を蔑んでいた、私への罰…。私は従います…医院長様の命令に従い、どんな辱めも、どんな陵辱も、どんな屈辱も全て受け入れます…。この方達、全てが満足するまで、私は私の身体でお応えします…)
 梓は医院長に対する嫌悪を全て拭い去り、自分の取ってきた行動を恥じていた。
 それは、昨夜医院長の元から戻り、稔の腕の中で諭され、気付いたからに他ならなかった。
 梓が金田を嫌うようになったのは、柏木との交際が始まってからだった。
 元々得手なタイプでは無かったが、外科医としての腕前も確かで、病院経営もしっかりこなす金田の事を、それなりに尊敬もしていた。
 だが、柏木と付き合うようになり、その言葉に意識を変えられて行ったのだ。
 それを昨夜稔に諭され、初めて気付いた。
 梓はそんな自分を恥、金田に対する思いを強めようとしたが、稔に止められる。

 稔が優しく梓に伝えた言葉は、梓の心を深く抉った。
「僕に言われたからでは有りません。森下梓として金田満夫と言う人を自分の目で、肌で感じなさい。そうでなければ、それはただの繰り返しですよ。僕の命令で、梓は金田さんに仕えますが、仕える心を作るのは梓自身なんです。ですから、金田さんの本当の心が見えるまでは、梓は罪を償うべきだと僕は思います」
 稔に言われるまで、自分が人を傷つけていたなど思いもしなかった。
 そこに自分の罪があるなど、感じる事も無かったのである。
 梓は目から鱗の落ちる思いだった。
 稔の胸の中で、梓は子供のように泣き金田に謝罪する。
 だが、いくらそんな所で泣き、謝罪を繰り返しても、何も成らない。
 それは、必ず自分自身が示さなければ成らない物なのである。
 そして、梓はこの旅行で自分のしてきた事を、自分の心で感じる事にした。
 この旅行に参加して、初めて金田の怒り、思いを実感できた。
 今まで、嫌悪感という壁に阻まれ、全く見えなかった金田満夫の心が見えた気がした。
 それは実に酷い物だった。
 傷つき歪み汚れた心。
 それは、森川梓がそうした物だったのだ。
 悔やんでも悔やみきれない。
 自分の間違いが、人をそこまで変えていたのだ。
 梓は、それら全ての事を謝罪するために、稔の命令では無く金田に従っていた。
 この旅行で見せている、梓の服従は全て梓本人の意志から、示していたのである。

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