夢魔
MIN:作

■ 第19章 出張27

 仲間を失神させ、突然変貌した梓を男達は、凍り付いたように見詰めていた。
 梓の変貌振りと、その迫力がそうさせたのだった。
 梓と大男の間に、30代後半の男が立っていた。
 梓とその男の距離が縮まると、梓は一言
「邪魔」
 囁いて、右手を振った。
 ビバシーンッと肉を激しく打ち付ける音がし、梓の行く手を塞いでいた男が、顔面を押さえ踞る。
 男達はその時初めて、梓の右手に持たれた濡れタオルの尖端が、結ばれている事に気付いた。
 今の音は、梓の持ったタオルが、男の顔面を打ち据えた音だと、理解する。
 濡れタオルは慣れた者が扱えば、充分鞭の役目をする。
 尖端が結ばれ、重量配分が変わっていれば、その威力はかなりのダメージを与える事も可能である。
 不意を突かれたこの男など、ひとたまりまりもない。
 男達は我に返り、身構え梓を取り押さえようとした。
 梓に最も近い男達2人が、左右から近付くと
「邪魔」
 囁いた梓の右手が2度閃く。
 正確に男達の鼻梁を貫き、男達はその痛みに驚きを浮かべ、たじろいだ。

 歩を進める梓を、大男がにやついた顔で見詰める。
「おやおや、ねぇちゃんそんな物で、何がしたいんだ? おい、お前ら暫く好きにさせてやれ」
 大男は余裕綽々で、バンデージ代わりに手に巻き付けたタオルを外し、うち捨てながら辺りの男に命じた。
 大男の言葉に梓が[お仕置きよ]と答えた声は、誰も聞いていなかった。
 梓は大男の前に立つと、大男は両手を肩の高さに上げ、肩を竦めて戯けて見せた。
 梓の右手が閃くと、男は右手でそれを払いのける仕草を見せる。
 梓の放ったタオルは、振り払った男の右手首に巻き付き、絡み取られた。
 男はニヤリと笑い
「おや、おや。唯一の武器が、取れなくなったぜ」
 顔の前で、梓に見せ付けながら、揶揄した。

 梓はその大男の揶揄を鼻で軽く笑い、左手を振る。
 梓の左手に持たれた濡れタオルが、大男の顔に巻き付き、呼吸と視界を奪った。
 大男の顔に巻き付き、戻って来たタオルの端をキャッチし、梓は身体ごと右足を一歩大男の右側に踏み出し、その反動を利用しながら左手を思いっきり引く。
 大男は突然視界と呼吸を奪われ、そのまま頭を右に引かれたために、バランスを大きく崩す。
 バランスを取ろうとする男は、倒れ込む方向に脚を踏ん張るしかなかった。
 しかし、踏ん張ろうとした右足は、自分の意志とは別の位置で動かなくなる。
 梓の踏み出した足が、その動きを止めていたのだ。
 大男はそのまま、棒のように石床に倒れ込んで行く。
 受け身を取ろうとした男の顔は、タオルの中で驚きに染まる。
 倒れて行く方向の手は、梓に最初に絡め取られ、自由が全く利かなかったのだ。
 そのまま、勢いを付け大男は石床に倒れ、側頭部を強かに打ち付ける。

 軽く昏倒している大男が、頭を抱えようと両手を上げた所で、梓は大男の胸に馬乗りになり、右手に絡みついたタオルで大男の左手を手早くまとめた。
 大男はクラクラとしっかりしない意識の中で、自分の両手が縛られた事を理解する。
 梓は大男の手を縛ったタオルに、もう一本のタオルを通して両手で持ち、大男の頭を持ち上げるように首の後ろに移動させた。
 大男は両手を首の後ろで組んだ格好になり、梓は引っ張ってきたタオルの両端を、大男の首の前で結び合わせる。
 梓はここまでの動きを、全て流れるように行った。
 大男は僅か数秒で、梓に完全に上半身の自由を奪われる。
 大男はまだ醒め切っていない意識の中で
「てめぇ…何するつもりだ」
 梓に問い掛けた。
 梓は凍り付くような微笑を浮かべ
「お仕置きよ」
 大男に告げ、大男がうち捨てた金田の血が付いたタオルを拾い、口の中にねじ込んだ。

 余ったもう1本の血染めのタオルを手にすると、梓の身体はズルズルと大男の身体を下がり、股間に到着する。
(馬鹿かこの女…俺がお前に、何発ぶち込んだと思ってる…。もう今は勃たねえよ)
 藻掻いていた大男が、梓の意図を理解し、鼻で笑って馬鹿にした。
「私の大切な方に悪さをした、僕ちゃんは許して上げない…特に念入りにして上げるわ…。一生忘れられないようにね」
 梓の凍り付く微笑は、そのままの雰囲気で、残酷な色を浮かべる。
 梓のこの表情、この態度、この技術は、稔によって連れて行かれた、キサラの元で学んだ物だった。
 キサラの元で加虐者としての知識を学び、技術を文字通り叩き込まれた。
 女王様として振る舞い、男達を従える方法の数々、体格の違う者に対する制御方法。
 それらを知識として教えられ、実際に使い、成功すれば稔に褒められ、失敗すれば男達の餌食になる。
 そんな教育をキサラの店で受け、その全てを納めたのだった。
 今の梓の状態は、言わば女王様モードの梓である。

 梓のオ○ンコが大男のチ○ポに触れると、妖しく動き始め中へ中へと力無いソレを飲み込んで行く。
 オ○ンコの中に大男のチ○ポを飲み込んだ梓は、腰を複雑にくねらせ始めた。
 大男が驚愕の表情を浮かべ、タオルで塞がれた口の奥から、うめき声を漏らす。
(あ、有り得ない…、なんだこの感触! この女、オ○ンコの中で何か飼ってんのか!)
 グニグニと締め上げ、ヤワヤワとさすり、ヌルヌルと這って、グリグリと擦る感覚が、大男のチ○ポを襲った。
 梓の赤と白のまだらに染まった裸身が、大男の股間の上で軟体動物のようにうねり、妖しく舞う。
 大男は数秒で勃起し、数秒で果てる。
 力を無くしかけたチ○ポを、また梓のオ○ンコが動いて、勃ち上がらせる。
 そして、快感を与え、射精を促し、大男の精を毟り取る。
 数回の射精で男は、チ○ポに痛みが走り、さっき自分の仲間が上げた悲鳴の意味を知る。
(お、おい…この調子で…吸い取られたら…。まじでやべぇ…、ぐふぅ…、い、痛てぇ!)
 大男は目を向いて、梓の意図を理解し抵抗を始めた。

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