夢魔
MIN:作

■ 第19章 出張32

 梓の手が金田の首から外れ、水滴が伝うように滑り落ち、胸の前で方向を変え、肩を流れるように抱きしめる。
 金田の浴衣はその動きで、ハラリとはだけ、唇を絡めながら見詰める、梓の瞳はしとどに濡れていた。
 捻るように離れた梓の唇は、金田の唇を軽くついばみ、顎、のど、頸、鎖骨と啄みながら、這うように落ちて行く。
 金田の掌が梓を抱え起こすように、下から上がった時、梓の乳房に触、、そのまままとわりつくように嬲ると、梓の顔が跳ね上がり、白い喉を仰け反らせ歓喜の声を漏らし、ユックリと上げた顔を下ろし、金田を見詰める。
 その表情は泣きそうな、切なそうな色を浮かべ、縋り付くような視線で何かを訴えていた。
 金田が完全に梓の雰囲気に飲まれ、ゴクリと息を飲み込み、どうして良いか解らずにいると
「お好きなように嬲って下さい…お願いします…医院長様…」
 濡れた瞳で、切なそうに金田に哀願し、そのたわわな乳房を金田の両の手のひらに押しつけ、赤く柔らかい舌を伸ばし金田の首筋を舐める。
 びくんと震え金田の手に力が入ると、金田の指が梓の乳房にめり込み、梓は熱く淫らな吐息を上げ、腰をくねらせた。
 金田の太股に、梓の股間からボトリ、ボトリと水滴が落ちる。
 それは紛れもなく愛液だった。
 金田は驚愕する。
 梓の見せている反応に、身体の変化に、表情の違いに。
 今まで見せた事の無い、梓の姿がそこに居た。

 金田は知らない。
 その姿が、梓が奴隷として示す真の姿だと。
 稔に向ける信頼と服従が、初めて梓にこの境地を与えていた物だという事実を。
 金田には理解できて居なかったが、梓にとって今は、恋慕の感情より更に強い感情があった。
 その強い感情とは、従属心、服従心である。
 梓自身がその感情を[誠心誠意示す]と言うのは、梓にとって恋慕の情より遙か上に位置する物であった。
 金田は梓から無条件の服従と、無限の信頼を得て、梓の心を稔と同等の位置で手に入れた。
 金田の思いは、自分の望む遙かに高い位置で、実を結び梓を手に入れたのだ。
 だが、無欲で行った金田に、その梓の思いは全ては伝わらなかった。
 金田の行動にもどかしげに、身体をくねらせ
「金田様…これが私です…。ご主人様に触れられ、嬲られるだけで、オ○ンコをグショグショにしてしまう、変態です。私は、ご主人様に触れられると、、それだけでこう成ってしまいます。お許し下さい…」
 濡れる瞳を伏せ、金田に謝罪する梓。

 金田は首が取れそうな程、左右に頭を振り梓の謝罪を否定する。
 何か言おうとして、口をパクパクさせる金田だが、喉がカラカラで声が出ない。
 梓が唇を重ね、金田の喉を唾液で潤すと、やっと掠れた声で
「許す! 何でも許す!」
 梓に告げる。
 梓は軽く身をよじり、優雅に自分の右手を胸に当て、ホッと一息吐くと、金田に向き直り縋り付くような視線で
「金田様…お願いが御座います…。稔様が居られない時…ご主人様とお呼びしては、駄目でしょうか? 私の忠誠を…私の服従を捧げる方として…そう呼ばせて頂く訳には参りませんでしょうか…」
 梓のこの申し出を聞いた瞬間、金田の心臓は確実に停止した。
 次の梓の確認する言葉がなければ、金田は間違い無く、この世の人では無くなって居ただろう。

 金田は大きく目を向き、口を開けて呼吸すら忘れている。
「金田様…金田様? どうされました」
 梓が金田の様子がおかしいと気づき、肩を揺さ振ると金田が正気を戻す。
「ん、あ、あぁっ。あ、梓…い、今なんて言った? ご主人様と…呼ばせて下さい…って、言ったか?」
 金田の問い掛ける声は、高く裏返り非常に聞き取りにくかったが、梓は大きく頷き
「はい、私の服従を示す方として、稔様の居られない時には、ご主人様と呼ばせて頂けませんかと、お願い致しました」
 濡れる瞳で首を傾げながら、縋り付くような表情で金田に答える。
 金田は即座に梓に告げた。
「許す! …呼んでくれ。いや、寧ろ呼べ! 今呼べ、直ぐ呼べ、さぁ呼ぶんだ!!」
 金田の急かす言葉に、梓は熟れた身体を金田にしなだれかけ
「ご主人様…これからも、梓を宜しくお願いいたします」
 軽く金田の胸に手を添え、甘えるように言った。
 金田の身体が、おこりのように震え始め、梓が顔を見上げると、金田は天井を仰ぎ見て固まっている。
 その口から[おおおおおおお〜]と嗚咽のような声が漏れ
「これは、夢か? 俺の妄想か? 現実なのか?」
 呟くような声が続く。
「ご主人様…現実で御座います…。これが夢の感触ですか?」
 梓はたわわな乳房を金田の胸に押しつけ、上に向けられた顎にじゃれつくように唇を這わせ、徐々にせり上げ唇に濃厚な奉仕を始める。
 梓の手は金田の背中に巻き付き、ヤワヤワと撫でさすり、密着させた腰がクネクネと淫らに動いて、金田の腰に擦りつけられた。

 金田はその感触に居ても立ても堪らず、梓にむしゃぶりつく。
「あふぅ〜ん…」
 梓は鼻に掛かる甘い声を上げ、金田に身体を委ね、押し倒される。
 下から四肢を巻き付ける梓は、金田の耳に熱い吐息と共に、ズッと考えていた質問を投げ掛けた。
「ご主人様は…梓のオ○ンコには、興味をお持ちでは無いんでしょうか…。お仕えするようになってから、今日で3日目に成りますが、一度もお使いには成られませんでした…。魅力が無いのでしょうか? それとも、穢らわしいのでしょうか…」
 梓が金田の顔を覗き込み、悲しそうに質問すると、金田は困った顔をして
「あ、う、うん…興味が無いなんて事はないし…、穢らわしいなんて考えた事もない」
 梓に告げる。
「なら、どうしてお使いになって頂けないんですか?」
 梓が縋り付くような視線で、金田に詰め寄ると
「あ、あんな事をしていて、言うのも変なんだが…。その〜…、無理矢理って言うのに、抵抗があったんだ…」
 金田は梓から視線を外し、俯くと顔を真っ赤に染め、薄い髪の毛をボリボリ掻きながら、告白した。
 金田は度外れたた陵辱や恥辱、果ては輪姦まで命じて於いて、[初めての交わりは、合意の上で]と言い出したのだ。
 梓は失礼と解りながらも、呆気に取られ口を開けて見詰め、クスリと笑うと金田の耳にソッと囁く
「ご主人様…梓のオ○ンコをお試し下さい…。梓にご奉仕させて下さい…」
 金田に嫌はなかった。
 金田は滾りきって、はち切れんばかりのチ○ポを、梓のオ○ンコに突き立てる。
 こうして初めて金田は、念願の梓と交わりを得た。

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