夢魔
MIN:作

■ 第20章 恋慕20

 狂は絵美の状態を確認すると、スッと身体を離し、遠く離れた所から素早く腕を乳房に伸ばして、一気に握った。
「きゃふ〜〜〜ん!」
 絵美は高い鳴き声を上げ、腰をガクガクと振り、そのまま膝の力が抜け、絨毯の上に座り込んだ。
 トロリと開いた目は、欲情に濡れ、半開きの口からは、熱い吐息が漏れている。
 腰はガクガクと揺れ、足もプルプルと震えているが、固く掴んだ腕は放していない。
「それが、お前だ…お前の本性だ…。そして、俺はサディストだ…勿論純もな…」
 狂は絵美のすぐ前に立ち、そのまま絵美を見下ろし静かに告げる。
 絵美は潤んだ瞳で、狂を見上げると狂の足に、何も言わず頬を擦りつけた。

 狂は絵美の顎の下に指をかけ、絵美を立ち上がらせると
「スカート中を見てこい…ショーツが大変な事になってるだろ。脱いで綺麗にしてこい…」
 絵美の耳元に囁いて、トイレに向かって顎をしゃくる。
「は…い…」
 絵美は掠れた声で返事をし、フラフラとトイレの前まで進む。
 絵美はトイレの前に立つまで、組んだ腕を解かなかった。
 暫く考えた絵美は、振り向いて狂に目で伺いを立てる。
 狂が顎を引いて頷くと、絵美は腕を解いてトイレの中に消えて行った。

 トイレの中に入った絵美は、火照る身体を抱きしめ、熱い吐息を一つ吐いた。
(どうしたの…狂君は、私に命令して…私はそれに従って…只グルグル周りを回っただけ…それなのに…それなのに…。あんな風にオッパイ触られただけで…あんなに感じちゃうなんて…これがSM…?)
 ボンヤリとした意識のまま、首を巡らせ、虚ろな目線で、鏡に映る自分の姿を見る。
 ゾクゾクと背中を余韻のような物が駆け上がり、絵美は喉を逸らせて、また吐息を漏らした。
 軽く開いた内股に、また愛液が筋を作った。

 鏡に視線を戻した絵美は、狂のサディストという言葉を思い出し、神田の事を思い出して悪寒を覚える。
(違う…何もかも…あの人のした事とは、何もかも違う…! そう、根本的に違うわ…。あの人にされた事は、惨めさしか残らなかった…でも…でも…今は…幸せ…違う、開放感…ううん、それとも違う…解らないけど…心地良い…)
 そこまで考えた時、絵美は身体をまた、ギュッと抱き締める。
 抱き締めた瞬間、絵美はハッとした。
(狂君! 待たせちゃいけない!)
 絵美は手早く、スカートの中に手を入れると、ショーツを脱いでビショビショに成ったショーツで、オ○ンコを一撫でし、慣れた手つきでショーツを水洗いする。

 絵美にとって手洗いは、お手の物である。
 あっと言う間に水切りまで済ませると、手早く畳んで小さくまとめた。
 顔を上げた絵美は、鏡に映る自分の乳房を見詰め
(これも要らない…狂君に見て貰いたい…)
 素早くTシャツの中に手を入れ、ブラを外した。
 上下の下着を手に、絵美は急いでトイレを出る。
 狂に一刻も早く会いたかったのだ。
 狂に一刻でも早く、見て貰いたかったのだ。

 絵美がトイレの中に消えると、狂はソファーに戻り目を閉じる。
 暫くすると、狂の瞼がピクピクと激しく動き始めた。
(良かったな純…お前が望むとおり、無理矢理にならなくて…)
(う、うん…でも、あんまり酷い事は…嫌だな…)
(俺は、お前が言ったとおり、独占欲が強い…稔達にも指一本触らせねぇ…)
(それって、狡くない…美香ちゃんや美紀ちゃんや沙希ちゃんにあんな事しておいて…絵美ちゃんだけは別って…)
(じゃぁ、お前は絵美が、稔にヤラれても良いのかよ! 俺はゴメンだ!)
(そんなの! 僕も嫌だよ! でも、それで通るの…)
(通す!)
 狂がそう言い切った時、トイレの扉が開いて、絵美が出てきた。

 トイレから出てきた絵美を見て、狂は可笑しくなった。
 モジモジと頬を赤らめ、後ろで手を組み歩いてきた絵美のTシャツにはクッキリと、乳首が見えていた。
「どうした、こっちに来い」
 狂が手招きすると、絵美は小走りで狂の前に立ち、下着を隠すように手を後ろに回す。
 狂はソファーに深く腰を掛けて、絵美の身体の全体像が見えるように座っている。
「綺麗にしてきたか? 見せてみろ」
 目の前に来た絵美に命令する。
 絵美は怖ず怖ずとスカートの両端を両手で摘むと、ユックリ上げ始める。
(あ、あああぁ〜…は、恥ずかしい…で、でもゾクゾクする…)
 絵美は顔を真っ赤に染め俯けて反らし、固く目を閉じている。
 絵美の閉じた目の睫がフルフルと震え、羞恥に耐えて居るのが良く分かる。
 そんな絵美の反応は、狂にとって極上の反応だった。

 狂はスッと両肘を両膝の上に乗せ、顔を突き出し
「調べてやるから拡げろ」
 命令を下す。
 絵美の身体がビクリと震え、命令に従い足が拡がり始める。
 ジワジワと足が開く間も、絵美の身体は小刻みに震え、ピンク色に染まった肌が、徐々に赤く色付き始めた。
 絵美が足を肩幅に拡げると、狂が息が掛かる程、股間に顔を近づける。
 狂の息づかいが、絵美の股間に当たると、ビクッ、ビクッっと絵美の身体が震え、腰が引けて行く。

 そんな絵美に狂は
「絵美…腰を引けと言ったか?」
 質問すると、絵美は慌てて腰を突き出す。
 狂には見えないが、今の絵美の顔は、羞恥と興奮に染まり、真っ赤になって泣きそうな顔になっている。
「おい、絵美駄目だろ…。全然綺麗になってないぞ。俺が拭いてやる」
 狂はそう言って、テーブルの上に手を伸ばし、おしぼりを持つ。
 温かいおしぼりを、興奮で赤く色付く、絵美の柔らかい内股に当て、丁寧に撫でさする。
(あん…ああん…あぁ〜…んくぅ…あん、はぁあん…)
 絵美の呼吸は荒く熱くなり、ブルブルと腰が震え、下唇を噛みながら、快楽と羞恥と官能に堪える。

 狂が太股を拭き終え、掌におしぼりを乗せると、そのまま持ち上げた。
 真下から絵美のオ○ンコ全体をおしぼりが包む。
「あふ〜ん」
 絵美が鼻に掛かった声を上げるが、その声が徐々に切羽詰まった高い物に変わる。
 狂がおしぼりを当て、そのままグリグリとオ○ンコとクリトリスを刺激し始めたのだ。
 絵美の声が高く絶頂を迎えようとした瞬間、ピタリと狂の手が止まり、おしぼりが離れてゆく。
 絵美はお預けを食らった事が理解できず、泣きそうな顔を不安に歪める。
 その顔は涙を湛え、興奮と羞恥に染まりながら、主人に叱責され許しと媚びを含んだ視線で哀願する子犬のようだった。

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