夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転4

 黒澤は由香を伴い職員室に向かい、鞄を置くと管理棟から、地下室に向かう。
 だが、地下室はひっそりと静まり返り、人の気配が全くなかった。
 黒澤はとって返し、保健室を覗くがそこにも居らず、キサラの行方を捜し始める。
 校内を30分程、キサラの姿を捜したが、キサラはどこにも居なかった。
(どう言う事だ、女教師を責め続けていたのだから、学校内には居る筈なのに…)
 黒澤が不審に思っていると、黒澤がキサラを捜している間に、相当数の調教教師が出勤していた。

 恐らく、その教師達もキサラを捜して、校内を彷徨っているのだろう、その姿は見あたらないが、晒し者になっている女教師の身体に、既に7人の名前が書かれている。
 後出勤していないのは、黒澤グループの4人の教師と、白井だけだった。
 晒し者になっている4人の女教師は、ほぼ限界に近い。
 平伏している姿が、叩き付けられた蛙のように、力無く潰れている。

 黒澤がその身を案じ、近寄るとその時白井が出勤してきた。
 白井の出勤に、女教師が挨拶をすると、白井は指を差して女教師達を笑い、その姿を嘲った。
 女教師達は白井の嘲りや、蔑みを全て認めながら、白井にただただ許しを請う。
 這い蹲り平謝りする女教師達を、白井はかさに掛かって侮蔑し、なじり、踏みつけた。
 10分程女教師達を嬲った白井は、女教師達の申し出を聞き、股間を晒させる。
 その状態で更に、白井は5分程女教師達を嬲り、辱めて尿道のサインペンを引き抜く。

 サインペンを引き抜き、クリ○リスの吸引器が振動を始めると
「へ〜、面白〜い…。これがスイッチなんだ…。うわっ、こんなに紫に成って、痛そう…」
 白井は女教師達のクリ○リスをマジマジと見詰め、サインペンでコンコンと吸引器を叩きながら
「ねぇ、痛い? これ痛い?」
 笑って問い掛ける。
「ぐひぃ、いたい、ぎぃー、です、がひぃ、いたいです〜、ぎへぇ、いたい〜…」
 女教師はボロボロと涙を零しながらも、必死に堪え白井の質問に答えた。

 白井は吸引器を叩く手を止めず
「ふ〜ん、やっぱり痛いんだ…。1人だけじゃ可哀想だから、みんなに味あわせてあげるね」
 女教師達にそう言うと、他の3人のサインペンも引き抜き、全員に振動を掛け、コンコンコンと両手にサインペンを持って吸引器を叩き始めた。
 女教師達は苦鳴で4重奏を奏で始め、白井は嬉々としてそれを支配する。

 見かねた黒澤が、白井に近づき
「おい、白井君それは遣りすぎだろ。彼女達はもう限界だぞ」
 白井に注意すると
「あら、黒澤先生。私のする事に、文句でもお有りなの? 昨日理事長が、仰ってたでしょ[徹底的に教えて遣れ]って、だから私は教えてますの」
 白井はムッとした表情で、黒澤に反論する。
「だが、[壊してもいけない]と、理事長は言われていたぞ。彼女達それ以上遣ると壊れるぞ」
 黒澤の言葉に、白井は女教師達を見詰め、[フン]と鼻を鳴らすと、お尻に名前を書いて、それぞれの尿道にサインペンを乱暴に戻す。

 白井は身体を起こすと、玄関先で俯き、白井の暴挙に震える女に向かって
「いつまでそんな所に突っ立ってるの、早く来なさい!」
 鋭い声で怒鳴り、呼びつけた。
 女教師は、入り口の扉を開け、静々と中に入ると
「申し訳御座いませんでした…」
 白井に深々と頭を下げて謝罪する。

 白井に頭を下げた女教師を見て、黒澤は愕然とした。
(そうか、この女がいた。源さんにズッと治療されていたから、このところ姿を見なかったが、ここ迄とは…)
 白井が連れていたのは、美由紀だった。
 元々の美貌に、真の治療で磨き上げられ美しさを増し、そして真の失墜と白井の再支配に打ちのめされ、出来た影がゾッとする程の色気に成って表れていた。

 稔が居なくなった今、白井に対して制約を強要する者は居ない。
 だが、この白井の節操の無い行動は、黒澤には我慢出来なかった。
「白井君、少し良いか。君が連れている女性に、君は手出ししない筈じゃ無かったのか?」
 黒澤の言葉に、白井は眉根を跳ね上げると
「さっきから何なんです? 黒澤先生は文句ばかり! それは、あの子が勝手に決めた事でしょ? 今は、理事長の指示の元、全ての制約が取り払われて居るんだから、貴方にどうこう言われる筋合いは無いわ! それに、今はまだ、みんな平等の位置でしょ、私が貴方の言う事を聞かなければ成らない理由も何処にも無い」
 昂然と黒澤に告げる。

 白井は黒澤にまともに喧嘩を売って来た。
 一瞬で黒澤の雰囲気が変わり、物騒な物に変わる。
 白井はその雰囲気の変化に、顔を青ざめさせながらも
「何、遣る気…? 私に手を出したら、お父様に言うわ! お父様に頼めば、貴方の首なんて直ぐにとぶわよ!」
 黒澤に食って掛かる。
「ほう、面白い…。私がそんな言葉で、引き下がると本気で思っているのか? 制約も守れないお子様に礼儀と言う物を教えてやろう…」
 黒澤が珍しく激昂し、白井にジリッと躙り寄ると
「朝っぱらから、何物騒な雰囲気出してるの! ほら、揉め事は止めなさい」
 黒澤の背後から、キサラが現れピシャリと叱責する。

 キサラの凛と響く声に、その場に居た、黒澤以外の全教師の身が竦み上がる。
 黒澤のみ泰然自若と叱責を受け流し、ユックリとキサラに振り返った。
(あら、やるわね…私の声に竦まなかった何て、これで6人目かしら…)
 キサラは、艶然と黒澤に微笑みかけ
「何を言い合ってるの? 事と次第によっては、お二人に罰を命じるわよ」
 事の次第を問い掛ける。

 黒澤が口を開くより早く、白井が身を乗り出し
「黒澤先生が、私に難癖を付けて、私の奴隷を奪おうとするんです!」
 キサラに訴えかけた。
 黒澤は鼻で笑い、キサラに事情を説明する。
 黒澤の説明を聞いていたキサラの表情が、引き締まり、白井を氷のような視線で見詰めると
「貴女…SM舐めてる? 私達の契約は、そんな軽い物じゃない。揺るぎない意志がない物に、サディストを語る資格は無いわ」
 白井を一刀両断にした。

 白井はキサラにまで、その節操の無さを責められ、項垂れる。
 キサラは美由紀に向き直ると
「貴女の処遇は、私預かりとします。当面は首輪無しで過ごす事。審査を受けるタイミングは、私が決めるわ。これからは、全ての人間を主人と思い生活しなさい」
 美由紀に命じた。
 美由紀はキサラの迫力と、白井の支配から解放される事で、直ぐに同意する。

■つづき

■目次4

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊