夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転12

 教頭が、春菜の乳房に手を掛け揉み始めると、春菜は身をくねらせ、尻を振り、舌使いを激しくする。
 求められる事、使われる事に対して、春菜は淫らに応えた。
 それが春菜を屑女にした、庵の命令だったからだ。
 春菜はそれを意識しせずに、貫いていた。
 今の春菜には庵の事が頭には無く、教頭に仕える事が至福だったにも関わらず、春菜は無意識にその命令に従う。
 それは春菜のマゾ性を開花させた、庵の強烈なインパクトが、春菜の心に焼き付けた[存在意義の表現]に成っていたからだった。

◆◆◆◆◆

 一方黒澤は白井を追い返した後、仲間の教師を集め結果を報告していた。
「予想以上にシビアな審査だった…、由香ですら6点の判定だ…。この結果から行くと、後1人足りない事に成る。若しくは、急速に下半身の開発が必要だ…。紗英、源さんはどう成った?」
 黒澤が方針を提案して、大貫に問い掛けると
「はい、お約束は取り付けました。もう暫くで、お見えに成られると思います」
 大貫は黒澤に即座に答えた。

 大貫の言葉に黒澤が頷いた時、扉をノックする音がして真が現れる。
「済みません。大貫先生はこちらで宜しいでしょうか?」
 真が会議室に入ってくると、29人の表情が引き締まった。
 黒澤達は真に奴隷の教育を依頼した事が無く、その実力を量り兼ねていたが、光子と京本に話を聞いて居て、助けを求める事にしたのだ。
(一体、どれ程のモノなんだ…。京本君は[化け物]とか[諸刃の刃]と言っていたが、この姿形からは想像出来ないな…)
 黒澤は真の飄々とした姿形に、かなり懐疑的な視線を向ける。

 真はそんな黒澤の視線をニコニコとした表情で受け止め
「えっと…依頼の内容は、今後の訓練内容の相談とお聞きしたんですが…。何かそんな雰囲気じゃないようですね…」
 黒澤に問い掛けた。
 黒澤は深刻な表情を浮かべ、真に対して審査で聞かされた内容を告げ
「そう言う事で、尿道と子宮を使えるように、しなければ成らないんです…」
 真に方法を求めた。
 真は腕組みをしながら、暫く考え込み
「尿道はかなり時間が必要です…。子宮口を開く程度なら、直ぐにマスター出来るでしょうが、子宮ヘルニヤを任意で行うのは、かなりの訓練が必要に成ります…。人の身体は、それ程簡単には変わらないのが、常ですから」
 黒澤に真剣な表情でそう告げる。

 黒澤は真の言葉に、溜息を吐きながら
「そうですよね…。普通に考えても、そう言う結論に達します」
 真の言葉に納得して、頭を抱えた。
 黒澤はふぅと溜息を吐き、真に顔を向けると
「で、いか程で教育出来ますか?」
 諦め掛けた声で真に問い掛ける。

 真も黒澤に釣られ、重い表情で
「そうですね…。使える場所と個人差に依りますけど…。掛かり切りで子宮口を広げるなら、1時間…尿道の訓練は、薬品と庵君の機材をお借りして5日ぐらい…。子宮ヘルニアの訓練は、一概に言えませんが、1週間と言った所でしょうか…。この近くに有った、私の使える場所は、今は理事長の管轄になっているため、私には使えなくなりました…。私の力は、場所によりその効果が、かなり左右されてしまうんです。私のベストパフォーマンスが出来る場所なら、大体その半分くらいですかね…」
 黒澤にそう告げると、黒澤は驚きの表情で真を見詰めていた。

 黒澤は真に身体ごと向き直り
「い、今の期間は本当ですか? 年単位じゃなく…日単位なんですか?」
 身を乗り出して真に問い掛けた。
「え、ええ…。正方形の木張りの部屋が有れば、条件に依っては時間の短縮も有りますが…大体それぐらいです…。あ、使いこなすと成れば、話は別ですよ…、それこそ個人差がありますんで」
 真は黒澤の勢いに驚きながら、条件を伝える。

 するとそこに山孝が口を挟み
「あ、有りますぜ。木張りの正方形の部屋…。確か剣道部の部室がそうだったと思います…。今は廃部に成って誰も使ってやせんし、倉庫みたいになってやす…」
 黒澤に進言する。
 黒澤達は場所をその場に移す事にし、真に告げると
「でわ、私は必要なモノを揃えて行きましょう。そうですね、結構な量が有りますから、場所を知っている男性に手伝って頂いても宜しいですか?」
 真はにこやかに黒澤に依頼し、山源が真の手伝いに廻った。

 黒澤が第1体育館の1階を奥に進むと、[剣道場]と古びた看板が掲げられており、その扉を開ける。
 中は30畳程の板張りだが、雑多な物が詰め込まれ、倉庫のような役目を果たしていた。
 黒澤達は更に奥に進み扉を開けると、そこは山孝が言った通り、10m四方の正方形の部屋が有る。
 しかし、その部屋は完全に物置と成っており、何に使うか解らない物で、ごった返していた。
 黒澤達は急ぎ部屋の荷物を全て外に出し、掃除をさせ小綺麗にする。
 掃除をし終えたがその部屋は、東と南の2つの壁に小さな採光用の窓が有るだけで、薄暗い陰気な雰囲気を漂わせる部屋だった。

 黒澤達が掃除を終わらせ、その部屋の雰囲気に溜息を吐いていると、真と山源が荷物を持って現れる。
 2人とも両手に大きな鞄を持ち、黒澤達と合流し部屋を見ると
「おお! 良いです! 凄い…。この学校にこんな部屋が有ったなんて…凄い、凄いな…。うんここなら、かなりやれそうだ…」
 真が興奮気味に、部屋を見渡した。
「そんなに良いんですか…? こんな陰気な部屋…」
 大城が思わず呟き問い掛けると
「ええ、構造的には、ほぼベストです…。いや〜、ここならさっき言った期間の2/3…、人によっては半分の期間で大丈夫です」
 真はニコニコ微笑んで、大城に応えた。
 そして、この後[魔人]真のデモンストレーションが始まる。

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