夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転13

 真は自分の持って来た鞄から香炉を選び、一番お気に入りの一組をそれぞれの壁面の真ん中に設置し、燭台を四隅に配した。
「あ、済みません取り敢えず、そこの2つの窓は、塞いで下さい。今回は自然光は邪魔になりますんで、出来るだけしっかりとお願いします」
 真は黒澤達に依頼すると、部屋の中心にいつもの敷き布を置き、丁寧に皺を伸ばす。
 そして、荷物と人を全て外に出し、いきなり全裸になると、葉の付いた木の枝と香炉を1つ持って、部屋の中に消えた。

 暫く部屋の中から、高く低く真の呟くような声が聞こえ、突然扉が開き真が出てくる。
「準備が出来ました。取り敢えず、皆さんの素養を見させて頂きましょうか。おっと、これだけ居たら、私も覚えられませんので、誰か板書をお願いしますね」
 真は楽しくて仕方がない様な口調で、黒澤達に告げた。
 黒澤達は、真の勢いに呑まれ、曖昧に頷き部屋に入ると、さっき迄陰気に感じていた部屋が、どこか荘厳で少し淫卑な雰囲気に変わっていた。
 焚き込められた香の甘い匂いで頭が眩み、ユラユラと揺れる燭台の明かりが、真ん中の敷き布に座った、真の輪郭を曖昧にする。

 真はスッと奴隷教師達に手を差し出すと
「さぁ、どなたからです? 最初は10分程で終わりますよ」
 ニッコリと微笑みながら告げる。
 その真の手に一番先頭にいた、恵美が手を伸ばす。
「あくぅ〜ん…あ〜…、な、何…、どうなって…」
 真の手を取った瞬間、恵美が官能の声を上げ、膝がカクリと折れて、恵美は真の身体に覆い被さるように縋り付く。
 真は器用に恵美の身体をコントロールして半回転させると、横抱きに抱き止めた。

 真の腕の中に収まった、恵美の頬は快感に赤く染まり、目は潤んでいる。
「大丈夫です、痛い事はしません…少し貴女の身体を、診させて貰いますね」
 真は優しい笑顔を恵美に向けると、恵美の股間に手を伸ばし、触診を始めた。
「あ、あくぅ〜ひん、あ、あ、あ、あ〜〜〜…。いや、はん、あひぃ〜、くふぅ〜〜〜ん、あ、あ、あ、きゃはぁ〜〜〜ん…。あく、あ、あくぅ〜〜〜っ…、い、イク、イッちゃう…イクゥ〜〜〜〜ッ! あん、やだ、また、またくる〜〜〜っ…あひ、あひぃ〜〜〜っ…」
 真は恵美の身体に手を這わせ、恵美の身体を隅々迄触診する。

 真の指は恵美のオ○ンコを探り、アナルを調べ、口腔を診て、肌を確かめる。
 恵美は真の手の動きに操られるように、様々に体勢を変え、官能の奔流に揉みくちゃにされた。
 真に触診された恵美は、いつの間にか全裸に剥かれ、そっと仰向けに寝かされると、オ○ンコから愛液をダラダラと垂れ流し、視点を宙にさまよわせ、恍惚の表情で全身をビクビクと痙攣させる。
「この方は、筋肉の付き方も、身体の柔軟性も申し分有りません。感度もかなり良好で、痛みにもかなり強いと思います。ただ、肉付きが少ない分、耐久力に問題があると思います…。あ、今の書き留めて置いて下さいね」
 真は触診を終え、結果を黒澤達に告げた。

 だが、その場に居た教師達は真の言葉に、何の反応も出来ず、ただ呆然と見詰めているだけだった。
 辛うじて、自分を取り戻した黒澤が
「い、今…何をされたんですか?」
 恐る恐る、震える声で問い掛けると
「え? ああ、今のはですね、私の体内で練った[気]を掌から、流し込んでこの方の、身体の様子を探ったんですよ。いわゆる[触診]って奴です」
 真は少し驚き、直ぐにニッコリ微笑んで、黒澤に告げる。

 黒澤は真の言っている事が理解出来ず、頭を捻ると
「どんな手品を使ったんですかい? 恵美は俺を相手にしても、自分の意志で、絶頂を止められるんですぜ。それが、あのよがりよう…何か、妖しい薬でも使ったんですかい! 事と次第に因っちゃ俺ぁ許しませんぜ!」
 山孝がもの凄い形相で、真に躙り寄る。
 真は溜息を吐くと、スッと山孝に右手を差し出し
「試してみますか?」
 山孝に問い掛けた。

 山孝はギョッとした表情を浮かべ、直ぐに気を取り直すと、真の右手を握る。
 山孝は真の手を握った瞬間、その感触に体中の毛穴が開き、産毛が逆立った。
 真の掌は柔らかく暖かで、ツルツルと滑らかな肌を持ち、そしてビリビリと静電気のような感触が伝わってくる。
 その静電気のような感触は、時に熱を帯び、時に氷のように冷たく、肌の表面を撫でるように、針で突き刺すように、揺らぎながら感覚神経を刺激してきた。
 山孝はそれらを一瞬で感じさせられ、ビクリと驚き手を引っ込める。

 自分の手をマジマジと見詰め、恐ろしい物でも見る目で、真を見詰めた。
「今のが、[気]の感触です。通常男性よりも女性の方が、5〜10倍感じますから、この方の様に成ります…。まあ、今回は初体験ですので、本修行の半分も[気]は遣っていませんよ」
 真はニッコリと山孝に笑い掛け、自分の技術を語った。
 山孝は真から目を離さず恵美に近づくと、桃源郷を彷徨う恵美を抱き上げ、頬を軽く張る。
「あくぅん! あはぁん! あん、あはぁ〜ん!」
 ピシャピシャと山孝が頬を張るたび、恵美のだらしなく開いた股間から、愛液がドピュッ、ドピュッと放物線を描いて溢れ出す。

 恵美は蕩けた視線を山孝に向け
「あふ〜ん…孝三様〜…もっと〜〜〜…もっと、してください〜〜〜…」
 ビクビクと身体を震わせる。
 そんな恵美を見ていた真が
「う〜ん、ここは具合が良いんですね…、少し[気]が走りすぎましたか…。次は少し気をつけましょう…。さぁ次の方どうぞ…」
 ブツブツと呟きながら反省すると、黒澤達に視線を向けて、ニッコリと微笑んで促した。
 黒澤達の後ろに控えた、女教師達の身体が、ビクリと震え強張り後ずさる。

 そんな女教師の中、人一倍好奇心の強い直美が
「次、あたししま〜す!」
 洋服を脱ぎながら、前に飛び出してきた。
 真はニッコリ微笑んで、直美を迎え入れると、10分間直美に感じた事のない快楽を与えた。
「うきぃ…、あひぃ…、うく、うく…、あきひぃ…」
 直美はゴロリと床に寝そべり、身体をだらしなく投げ出すと、体内で暴れた快感の強すぎる余韻に、痙攣しながら浸っている。

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