夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転18

 恵美は余りの痛みに、全身を硬直させようとするが、恵美自身の筋肉疲労のため、全く全身に力が入らず、人形のようにユラユラと揺れるだけだった。
 真は恵美の感覚を保護していた分の[気]を、恵美の筋肉回復にまわし、恵美の感覚を全て解放する。
(あ、あ〜〜〜〜〜〜〜っ!)
 恵美は身体が感じていた、痛みと快感を同時に感じながら、意識を飛ばす。
 恵美の身体から、一斉に力が抜け、糸の切れた操り人形のように頽れ、失神した。
 恵美の失神と同時に真の真言が終わり、真は肩で息をしながら恵美を解放する。

 恵美を床にソッと寝かせた真は、目を驚愕で見開く5人に向かって
「一人目…終わりました…。子宮口の開き方、使い方の基本まで教えましたが、恐らくまだ活用は出来ないでしょう…。山本先生…済みませんが、この方の下半身の筋肉は、今まで使われた事がない、動き方をしたので酷い筋肉痛に成っています。下半身…股関節の辺りを中心に、腰痛時のストレッチをして上げて下さい…。それでだいぶ楽になる筈です…。5時間はストレッチ以外、絶対安静ですが、その後一度肌を合わせて上げて下さい。身体の使い方を忘れないためにも、必ず最後まで頑張って下さいね…」
 教育内容を告げ、フォローを山孝に依頼した。
 名指しされた山孝は、カクカクと首を縦に振り、真の指示を承諾する。

 山孝は失神しながらも、ビクビクと痙攣する恵美の身体をソッと抱き上げ、真に向かって深々と頭を下げ、部室を後にした。
 その後を山源がバタバタと追いかけ、部室を出て行く。
 黒澤はジッと真を見詰め、その容貌の変化を観察していた。
(凄かった…。確かに有り得ない物を見せて頂いたが…、この人にも相当の負担があるんだろうな…。肌の張り、溢れかえる生気のような物が、確実に減っているのが解る…。私は、とんでも無い事をこの人に依頼してしまったようだ…)
 黒澤が感じた通り、真の身体からは教育前に有った、漲る覇気のような物が消えている。

 真は長く大きな溜息を吐くと
「済みません、5分程時間を下さい。1人で[気]を練り直します。時間が来たら次の方を中に入れて下さい…」
 黒澤達にペコリと頭を下げ、退室するように依頼した。
 声を掛けようとしていた黒澤は、出鼻を挫かれる形と成り、曖昧に頷いて部室を後にする。
 黒澤は扉を閉める時、真に視線をそっと向けると、真は結跏趺坐に足を組み、真言を唱え始めていた。
 その顔には、色濃い疲労が浮き上がっている。
 真は黒澤達に見せまいと、疲労を隠していたのだった。

 引き戸を閉めた黒澤は、ジッと考え込む。
(何か手伝いたいが、何をして良いのか分からない…。大変な事を依頼しておいて、何も出来ないと言うのは、苦しい物だな…)
 真に感謝しながらも少し後悔していた黒澤は、有る事を思い出す。
(そうだ、新庄先生なら、こんな時何をすれば良いか聞いていないか…。彼女はここ2週間ずっと源さんと行動を共にしていた筈だし、何か聞いているかも知れない)
 黒澤は美由紀の事を思い出すと、直ぐに他の者に向かって、指示を出し始める。

 黒澤は次に教育に入る直美と、見学する奴隷教師を除いて、剣道場の片づけを命じ、山孝に恵美の看病を任せると、大貫と大城を連れ校舎に戻っていった。
 奴隷教師を連れて行かなかったのは、他の調教教師に見つかって要らぬトラブルを防ぐためだ。
 校舎に着くと黒澤達は手分けして、美由紀を捜し始めた。
 大貫と大城に教室棟を回らせ、自分は職員棟を回り始める。

 あちこちを捜し始めるが、美由紀の姿は何処にも無い。
 捜している最中、数人の奴隷教師と擦れ違い、問い掛けてみるが、誰1人姿を見た者がいなかった。
(これは、どこかの部屋で、使われている可能性が高いな…)
 黒澤はこれだけ姿を見せないのは、個室に居る事が原因であると判断し、携帯電話を取り出して、追跡ソフトを起動させる。
 職員棟には20個程の番号が、散らばっていて黒澤派以外の教師殆どが、職員棟にいる事を黒澤に教えた。
 黒澤はその中で、部屋の中に調教教師が居らず、ジッと動かない2つの番号を見つける。
(この位置は…確か用務員室…。あいつ等か…)
 黒澤は携帯電話を片づけ、直ぐ目の前に有る、用務員室の扉を開けた。

 用務員室の扉を開けた瞬間、部屋の中から女達の淫声が、黒澤の耳を打つ。
「くふぅ〜〜〜ん、あん、あん、あん…、きもちいいの〜…オ○ンコさいこうです〜…、アナルもきもちいい〜〜〜っ…、もっと、もっとついてください〜〜〜っ…」
「あひ〜、あひ〜〜〜っ! こわれちゃう…オ○ンコ…こわれちゃう〜〜〜…、だめ、また、またイキます〜、イッちゃう〜〜〜っ!」
 用務員室の中では、春菜と美由紀が正面から抱き合い、その後ろから東と谷が2人を貫いていた。
 春菜の疑似男根が、美由紀のオ○ンコに深々と刺さり、東と谷が2人のアナルを犯している。

 黒澤はその光景を見た瞬間、東と谷が主導で美由紀と春菜を犯していると思い、表情を険しくした。
 だが、黒澤が東と谷の表情を見た時、その考えが変わる。
 春菜を貫いている谷はまだしも、美由紀を犯している東の表情は、明らかに苦痛を耐えていた。
「も、もう駄目だー!」
 東はそう叫ぶと、美由紀のアナルに精を放ち、身体を引き離そうとする。
「もう、終わりですの? まだ、2時間程しか使われていません。もっと、お使い下さい」
 美由紀が艶然と東に微笑みかけ、腰を捻ってアナルを絞め込む。

 恐ろしい程の妖艶さを醸し出す美由紀に対して、他の3人は疲れ果てている。
「な、何回出したと思ってんだ…。もう、終わりだ! 早く放せ…。お前はもう良い、とっとと出て行け!」
 疲労困憊した東は、美由紀からやっとの思いで、身体を引きはがし、力無く美由紀のお尻を蹴った。
 ペシリと情けない音を立て、美由紀のお尻に蹴りを入れた東は、蹴ったその力でバランスを崩し、後ろに倒れ込む。
 東の足腰には、全く力が入らなく成っていたのだ。

 美由紀は春菜の疑似男根を解放すると、春菜も崩れるように、谷に身を預ける。
 谷は春菜の体重を支えられず、そのまま後ろに倒れ込んだ。
 美由紀は春菜に手をさしのべると、春菜は恐る恐るその手を掴み、立ち上がる。
「ど、どうしたんですか…。これ、新庄先生、何かやったの?」
 春菜が美由紀に問い掛けると、美由紀は妖艶に笑い
「少し…ね…」
 ゾクリとする色香を漂わせながら、春菜に答えた。
 その光景を見ていた黒澤は、美由紀が間違い無く真の教育を受けていると確信する。

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