夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転22

 続いてキサラは、柔突起の付いた円筒状の物を出し
「膣に入るのはこれ。この柔突起リングは、リニアモーターの原理で、最大1秒間に3回転する優れものよ。これで、膣壁を擦られたら煙が出ちゃうわよ…。そしてこれは、最大で18p最小で5pの長さに変化するの。その変化の理由はね、この入り口のリングに関係してるのよ」
 説明すると、一方の端にある奇妙なリングを指差し、ニヤリと笑う。
 田口がそのリングに興味を抱いて手で握ると、側面に深い溝が掘られたリングは、田口の手の中で収縮を繰り返した。

 キサラは田口の反応を見ながら、リングを指差し
「ここの部分は今触って解ったでしょうけど、バネ仕掛けで直径20pまで開くの。そうね…完全に絞め込むなら、圧力で言うと10kg位の力が必要だわ。でも、それだけじゃないのよ、この部分は強力な電磁石が入っているから、有る物を引き付けるのよ…」
 更に説明する。
 キサラの説明を聞いた田口はごく最近見た、キサラの手にある円筒形の金具と同じ物を思い出し、それを手に取る。
 それは先程まで、キサラが説明していた、スプリングボールの入り口の金具と同じ物だった。
「そちらは−、こちらは+…どちらも、強力な電磁石。結果はお分かりになるわね?」
 キサラの笑みの残酷さが増し、田口も満足そうに微笑んだ。

 キサラは次に奇妙な形の、革紐が組み合わさった物を取り出す。
 それはカップの部分が、蜘蛛の巣のような形の、革製のブラジャーだった。
 そのブラジャーの付け根にはリングが嵌められており、そのリングに蜘蛛の巣が絡み付いている。
 そして、頂点の部分にあるリングから、8本の革紐が縦糸のように付け根のリングに伸び、その間を4本の革紐が横糸のように覆っていた。
 それだけ見れば、ただのボンテージファッションのようだが、糸の所々に伸び縮みするゴム素材が使われており、乳房にフイットするように出来ており、縦糸と横糸の交差部分には5寸釘のような針が飛び出している。
 頂点のリングには長さ5p程の針が6本付いており、それが何処に刺さるか、明確に示していた。

 キサラはそのブラジャーを手に取り
「これは、相当凄いわよ…こんな発想中々出来ない…。ううん、しても実現出来ないわ…」
 ウットリと見詰めながら、説明を始める。
「ほら、ここに付いている針があるでしょ」
 キサラはそう言いながら、ブラジャーの外側に付いている釘のような、直径3o長さ6p程の金属の円筒を指差し、リモコンのスイッチを押す。
 その瞬間その円筒が、カップの内側に向けて、バネ仕掛けのように飲み込まれる。
 外側に出て居た時は6p程の円筒形だった物が、カップの内側に現れた時には、長さ30pの針に変わっていた。
 僅か3oの直径の中に、5段階に折りたたまれた針が、螺旋を描きながら伸びたのである。
「どう、凄いでしょ? でも、凄いのはここからよ。私このギミックを見て、感動したんだから」
 キサラはそう言いながら、再びリモコンを操作すると、先程一瞬で飛び出した針が、ユックリと縮んで行く。

 キサラはその仕掛けを操作しながら、田口の表情を観察する。
「最速コンマ2秒から、最小毎秒1oまで、出し入れの速度は自由自在…。そして、この仕掛け…」
 キサラが微笑みながら、リモコンを操作すると、頂点のリングと付け根のリングの間を、蜘蛛の巣が回転し始める。
「どう、これで針を刺す場所は、一カ所に固まらない。しかもセンサー内蔵で、大きな血管には当たらないように設計されてるの…ハイテクってこう言うのを言うのね…」
 キサラが満足そうに、ブラを見て頷いた。

 キサラの頷きに田口も感心すると
「で、これで終わりなのか?」
 キサラに質問する。
 キサラは首を横に振り
「こんなので、田〜さんが満足する訳無いでしょ。後はこれと、これを着けるわ…それとこれね…」
 田口の手に幅8センチ長さ5p厚さ3p程のU字型をした、金製の装飾品を手渡し、口枷を渡す。
「口枷と舌枷か…。この重さだと、3kgだな…」
 田口は金製の装飾品の重さを確かめるように、手を上下に揺する。

 キサラは田口の手から、舌枷を取り上げ、ばらし始めた。
 鍵穴に小さな鍵を差し込むと、上部のレリーフが彫られている部分が少し浮き上がる。
 キサラがレリーフ部をつまみ上げると、金製の蹄鉄のような固定部分が、本体から外れた。
 そのU字型の金の板から、4本の太さ3o長さ2pの針が突き出ている。
 針の先端は5o程が尖っていて、尖った部分の直ぐ付け根に固定用の切り込みが入っていた。
 感じとしては、南京錠のロック部分の先端が、針になっているイメージだ。

 キサラは次に金製の本体を上下に分割すると、その舌枷の固定方法が理解出来た。
 舌枷の前面は上下が隙間無く合わさるが、U字型の内側は3o程の隙間が有り、小さなギザギザが付けられている。
 このことから、この舌枷は舌の先端を上下に挟み込み、舌先に固定する物だと判断出来た。
 そして、その上下の枷を上から、針で貫通させ、鍵を掛けて外せない仕組みになっている。
 つまり舌枷とは、重さ3kgの金の固まりを、舌の先端に針で貫き、縫い止める拘束具なのだった。

 田口は舌枷と口枷を再び手に取り、吟味すると
「でっ、これで終わりか?」
 キサラに向かって問い掛けてくる。
 キサラはスッと後ろを振り返り、責め具台から注射器とガラス球を手に取り
「もちろん、クリ○リスの肥大はするわよ」
 微笑みながら田口に告げると、田口はユックリと首を左右に振って
「それじゃぁ、足りない…。もっと、後悔させろ」
 酷薄な表情でキサラに告げた。

 キサラは考え込む振りをしながら
(でた…このおっさん、思い通りに行かなかったら途端にこれだ…。直ぐにやり過ぎる…)
 田口の性癖に呆れ果てていた。
(仕方ない、直腸へのバイブリングのインプラント辺りで、手を打たせるしかないわね…)
 キサラが考えをまとめ、切り出そうとした時
「入れ墨…似合う…」
 谷がボソリと呟いた。
 谷の呟きを聞いた瞬間、田口の顔が輝き、キサラの表情が歪んだ。

 田口は谷の言葉でニコニコしながら
「おお、どんな入れ墨が似合うと思う?」
 谷に問い掛けると、谷はボソボソと田口に説明する。
(こんの馬鹿たれが! 私の苦労が水の泡だ! 折角、苦労して跡が残らないようにしてたのに…。このモヒカン絶対殺す…。あ〜ん…私、これで、契約違反に成るのかな…)
 キサラは表面は冷静を装い、内心相当焦って打開策を考え始める。
 だが、その話しに東が加わり、田口の加虐嗜好を止められなかった。
 2人の女教師は一生消えない晒し者のレッテルを貼られる事に決まる。
 キサラはその決定を、内心大きな溜息を吐きながら聞いた。

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