夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転30

 教師達が居なくなった教室で、悦子は1人ニタニタと微笑み、鞭を手の上で弄んでいる。
 3人の不良グループは、教室の隅で少女の様な同級生の背中を見詰め、教師達が何故自分達を放置したのか考えていた。
 悦子はそんな3人にスッと振り返ると、満面の笑みを浮かべながら
「さて、話の続きをしましょうか…」
 薫達に近づいて行く。
 薫達はそんな悦子に震え上がり、顔を引き痙らせる。

 悦子が前に立ちふさがると、桜が破れかぶれに成りながら
「ちきしょう! 何で、あいつ等は何にも言わず、帰ってたんだ! 可笑しいじゃないかよ! いつもは人の顔見りゃ、グチグチ勘ぐりやがるくせに…。これは、どう見たって犯罪だろうよ!」
 両手を振り回し、わめき散らした。
 そんな桜を、悦子が静かに鞭で指し示し
「良い事に気が付いたわね。そう…、もうこんな事は、この学校じゃ普通なの…、取るに足りない事なのよ…。可笑しいと思わない? 最近のこの学校…。首輪した教師は彷徨いてるし、妙に高圧的な教師は居る…。どう考えても普通じゃない…」
 桜に告げると、桜は暴れるのを止め、ゴクリと唾を飲み込み頷いた。
 それは、桜達も考えていた事だが、まさか身を持って、体験させられるとは思っていなかった。

 悦子は3人に視線を向けながら
「これからこの学校は、強者に弱者がひれ伏すのよ…。貴女達は、これから私にひれ伏すの。そして、私の命令に服従しなさい。これは、学校公認なのよ…」
 冷たい目線で3人に命じ、事実を突きつける。
 3人は項垂れながら、悦子に借金を背負わされ、有り得ない利息も確約させられ、鞭の恐怖にひれ伏した。

 悦子は3人に命じて、教室内を整えさせる。
 綺麗に教室を整えた、3人が悦子の前に揃って正座すると
「貴女達の服従の証明を、取らせて貰うわ」
 そう言って、油性のマジックを放り投げ
「それで、自分達の身体に、私に絶対服従する事を書き込みなさい」
 3人の身体に絶対服従する誓いを書かせる。

 3人は最早逆らう気力も無く、言われた通りに自分達の身体に、服従の誓いを書き込むと、悦子は1人1人大きく足を開かせ、オ○ンコからアナル迄を晒した状態で、顔と誓いの部分が入る様に、写真に収めた。
「約束を破ったら、借金の取り立てに行くから…。逃げても、この写真をばらまくからね…」
 そう言って、3人に念を押し服従を強制する。
 3人は唇を噛みながら、新しい暴君に従わざるを得なかった。

 項垂れていた薫がオズオズと顔を上げ、悦子に問い掛ける。
「あ、あの〜…中山さん…。私達はこれから何をすれば良いんですか…」
 悦子は薫の質問に、ニッコリ微笑むと
「私ね…綺麗な虫が好きなの…。そう、蝶なんて大好きだし、玉虫なんて最高…」
 視線を遠くに向けて、訳の分からない事を話し始める。
「そう、そんな綺麗な虫にね、注射して弱らせて…、形を整えながら、身体の真ん中に針を刺すの…凄く気持ち良いのよ…」
 陶然としながら薫達に話し続けた。

 悦子の話が全く分からない3人が、首を傾げていると
「この学校には…いっぱい居るわ…綺麗な虫…。このクラスの水無月さんや、志村さん…香山さん何かも綺麗だし、隣のクラスの加藤さんや、モデルをしているハーフの野村さん…。うふふっ…あの人達を弱らせて、コレクション出来たら最高でしょうね…」
 とんでも無い願望を、悦子は口にする。
 驚いた3人が、慌てながら
「も、もしかして、人間を標本にするつもり?」
 悦子に問い返すと
「馬鹿ね、そんな事して誰に見せるのよ…。完全に服従させて、ペットにするのよ…。私の言う事なら何でも聞くペットにして、みんなの前で見せびらかすの…」
 悦子は邪悪な表情を浮かべ、3人に告げた。

 悦子の考えを聞いて、桜が驚きながら
「えっと、それって、あのお高く止まった女達をいびり抜くって事ですか?」
 悦子に問い掛けると、身を乗り出す様にして
「それって、それって、スッゴイ恥ずかしい事とかするんですか?」
 純子が問い掛けてくる。
「泣き叫んでも、命令に従う様にするんですね…」
 薫がボソリと質問を投げかけると、悦子は大きく頷いて
「身体に傷を付けなければ、心に傷が残っても構わないわ…私は綺麗な見た目が欲しいの…。服従したら、私がこうして、飾り付けて上げるのよ…」
 悦子はそう言って、5色の油性ペンを取り出し、正面にいた薫の乳房に、ペンを走らせる。

 悦子はあっと言う間に、薫の乳房の上に鮮やかなアゲハチョウを描き上げた。
「すんげぇ〜! 上手い。悦子様上手なんですね! 私にもカッコイイの描いて下さい」
 桜が自分の大きな乳房を差し出し、悦子に頼み込むと、悦子は桜の胸にカラスアゲハを描き上げる。
 1人取り残された純子が、オロオロしながら
「私可愛いのが良いです…」
 小振りな乳房を差し出し依頼すると、悦子はモンシロチョウを描き上げた。
 悦子の描く絵は、どれも写実的だが、デザイン化されている。
 かなりのデッサン力と、センスが無ければ描けないレベルの物だった。

 3人は乳房の蝶をそれぞれ見ながら、[ホー]と感心している。
 悦子はそんな3人に
「どう? 私の手伝いする? 私の言う事が出来れば、お金を減らして上げる。金額の大小は、功労によって変えるし、貴女達も好きでしょ…い・じ・め・る・の…」
 借金の返済方法を提示すると、3人に嫌は無かった。
 3人はブンブンと首を縦に振り、今度は本心から服従を誓う。
 悦子は無意識のうちに、アメと鞭を見事に使い分けていた。

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