夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転38

 だが、教頭はリードを付けても強く引こうとせず
「こっちに来なさい…」
 静かに2人を促した。
 [放し飼いをして良いのは、部屋の中だけ]とキサラに全教師が、きつく言われていたのだ。
 教頭はキサラの恐ろしさを充分に感じていたのと、その罰がこの2匹に降り注ぐ事を避ける為、リードを取り付けただけだった。
 奈津実と留美子は数歩進んで、教頭の気持ちを理解し、涙が込み上げて来る。
 2匹は教頭の直ぐ後ろをポロポロと泣きながら、付き従った。

 教頭は2匹の歩調に合わせ、ユックリ通路を進む。
 2匹の家畜教師はその進む先が、解らずドンドン不安に成って行く。
(このままじゃ、外に出てしまう…。この身体で、外に出されるの?)
(い、いや…、こんな身体…。人になんか、見られたくない…!)
 2匹の顔に恐れと不安が拡がり、歩みが遅くなると
「どうしたんだ? 早くしないと、人が来るかも知れない…。そうしたら、私も2匹同時に、使用は出来なくなる…」
 教頭は奈津実と留美子に静かに告げる。
 その静かな声に、悪意を感じなかった2匹は、不安を押し殺して教頭の歩調に合わせ始めた。

 そして、エレベーターに乗せられた2人は、諦め腹を決める。
(もう…仕方がない…。多分、これからは普通に犬として、外を歩かされるんだわ…)
(どうしようもないの…。こんな身体に成ってしまったんだもの…恥を感じていても、どうしようもないわ…)
 2匹はそう考えながら、階層表示パネルを見詰めた。
 パネルの数字がBから1に変わる。
(もう駄目ね…)
 2匹がそう考えながら、目を閉じ扉の開く音を待つ。

 だが、一向にその音が聞こえてこず、2人はほぼ同時に目を開け、パネルを見ると数字が2から3に変わった。
 奈津実と留美子が首を傾げると、エレベーターの扉が開き、木製の重厚な扉が目の前に現れる。
 教頭が扉を開き中に入ると、その手をリードのフックに掛け、鼻環からリードを外す。
「さあ、こっちにおいで…」
 教頭がにこやかに2匹を呼ぶと、隣の部屋に進んだ。
 そこは、豪華なクイーンサイズのベットが置いてある、寝室になっている。
 驚いていた2匹に、更に声を掛け
「ほら、こっちだ…」
 奥に進んで中に入ると、そこは大人5人程が入れる、ジャグジーバスが有った。

 教頭は操作パネルを触りながら、お湯張り設定をすると、奈津実と留美子の元に戻り
「さ、余り時間を掛ける訳にもいかない。さっさと、済ませてしまおう」
 そう言って、奈津実の足に着いてある、センサー類を外した。
 奈津実は驚いて、教頭を見詰めるが、教頭は直ぐに留美子の足に着いているセンサーに取り付き、それも剥がす。
 キョトンとしている2人に、教頭は紙を広げながら
「膝が伸びきってるから、ユックリ曲げなさい…」
 そう言って、説明書を読みふけり、舌枷に手を伸ばす。

 舌枷に付いている鍵穴に、鍵を差し込んでロックを外すと、留美子の舌が自由になる。
 教頭はそのまま口枷、首枷を外し、ブラジャーに手を掛けた。
「きょ、きょうろうはま…ほんなこほ…」
 留美子の言葉は、今迄重りが付いて居た舌が、急に軽くなった為と、久しぶりに言葉を喋ったせいで、上手く口が動かず、何を言っているのか良く分からない。
 だが、教頭は何となくニュアンスで理解し
「大丈夫、許可は取っている。安心するんだ…」
 優しく微笑んで答え、安心させる。

 留美子はその言葉を聞き、教頭を見詰めながら、涙が込み上げてきて止まらなかった。
 感極まって、留美子は教頭に抱きつき、号泣する。
「こらこら、お前だけじゃないんだから、早く済ませてしまうよ」
 教頭が優しく宥めると、留美子はハッと気付いて、奈津実を見る。
 奈津実はペタリと座り込んで、呆然と2人を見ていた。
 教頭は何とかブラジャーのロックを外すと、カップを乳房から引きはがしに掛かる。
 留美子の乳房はブラを嵌められてから、針のせいで乳房が肥大し、中々外せなかった。
「駄目だ、これじゃ外した後、付ける事が出来なくなる…。ここは、カップだけで我慢しなさい」
 そう言って、蜘蛛の巣状の縦紐を、付け根のリングから外す。
 留美子の乳房は、針の恐怖から解放されはした物の、根本を絞り出され、いびつに歪んでいた。

 教頭は同じ手順で、奈津実の上半身の拘束を外してやると、ベッドの上に留美子を乗せ
「さあ、足を開いて、奥まで晒しなさい」
 留美子に命じる。
 留美子は教頭に命じられ、ポウッと頬を染めると、足を両手で掴んで思い切り広げた。
 パックリ開いたオ○ンコは、しっとりと濡れそぼり、留美子が興奮している事を、教頭に知らせる。
 教頭は内心ニヤリと笑いながら、優しい表情で留美子のオ○ンコから、責め具を取り出した。
 手順書の通り、責め具を外した教頭は、10分程で作業を終わらせる。

 教頭が奈津実の拘束も外すと、浴室から湯張り完了のアラームが鳴った。
「良し、良いタイミングだ…。さあ、来なさい」
 教頭が2人を覗き込み、ニッコリと微笑む。
 2人は教頭の顔をマジマジと見詰め
「教頭様…あ、あの…そのお顔…。まさか…」
 留美子が震えながら聞き取りにくい声で、教頭に問い掛けると、教頭は頬に手を添え顔を上げる。

 教頭の視線の先に、鏡が有り自分の顔が映っていた。
 その頬には、クッキリと青痣が付いているのに、内心大いに驚き
(工藤君…コレの事を言ってたのか…。これをどう使えと…、いやタイミングがどうこう言ってたな…。それと…)
 狂の言葉を一瞬で思い出し
「ああ、これか…。私もそんなに権力が有る訳では、無いんでね…。まぁ、今回の代償の様な物だ…」
 フッと笑って2人に告げる。
(こんな感じで、良いのかな…?)
 教頭は内心ビクビクしていたが、効果は絶大だった。

 奈津実と留美子は身悶えしながら、教頭の身体に縋り付き
「教頭様…申し訳御座いません…。有り難う御座います…有り難う御座います〜…」
「このご恩は、どんな事をしてでも、お返し致します…、この身体で宜しければ、どんな事でもお使い下さい〜」
 滂沱の涙を流しながら、良く聞かなければ解らない言葉で感謝する。
 教頭はそんな2人を優しく撫でながら
「良い、良いから…。さぁ、お風呂に入ってさっぱりしよう…。時間は無限じゃないぞ…」
 静かに囁き、心の中でガッツポーズを取っていた。

■つづき

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