夢魔
MIN:作

■ 第29章 暗転48

 山孝が驚くキサラに
「ああ、あれが源大先生だ…。俺達ゃあの方の能力について、詳しく説明は出来ねぇが、何でも[気]を使って、身体の自然治癒を促進するらしい…」
 真の能力を説明すると、キサラは眉をひそめて首を捻る。
「何? そんな便利な物有る訳内じゃない…。でも、どんなトリックよ…」
 キサラは真の能力を信じず、1人考え込むが、奴隷教師達の目線により、あながち嘘と言えない事を感じた。
 奴隷教師達のキサラを見詰める目線には、この恐怖の女王には、中々向けられない[敵意]が籠もっていたのだ。
(へ〜…、悪口を言っただけで、マゾヒストが私に敵意を向けるなんて…。よっぽどの事よね〜…)
 キサラはクスリと笑って、その敵意をそよ風の様に受け流した。

 剣道部部室から黒澤が光を抱き上げ出て来ると
「残りの9人中に入って、源さんに[気]をお分けしろ…。かなりしぼんでしまっているから、直ぐに取りかかりなさい」
 5人の治療が終わり、真の[気]の補給を命じた。
 キサラは興味津々で、奴隷教師に混ざり中に入ると、真の姿を見て息を飲む。
 真の姿はここに入った時の、1/3程痩せ細り、肌の張りも、色艶も無く成り、老人の様に成っていた。

 そんな真に奴隷教師が、一礼して繋がると奴隷教師は、淫らな舞いを真の腰の上で披露し、数分で絶頂を迎え失神する。
 失神した奴隷教師を他の奴隷教師が引き上げ、別の奴隷教師が先程と同じように、真の腰に繋がった。
 その奴隷教師も数分で、絶頂を迎え失神し、それを繰り返す。
 呆気に取られてみていたキサラが、その変化に気付く。
 5人程が終わった時点で、真の身体が元に戻っていたのだ。
(な、何…。あんな痩せていたのに…、元に戻ってる…。マジック? ううん…房中術って奴かな? それにしても、スッゴイ気持ちよさそうね…。試して見ちゃお…)
 キサラは好奇心に負け、最後の奴隷教師が終わった後、真の前に身を投げ出した。

 真は目を瞑って、真言を唱えていた為、その相手がキサラだとは、知らなかったが、キサラが真のチ○ポをオ○ンコにくわえ込んだ瞬間
「ん? この感触…誰です? おや、貴女は…」
 見知らぬ感触に、目を開いてキサラを確認する。
 だが、声を掛けられたキサラは、それ所では無かった。
 真のチ○ポをくわえ込んだ瞬間、有り得ない程の快感が、身体の奥深くで爆発し、絶頂に押し上げようとする。
 キサラはその快感を、女王のプライドでねじ伏せたが、余りの快感に負け掛けた。

 その快感に更に抗おうとした瞬間、その快感がフッと無く成り、恐ろしい程の喪失感を覚える。
 それが、真が真言を止め[気]を抜いた瞬間の、キサラの感覚内の出来事だった。
 キサラは目を見開き、真の目を真正面から見詰め
「あ…、貴方…何者…」
 それだけの言葉をポツリと溢すのが、キサラですら精一杯だった。
 真はニッコリと微笑んで
「只の坊主くずれです…。それより、このままで終わらせますか?」
 キサラに問い掛けると、キサラは一瞬考え
「続きを…お願い…」
 真にしがみつきながら、耳元に囁いた。
 真は頷くと真言を再開し、キサラを絶頂の果てに追いやる。

 真が身支度を調えて居ると、キサラが絶頂の失神から目覚めた。
 真はそんなキサラを見詰め
「いや〜末鬼先生…。貴女相当鍛えておいでですね?」
 問い掛けると、キサラは訝しそうに真を見詰める。
 すると、真がスッとキサラの耳元に
「そのお年でその肉体は、かなりの物です…」
 小声で囁く。
 キサラはその言葉で、ギクリと驚き真を見詰めると
「そ、そんな事まで…解るの?」
 掠れる、小声で問い返した。
 真は身体を元に戻しながら、ニコニコ微笑みコクリと頷くと
「ええ、本人の知らない病気まで、解りますよ…。貴女は節制の上に、鍛錬を充分にお積みのようですね。今回はそれに敬意を表して、少しお手伝いさせて頂きました」
 キサラに告げた。

 キサラはその言葉の意味を図りかねながら、身体を立たせると、妙にその動きが軽かった。
 少し驚きながら、剣道部室から出ると、右手に有る大きな姿見に映る影に気付く。
 キサラは始めそれが自分自身で分からなかったが、手を頬に添え、鏡に向き直るタイミングに、その姿が自分自身だと気付いた。
「な、何コレ! どう成ってんの!」
 キサラの大声に全員が振り返ると、キサラの姿は10歳は若返り、瑞々しい肌の張りを見せている。
「少し、[気]をお分けしたんですよ…。貴女の事は、工藤君から聞いていますので、お近づきの意味も含めました」
 真が剣道部室から、出ながらキサラに告げた。

 キサラはその身体の向きを、真に向け
「ね、ねぇ貴方! 私の店で働かない? お金なら、100万でも、200万でも…、ううん500万でも高く無い! 幾らでも出すから、お願い私の店で働いて!」
 真に縋り付きながら、懇願すると
「いや〜…。お金は別に必要ないんです…。私は、そんな物よりもっと、大事な物を追いかけている人間ですから…」
 真は頭を掻きながら、丁重に断った。
 キサラはそれでも引き下がらず
「じゃ、1週間に一回! それが駄目なら、半月に一回で良いわ。お願いよ、私にコレを維持させて〜!」
 悲痛な声で、真に懇願する。

 すると黒澤がキサラに向かって
「悪いが、そんな話は後でしてくれ。今は源さんと、明後日の来客に対処する方法を相談しなければ成らない。今回の調子で、24人全員が責められたら、流石に源さんも対処出来ない…」
 真剣な表情で告げる。
「そっちは、私が何とかして上げる。今回の片割れ…田口の爺に、私が釘を刺すわ。それに、ゲストで呼ばれる奴らも、ウチに来る客の筈よ。調べて上げて、釘を刺しとくわ。あんな、パーティーで1人だけ浮く様な責めをすると、みんなから引かれるからね…。流石に理事長も理性を保てるでしょ…」
 キサラは黒澤に向かって、確約した。

 黒澤はキサラの申し出を、驚きながら聞き入れる。
(本当、知らなかったじゃ済まなかったけど、この人が居て本当に助かったわ…。契約違反で、ヘビーペナルティー物よ…)
 キサラはキサラで、今回の件で冷や汗を掻いていたが、おくびにも出さず黒澤に恩を着せる様な形で、申し出た。
 黒澤にはどうする事も出来ず、キサラに一任する事になり、その場は解散する。

 キサラの公言通り、週末の乱痴気騒ぎでは、誰1人身体に深い傷を作る事無く、翌朝を迎えた。
 皆、疲労困憊した身体を、真に優しく宥めて貰い、管理者の調教教師にご褒美を貰って、休日を過ごす。
 これが、この後の奴隷教師のパーティー後の楽しみになった。
 そして、その真の手練手管を見て、キサラは益々真が欲しくて堪らなくなる。
 それぞれが、それぞれの思惑を胸に、夏休み最後の日曜日を終えた。
 日が昇れば、新体制の中、新学期が始まる。

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