夢魔
MIN:作

■ 第30章 圧制1

 新学期が始まり、全校生徒が学舎に登校して来た。
 その表情は皆、暗く沈んでいる。
 その理由は1学期の期末テストの点数から始まり、夏休みを潰される程の補習授業、学校全体を覆う檻の様な防護ネット、正門のすぐ前に建てられた威圧する様な管理棟、教員達の異様な変化、そして自分達を夜毎苛む悪夢。
 数え上げれば切りが無い程の変化が、生徒達に不安の影を伸ばし、その表情を暗く沈ませた。

 始業時間5分前に学校内に一斉放送が流れ、全校生徒は第1体育館に集められる。
 そこで始業式が執り行われ、その後全校集会が開かれる事を知らせる放送だった。
 各クラスから、三々五々第1体育館に歩き出し始め、集合すると有る異変に気付く。
 それは、いつもはこういった行事に顔を出さない、各クラスの特定の生徒達が、こぞってクラスの列に並んでいたからだ。
 各クラスの中で、ザワザワとざわめきながらも、始業30秒前に全校生徒は、クラス順に並び始業式の開始を待った。
 そして、始業チャイムが鳴り全校生徒はその瞬間から、奴隷として扱われる事になる。

 校長が壇上に上がり、始業の挨拶を終えると、新校則の公布を発表した。
 全校生徒の手元に新生徒手帳が手渡され、全員に新校則の朗読を命じる。
 全校生徒は生徒手帳に書かれた文字を目で追い、校則を朗読した。
「校内で見聞きした事は、校外においてその他言を固く禁ずる。欠席する場合は必ず、医師の診断書を持参し許可を受ける物とし、それ以外の欠席は全て無断欠席とする。遅刻は3回行うと、無断欠席扱いとする。無断欠席は、重大な校則違反とする。校則違反者は、生徒会執行部の厳重な罰則を受ける物とし、上級指導教員以上の立場の者以外、異を唱えてはならない」
 様々な不可解な校則の中でも、特に不可解な部分を読む生徒達は、その意味を把握出来なかった。

 中にはその校則の意味を理解した者も居たが、全校生徒が声を合わせ読み上げる中、異を唱える気持ちも沸き上がらなかった。
 そして、最後のページに記載された身分証明欄の右隅に書かれた、生徒ナンバーに誰1人気付かず、手帳を閉じる。
 生徒手帳の右隅には、今まで卒業生も含めた通しナンバーが打たれていたのが、M−1番からM−430番の新番号に変わっていた。
 そして、ある一部の生徒の生徒手帳には、S−1からS−48迄の番号が付いている。
 全校生徒はその承認として名前の横に、回されたインクで拇印を押させられた。
 こうして子羊達は意味も分からず、自らの身体を売り渡す、悪魔の契約書にサインする。

 新校則の公布後、全校集会が開かれ司会進行役として、教頭が壇上に上がり、生徒会役員と各学年委員を紹介する。
 皆、狐に摘まれた様な顔をして、その任命式を見守り、拍手でその任命を受け入れてしまった。
 それがどう言う結果になるかなど、その時の誰も理解していなかったのだ。
 生徒会役員と各学年委員、生徒会執行部による支配の始まりだった。

 新生徒会長として、伸也が壇上に上がると、教職員の姿がスッと体育館から消える。
 伸也はニヤリと辺りを見渡し、口を開いた。
 校則はその性質上強制力を持たないが、生徒達はこの日別の強制力を見聞きさせれる。
「俺の事を知ってるな…。この校則は絶対守って貰う、この校則を破る者には厳重な罰を与える。お前達だけじゃない…、家族にもそれ相応の罰が降り懸かるから、そのつもりで居ろ。特に、俺の親爺の関連会社じゃない奴…タカを括ってると、とんでも無い目に遭うぜ…。これは、親爺自ら言っている事だ、後悔しても俺のせいじゃ無いぜ…」
 伸也の言葉に、体育館がザワザワとざわめき始める。

 伸也は舞台の袖に向かって、顎をしゃくり
「こいつ等は、警察と教育委員会に訴え出て、親爺の罰を受けてる。良っく見るんだな…」
 舞台の裾から学年委員に引かれて、奈津実と留美子が這い出て来た。
 体育館の中は、一瞬で騒然となる。
「静かにしろ! こいつ等の姿を見て、親爺の本気さ加減を知れ」
 伸也の言葉に、騒ぎ出した生徒達は、全員息を飲む様に黙り込んだ。
 学年委員が舞台の上から降りて行き、全校生徒の間をユックリ2匹を引き回す。

 2匹の家畜教師は目に涙を溜めながら、[ワンワン][ニャァニャァ]鳴きながら、生徒に鼻環から伸びたリードで引かれ、高足の四つん這いで全校生徒の間をお尻を振って這い進む。
 全校生徒はその姿を見て、ガタガタと震え、この馬鹿らしい校則の強制力を痛感した。
 それと同時に、この学校自体が、大きく変わってしまった事を、全校生徒は理解する。
 逃げ場のない檻の中に、自分達が閉じこめられたと、全校生徒は悟ったのだった。

 全校集会が終え、体育館から各教室に項垂れながら移動すると、各教室にクラス担任が移動しており、各クラスで注意事項を与える。
 それは、今後の無難な過ごし方と、校則を絶対破らない様にする事と言う注意だった。
 各クラスで、生徒達は悪夢を見ている様な気分に成りながらも、誰1人その言葉に逆らえなかった。
 それは、各クラスの担任が放つ、圧倒的な暴力の匂いを全員が感じたからだった。

 クラスでの注意事項が終わると、一斉放送が流れ、第2体育館に集合が掛けられる。
 各クラス単位で第2体育館に集められた生徒は、そこに置かれた物を見て全員驚く。
「は〜い、そこで着ている物を全部脱いで、1列に並んでこの台の上に乗って下さ〜い」
 キサラが3台有る産婦人科の診察椅子を指差し、生徒に指示を出すと、生徒達は皆身体を寄り添わせ、ボソボソと相談を始める。
「そんなに時間はないわよ〜。このクラスに使える時間は、20分…。それを過ぎたら、検査を受けていない者は、きつ〜い罰が与えられる事になってるの…。知らないわよ…初日から、目を付けられる事に成らなきゃ良いけどね…」
 キサラがニンマリと笑いながら生徒達に話すと、生徒達は慌てて服を脱ぎ始めた。

 生徒達が全裸に成って、診察台に乗ると
「は〜い、あんよは台の上に乗せてね〜。時間が掛かると、後の子達が酷い目に遭うわよ…。用意が出来たら[お願いします]って言うのよ」
 生徒達に足を開いて、下腹部を晒す様に指示を出した。
 生徒達は真っ赤に成りながらも、逆らう事が出来ずに次々に台に乗り、足を開いて股間を晒す。
 股間を晒した生徒達のオ○ンコを大貫と大城が加わり、キサラと3人で調べ始める。
「処女、病気の痕跡無し」
 淡々とオ○ンコのチェックを終え、内ももに無針注射器が当てられ、発信器が埋め込まれ生徒達が入れ替わった。

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