夢魔
MIN:作
■ 第30章 圧制20
悦子は棚の中から消毒液の入った瓶を取り出し、手術用の薄いニトリル手袋を手に戻って来ると、久美の制服を脱がせ、乳房を丁寧に消毒する。
諦め切って居た久美だが、悦子の歪んだ含み笑いで、恐怖感が頭をもたげ表情を引き攣らせる。
悦子が消毒を終えると、銀色の箱に手を伸ばし、箱の蓋を開け消毒液を注ぎ込み、手袋を嵌めた。
箱の中身を覗き込んだ悦子の表情が、この上ない邪悪さに染まり、久美の恐怖感が更に強まる。
悦子が箱の中身に指を伸ばし、摘み上げる仕草をして、久美の目の前にそれを差し出した。
悦子の人差し指と親指に摘まれた物は、銀色に光り輝く針だった。
「どう? 綺麗な針でしょ…。特注のプラチナ製の虫ピンよ…」
うっとりとした表情で、長さ5センチ程の虫ピンを見詰める。
久美はガタガタと震えながら、有る事に気付き確かめられずには居られなかった。
「あ、あの…。ど、どうして…プラチナ製何ですか…」
久美の震える声を聞いて、悦子はニンマリと笑い
「その声…。分かってるんでしょ? そう、お前の思った通り、お前の身体に残るからよ」
悦子の答えを聞いて、久美の目の前が真っ暗に成った。
悦子は箱の中から、更に3本の虫ピンを取り出した。
悦子の持った虫ピンは、4本共長さが違い、最初の虫ピンが5p、次が4p、3p、2pと成っていた。
「ほら、大きな血管とか傷付いたらダメでしょ? だから、サイズを変えて有るの」
悦子が当然のように口にすると、久美は何も言えなく成った。
悦子は、3本の虫ピンを箱に戻し、一番長い物を手にすると
「先ずは、最初の命令よ。このピンが刺さっても、決して動いちゃダメ。命令に従え無かったら、そのピンは無効よ。180本有効なピンを刺す迄、延々続けるからね」
久美に命令して、おもむろに虫ピンを乳房に突き刺した。
久美はその痛みに、身体を仰け反らせてしまう。
「ダメ〜! 動いたから、今のピンは無効よ。安定処理もして無いのに、情けないわね…」
悦子はムッとした表情で、久美に告げると虫ピンの真ん中あたりに、医療用の接着剤を塗り虫ピンを最後迄押し込んだ。
久美の乳房に、直径3ミリ程の虫ピンの頭が、チョコンと止まり、まるでプラチナのスパンコールが付いているように見える。
久美は針を刺された痛みと、乳房に感じる異物感に歯をガチガチと鳴らし
「許して下さい。許して下さい。もう、止めて下さい」
涙と鼻水で、顔をぐしょぐしょにしながら懇願する。
「お前は本当に馬鹿ね…。どうして、私が[物]の言う事を聞かなきゃいけないの? お前は、私の命令を忠実に実行するだけの存在、それ以外の何物でも無いわ。お前に必要な物は、私の命令を理解する頭と、感情も感覚も全て私の命令通りに実行出来る身体だけ。後は全部必要無いわ。捨てなさい」
悦子は呆れ顔で久美に告げる。
久美は絶望感に満たされ、全てを諦めた。
(ダメ…。何を言ってもダメなのよ…。懇願何かするだけ無駄なのよ…。悦子様の言う通りに成らなきゃ、私は壊れる迄責められる…)
久美は全身の力を出来るだけ抜き、口を閉じた。
その表情を満足気に見詰めた悦子は、久美の乳房に虫ピンを突き刺し
「ダメ! また動いた…。ダメよ、今のも無効…」
評価を告げる。
久美は、虫ピンが突き刺さる度、感情が身動き取れないように、縫い止められる感覚に襲われた。
悦子は久美の肌の上から、血管の位置を推測し、虫ピンの長さを変え刺し込んで行く。
虫ピンの頭は、クネクネと不思議なラインを描きながら並び、悦子は真剣な表情で、次々に久美の乳房に虫ピンを増やして行った。
30本を超えた辺りで、久美は動かずに虫ピンを受け止められるように成り、有効の数が増える。
20本程、有効数が増えた所で
「久美、新しい命令よ。今度は微笑みなさい。勿論今迄の命令も生きてるわよ」
悦子は、久美が目を固く閉じ、歯を食いしばって耐える事を禁じる。
悦子の命令に、久美はぎこちない微笑みを浮かべるが、悦子は虫ピンを刺して
「違う! そんな微笑みじゃ無い。一昨日迄の、人を和ませる微笑みよ…。出来ないなら、虫ピンは全身に増やすからね」
悦子の無理難題に、久美は泣き出しそうに成ったが、そんな事をしても、何もならないどころか、状況は悪く成る一方だと理解し、心を落ち着け楽しかった事を思い出す。
それは、痛みを受けながら、そう容易に出来る物では無く、久美はどうして良いかすら分からなくなった。
どうすれば、この苦痛から解放され、許して貰えるのか考えられ無く成る。
その瞬間、久美は笑いが込み上げて来た。
(私って馬鹿…。こんな酷い事されて、許して貰え無い事も分かってて、まだ助かりたいって思ってる…。もう、私の身体は、私の物じゃ無いのに…。悦子様の命令に従うしか無いのに…)
久美は自分自身を否定し、置かれた状況を心の底で受け入れる。
その瞬間、久美の意志は沈黙し、意識の奥底に沈んで行った。
久美の頬に、穏やかな微笑みが浮かぶ。
その微笑みは、ひっそりと佇む、白百合のように美しかった。
(うふふ…。とうとう、心から屈服したわね…。でも、まだまだこれからよ…。お前のテーマは、[清楚な被虐玩具]なんだからね。あの家畜教師以上の玩具にして上げる…)
悦子は、久美の変化を見て、舌舐めずりしながら久美の肉体と精神を歪め始めた。
悦子は久美に痛みを快感に感じるように命じると、ピストンマシーンを用意し久美のオ○ンコとアナルに媚薬を塗り、快感を与えた。
ピストンマシーンは、コンピューターで管理され、確実に久美の快感を育て悦子の操作で思いのままに制御された。
久美は与えられた快感と苦痛を混ぜ合わせ、淫声を上げ、その感覚を自分の物にする。
それは、昨夜の浣腸時と今日の強制オナニー中に感じ、絶頂を迎えた感覚と、同じ物で久美の身体に直ぐに馴染んだ。
悦子はその上で、コンピューターを操作し、快感を減らしながら、久美にもっと感じるように命じる。
久美は、悦子の手の中で踊らされ、徐々に痛覚を快感に繋げられて行った。
久美は白百合のような微笑みを浮かべ、頬を染めながら、乳房を針で貫かれる度、鼻に掛かった淫声を上げ、オ○ンコから愛液を垂らす。
その姿は恐ろしく淫靡で、嬲らずには居られない衝動に駆られる。
(良いわ、これ…。思った通りだわ…。スッゴくエロい…)
悦子は満足そうに笑うと、久美の精神に次々と命令を刷り込んで行く。
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