夢魔
MIN:作

■ 第30章 圧制21

 恥辱、屈辱を感じると興奮し、服従する事に陶酔する、久美はそんなマゾと言う生き物だと叩き込み、悦子の命令は例え実現不可能な事でも、誠心誠意実行するように、久美の意識と無意識と身体とに刷り込んだ。
 悦子はその作業を、久美の身体の改造と平行して行った。
 4日間を全く眠らずに続けられた調教で、久美の精神と身体は、完全に悦子の支配下に置かれる。
 この4日間久美は睡眠も食事も与えられず、少量の水分補給を受けただけで、責め抜かれた。
 最初の2日で久美の頭の中は、思考する事が出来なくなり、悦子の言葉だけが全てに成る。
 3日目に入ると、悦子は久美に表情と仕草を叩き込み、少量の水分を与えた。

 4日目の朝早く、悦子の教育は1つの形を迎えた。
 久美は、悦子の命令が無い時は、あの上品な微笑みを浮かべ、ピクリとも動かない。
 だが、一度命令が下されると、何の刺激が無くても、絶頂を迎える程身体と精神を支配されていた。
 久美は悦子の手に依り、乳房全体を覆う革製のブラジャーと、お尻全部を包む革製のガードルを穿かされ、その上に制服を着せられる。

 下半身には、家畜教師達に取り付けられている、肉体改造グッズが、当然のごとく取り付けられて居た。
「行くわよ」
 悦子が久美に告げると、久美は即座に反応して
「はい、悦子様」
 深々と頭を下げて、付き従う。
 その仕草、表情はとても自然だったが、目の奥には意志は無かった。
 [音声誘導式被虐人形]と言う表現が、ピッタリと当て嵌る。

 久美を引き連れ、4日振りに地下から出て来て、風紀委員室に入ると、薫が悦子を出迎え、この4日間の事を報告する。
「先ず、悦子様が地下に籠もられた2日後、登校拒否をして居た6人が全て登校しました。この6人は卒業迄学校を出る事を禁じられ、その間家畜扱いに成りました。入れ墨迄は入って居ませんが、後の処置は全て同じ処置をキサラ様が行いました」
 薫の報告に、悦子はピクリと眉を跳ねた。

 悦子はユックリと薫の方を向き
「野村ローザも?」
 ハーフでモデルをして居る同級生の事を聞いた。
 薫は、悦子の質問に頷いて
「はい。モデル業は、事務所から解雇され、他のどこの事務所も契約に応じ無かった為、廃業したらしいです。今は[犬]として、校舎内に飼われて居ます。かなり、惨めな格好に成って居ますので、大笑い出来ますわ」
 薫が嬉しそうに、悦子に報告した。

 薫はローザが大嫌いだった。
 別に何をされた訳でも無いが、一番の理由はその美貌と雰囲気だった。
 ローザはアメリカ人の父を持ち、ふわりとしたブロンドと美しい碧眼で、透き通るような白い肌に、日本人では有り得ないスッと通った高い鼻筋をして、凛とした雰囲気を漂わす美人だった。
 そんな美貌を持ちながら、スラリとした長い手足にこれでもかと言うグラマラスな身体。
 モデル業で休みがちで有りながら、学年でも10指に入る頭脳。
 どれもこれもが、鼻について仕方が無かったのだ。
 単純に言えば嫉妬以外の何物でも無いのだが、薫に取っては、正当な理由だった。
 薫はそんな女性を屈服させるのが、大好きなサディストだった。

 薫は嬉しそうに話しながら、報告の続きをする。
「それと、生徒の服装規則が変わりました。[首輪無し]は、校内での衣服着用禁止で下着着用禁止です。[白鍵]は股下10センチのスカート着用で、下着着用禁止です。[黒鍵]は股下5センチのスカート着用で、下着は木綿の白限定、ブラジャーの着用禁止です。[銀鍵]は5センチのスカート着用で、下着は木綿の白限定です。[金鍵]は規制無しと成りました」
 薫の報告を受けて
「[白鍵]のスカートを長くするなんて、随分甘いわね…」
 面白くなさそうに呟いた。
「なにぶん、下着着用禁止は校外でも有効ですので、部外に知られる訳にはいきませんし…」
 薫は、自分が決めた訳でも無いのに、悦子に言い訳した。

 悦子はそんな薫に、ヒラヒラと手を振って話しを終わらせると、久美と共に風紀委員長室に入り、久美に首輪をした。
 後から付いて来た薫が驚くと、悦子は久美の首輪を[金鍵]で留め、薫は更に驚いた。
「え、悦子様…そ、それは…?」
 薫が思わず問い掛けると
「ああ…これ? 今こいつの裸見られると、ちょっと困るのよ。だから、予防線よ」
 久美の首輪を指差し、薫に答えた。

 朝の7時を伝えるチャイムが鳴ると
「あ、悦子様申し訳御座いません。朝の業務が有りますので、失礼します」
 慌てて出て行こうとする。
「朝の業務? 何それ?」
 悦子が問い掛けると
「あ、[白鍵]が登校する時間なので、校則違反者の監視です。[白鍵]の登校時間は、7時からの10分間で、その後の20分間が[黒鍵]の登校時間に成ります。[金鍵][銀鍵]は8時20分迄に入れば良いように決まりました」
 薫は、急いでいるのにも関わらず、丁寧に悦子に説明する。
「そう、分かったわ。それじゃ、行きましょう。私と一緒なら、薫も言い訳が立つでしょ」
 悦子がそう言いながら委員長室を出ると、久美は一人委員長室に置いていかれた。

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