夢魔
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■ 第30章 圧制29

 悦子は焦っていた。
 4日目の朝、久美を教室に戻して1日様子を見るつもりで居たが、久美の調教は思いの外進んでいた。
 クラスメートのどんな陵辱を受けようと、ニッコリとたおやかな微笑みを浮かべ、全てに応える。
 身体はクネクネと快感を貪りながら、表情は落ち着いた微笑みを浮かべ続けた。
 そのどこか人間味を欠いた姿は、クラス全員が顔を青ざめさせ、責め手の腰が引ける程だった。

 悦子はそんな久美を満足そうに見詰め、ほくそ笑んだ。
 1日様子を見るつもりだった悦子は、久美の仕上がりに満足して、午後の授業そっちのけで、久美を連れて早々に地下に戻る。
 薫の報告で、昨日から調教が解禁になっている事を知り、堂々と調教が出来る様に成っていたからだ。
 悦子はその役職上、授業を抜ける事は、自由に成っている。
 そして、[調教]では無く[処罰]と言う形で、誰を連れて行っても構わない立場だったが、有る人物に対して、やはり後ろめたい物があったのも、事実である。

 地下に戻った悦子は、久美の調教の仕上げに掛かった。
 久美に[被虐人形]としての、立ち居振る舞いを教え込む。
 それは、表情の作り方から、ちょっとした仕草、姿勢や挙措と言った物だった。
 だが、悦子が久美に命じたテーマは、[清楚で淫ら][扇情的で可憐]と言う、相反する要素を強要する。
 当然の如く久美にそんな表情や仕草が、出来る訳はない。
 しかし、悦子はそれを赦す筈も無かった。

 久美の乳房とお尻には、革製の下着が穿かされ、頑丈に覆っている。
「ほ〜ら…。久美感じるのよ〜」
 悦子がそう言いながら、リモコンのスイッチを入れると、久美の下半身がビクビクと跳ね回った。
 久美が穿いている革製のガードルは、股間の部分がパックリと開いており、久美の下半身は丸見えである。
 その全て晒されている股間を隠す事もせず、久美は腰を前後左右にくねらせた。

 久美の下半身を操作しているのは、悦子に付けられた様々な淫具であった。
 尿道には膀胱まで届く、直径3pの金属製のバイブレーターが入っており、クリ○リスには振動子付きのガラス製のクリキャップ、膣と子宮内には家畜達が着けている、形状記憶リングとリニアリングが入り、アナルにも拡張バイブが入っていた。
 それが悦子のリモコン操作で、次々に動き始め久美に快感と苦痛を与える。

 悦子は久美の泣きそうな、蕩けた表情に手を伸ばし
「ほら、もっと切なそうな目をするの。違う! ちゃんと感じながら…。そう、もっと涙を湛えて、頬を染めなさい…。あぁん…もっと、唇を緩めて…、力が入り過ぎよ」
 事細かにチェックを入れながら、久美の表情を作った。
 久美は悦子の指示通りに、表情筋を動かして、顔を作る。
 悦子は久美の顔を覗き込み、少し離れ、様々な角度から久美の表情をチェックし、細部を直すと
「そう、その顔の作り方を覚えておきなさい、今の表情はタイプ1よ」
 そう言いながら、デジカメを取り出しカシャ、カシャとシャッターを切った。

 悦子はカメラで収めた久美の表情を、直ぐにプリントアウトし、壁に貼り付ける。
「ほ〜ら…。エッチな顔でしょ? 良いわぁ、この顔…凄く虐めたく成る」
 満足そうに頷くと、久美の方を見て
「ほら、良い子ね。ご褒美よ」
 悦子はそう言いながら、さっきとは別のリモコンを操作した。
 その途端久美の身体が、下半身に刺激を加えられた時とは、比べものに成らないぐらい、妖しくくねり出す。
「くふぅ〜〜〜ん、く、かはぁ〜、か、くはぁ〜〜〜ん、いひぃ、うくっ、うくっ、くふ〜〜〜ん…」
 久美は革製の下着の上から、右手で左の胸を押さえ、左手で右のお尻を抱え込んで、身体を抱き締めながら、激しく身をよじる。

 久美はその場に立ちつくしながら、せわしなく太ももを摺り合わせ、身をもだえさせながら、全身をピンク色に染め、呼吸もままならない官能に甘い声を漏らし、よがり狂う。
 悦子はそんな久美に近づくと、久美の右の乳房と左のお尻に手を回し
「ふふふっ…。こんな風にされて、ここまで感じるなんて、お前は本当にど変態のマゾ牝ね…。普通、こんな事されたら、痛みで泣き叫ぶわよ…」
 サワサワと乳房とお尻を撫で回しながら、久美の耳元に囁いた。

 久美の穿かされているブラジャーとガードルの内部には、低周波と高電流が流れる仕組みになっている。
 低周波が流れると、当然の様に筋肉が引き痙り、高電流が流れると当然スタンガンの様に、強力な痺れを与える。
 それは通常の状態で、充分に効力を発する様に作られていたが、今の久美の状態では、まさしく生死に関わる責め苦の筈だった。
 何故なら久美の乳房と臀部には、悦子の手によって無数のプラチナ製の虫ピンが刺されて居るからである。
 最大5pまで、通電性の高い金属がその電流を受け、身体の中に直に伝えるのだった。

 悦子は身悶える久美を見ながら、ニンマリと残酷に笑い、撫でていた手におもむろに力を込める。
 強く乳房とお尻を握られ、乳房とお尻に埋め込まれた虫ピンが、肉に食い込む。
 久美の顔がガクリと宙を向き、白い喉を晒して一際高く大きな声を上げた。
「あくぅ〜〜〜ん、ひぃ〜〜〜っ!」
 それは、苦痛に因る悲鳴では無く、官能に身を灼く声だった。
 久美の身体はガクガクと痙攣して、激しい絶頂を迎えオ○ンコから、音を立てて大量の愛液が噴き出す。

 悦子は久美の感じている顔を、満足そうに見詰め、ブラジャーとガードルのスイッチを切り
「うふふっ…。さあ、次の表情をお勉強しましょうね…」
 久美の耳元に優しく囁く。
「はい、えつこさま…おおしえください…」
 久美は悦子にニッコリと清楚な微笑みを向け、抑揚のない声で返事をすると、頭を下げる。
 その久美の目尻から一筋の涙が流れ落ちた。
 それは、快感による涙なのか、苦痛に因る物なのか、流した本人にも解っていなかった。

 悦子は次々に久美に指示を出し、表情を覚え込ませる。
 それは、どれも恥じらいながら、[身の内に起こる官能を鎮めて欲しい]と切望する様な表情で、見る者の心を絡め取り誘惑した。
 あどけない微笑みの皮膚一枚下に、淫蕩な女を匂わせる表情。
 フッと悲しげに伏せた目線の中に、ゾクリとする程の色香を混ぜ合わせた表情。
 それらの表情に番号を振り、久美に覚えさせる。

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