夢魔
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■ 第30章 圧制31

 悦子は久美を地下に置き、用務員室に向かうと、取り敢えず谷の姿を探した。
 用務員室には真が居り、美由紀と朝の修行を行っていた。
 真に修行を付けられ、吸精の加減が出来る様になった美由紀は、学校内では最早手を出す者が居ない為、夜な夜な町に出ては、精を集めて真に差し出す生活を始める。
 真はそんな献身的な美由紀の行動に、感謝しながら精を受け取り、黒澤派の奴隷教師を教育し続けていた。

 その為黒首輪の24人は、全て黒澤派の奴隷教師達で占められている。
 黒首輪の平均点数は12点を超え、迫田レベルのサディストでは到底勝てなかった。
 迫田派は黒首輪を失い、ポイントも無くして、2人の赤首輪が居るだけで、実に寂しい物に成っている。
 黒澤派はAクラス3人、Bクラス4人のサディスト教師を要し、24人の黒首輪と17人の赤首輪を管理していた。
 黒澤派内では、黒首輪内でも高ポイントを持つ、7人をレギュラー、後に控える17人をサブと呼び、赤首輪とローテーションさせる予定である。

 サブと赤首輪の肉体的実力は殆ど同レベルで、初回のパーティーの惨状から首輪を移動し、田口や伸一郎の主催するパーティーに対応する様にしていた。
 教師達のそう言った事情にもアンテナを張っている悦子は、この不細工な用務員が、実は主流派の重要人物であり、あのキサラですらこの得体の知れない用務員に、かなり執心を持っている事を聞かされて、かなり緊張して頭をペコリと下げたのだ。

 真は見慣れない生徒が、緊張してペコリと頭を下げて挨拶をした事に戸惑いながら、挨拶を返す。
 真は記憶を探りながら、この少女に首輪が無い事に気付いて、目を丸くする。
 緊張している悦子はその容姿から、どう見てもサディストには見え無く、真の記憶の中の悦子と中々符合しなかったが、その目を見て真は悦子の性質に気付き、悦子の名前を思い出した。

 真はその分厚い手をポンと打ち鳴らし
「ああ、確か3年生の中山さんですね。どうされました?」
 ニコニコと微笑んで悦子に問い掛けると、悦子は緊張した表情のまま
「あ、あの…。用務員の谷さんを探してるんですが…」
 真に問い掛ける。
 真はニッコリと微笑んだまま
「ああ、彼ですか。彼等は多分この時間、地下1階で家畜の世話をしている筈です」
 悦子に答える。

 悦子は真の答えを聞き、恐縮した面持ちで、再びペコリと頭を下げて
「あ、そうですか、どうもすみません。有り難う御座いました…」
 クルリと踵を返して、用務員室を後にすると扉を閉めた。
 扉を閉めた瞬間、悦子は大きな溜息を吐いて、肺の中の空気を全て吐き出す。
(アレが源真様…。只のデブじゃないわ…、あの目…何か近寄っちゃいけない…。全部が壊れちゃう…そんな感じがする…)
 悦子は真の瞳に、自分の瞳が貫かれた時、それを感じて頭の奥底で警鐘が鳴り、震え上がっていた。
 用務員室の扉を閉め、廊下を駆け出した悦子は、そのまま管理棟に向かい、地下1階の大調教室に逃げる様に駆け込んだ。

 悦子が大調教室に入ると、東と谷が家畜に堕とされた8人を洗っていた。
「ほら、ケツをもっと突き出せ!」
 大きな声で東が家畜達を怒鳴りつけると、一列に並んだ家畜達は、足を開いてお尻を大きく突き出し、股間を晒す。
 東は手に持ったホースのノズルを整流にして、水圧を高めると家畜達のオ○ンコに、狙いを定めて冷水を当てる。
 ワンワン、ニャーニャー、ブーブーと決められた鳴き声を上げ、家畜達はオ○ンコの中を洗われた。

 そんな中、谷はデッキブラシを片手に無表情で仁王立ちしながら、家畜達を見詰めていた。
 谷は刺青や人体改造を行う時以外は、基本的に無表情である。
 顔中にピアスを付け、耳の無いスキンヘッドの顔は、無表情で見詰められると、かなり不気味で家畜達は、谷が苦手だった。
 まだ、暴力的だが、表情豊かな東の方が何を考えているか理解出来、マシだったのだ。

 悦子の正面側にいた谷が気付き、目線を悦子に合わせて
「今、使えない…」
 ボソリと悦子に告げる。
 悦子は何が使えないのか、意味を理解出来ず小首を傾げながら
「いえ、谷さんに用事が有って来ました」
 谷に向かって、用件を告げた。

 谷はそんな悦子の言葉に、無言で歩き始め、悦子の前に移動する。
 谷は身長180p有る為、145pの悦子の前に来ると、殆ど真下を見る事になる。
 谷は悦子の直ぐ近くに立ち、首だけを曲げて悦子をジッと見詰めた。
 悦子はそんな谷の視線をまともに受け止め
「見て貰いたい物が有るんですが」
 真上を向いて自分の用件を告げると、ジッと押し黙り無言で見詰める。
 2人は不自然な姿勢のまま、1・2分微動だにせず、見詰め合った。

 フッと谷が視線を外して、東の方を向くと
「俺、用事…。後、頼む…」
 東に後の世話を頼んで、持っていたデッキブラシを放り投げる。
 東は珍しく谷が作業を放棄した事に驚き、曖昧に返事を返す。
 東の返事を背中で聞いた谷は、既に無言で歩き始めていた。
 そのやや後ろを悦子が、チョコチョコと小走りについて行く。
 悦子と谷はエレベーターに乗り、地下2階に移動すると、悦子の調教部屋に向かう。

 悦子が谷を調教部屋に招き入れると、そこには悦子が谷を探しに出た時と同じ姿勢で、久美が微笑みを浮かべ腰をくねらせている。
 谷はその久美を、無表情な視線で見詰めた。
 ジッと久美を見ていた谷が、久美の表情が変わらない事に気付き
「薬…?」
 小さく呟くと、悦子は首を横に振りながら、ニヤリと笑って
「そんな物一切使っていません…。純粋に痛みと快感で仕上げました…」
 谷に告げた。

 悦子はそう言うと、久美に向かって
「久美立ちなさい。お前の身体をこの方にお見せするのよ」
 静かな声で命じると、久美は直ぐさま立ち上がり、足を肩幅に開く。
 悦子はスッと久美の背後に回ると、革下着のロックを外して、久美を全裸にする。
 久美の全裸を目にした瞬間、谷の目が大きく見開かれ、少し遅れて唇の両端がユックリと吊り上がった。
「お前…、凄い…」
 谷は久美の全裸をマジマジと見詰めながら、ボソリと呟いた。

 悦子はニヤニヤと笑みを浮かべながら
「やっぱり、解ってくれました? でも、コレを禁止する方が居るから、私にはコレが最後の作品に成ちゃうんです。谷さんだったら、理事長様に直にお話し出来るでしょうから、コレをもっと作れる様に出来ません?」
 夢中で久美の身体を見詰める谷に、依頼する。
 谷は悦子の申し出に、三日月の様な笑みを浮かべ
「おもしろい…。俺も一緒にやる…、それが条件…」
 悦子に条件を付けた。

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