夢魔
MIN:作

■ 第31章 農場2

 純は純で困った顔をしながら
「うん、僕もそう思う…。でも、代わってしまった物は仕方が無いんです…。僕も突然の事なので、何も指示を受けてないし、何となく記憶の断片をかき集めると、教頭先生の顔と黒澤先生の顔…、それに真さんとキサラさんの顔が浮かんでるんで、4人で相談しろって事何ですかね?」
 キサラにおずおずと告げると
『4人じゃないわよ、5人よ! 何、他人の様な振りしてんのよ! あんたも、当事者なんだからね、あんたも来なさい!』
 キサラは純に剣幕を撒き散らして、通話を切った。

 純は通話の切れた携帯電話を見詰め、呆然としながら
「これって、何時に何処で待ち合わせって言わ無かったから、僕が決めてみんなに連絡するのかな…。僕が、そんな事決めちゃって良いのかな…?」
 ブツブツと呟いた。
 純は大きく溜息を吐いて、携帯のリストからキサラに言われた相手に電話する。
 全員に集合の連絡をすると、純は再び大きな溜息を吐き
「何か話の流れが、みんな狂兄ちゃんに頼ってるけど…。これって、僕が方針を決めるのかな…」
 ボソリと呟いた。

◆◆◆◆◆

 久美が拘束される様に成って、5日目の午後だった。
 悦子は様々な策を弄し、キサラの目を誤魔化そうとしたが、久美を見られて一目で見抜かれ叱責を食らう。
 だが、理事長に絶大な権力を確約されて居た為、悦子はキサラの庇護を受ける必要もなくなり、即断でキサラと決別しその精神の枷を外した。

 悦子はキサラと決別すると、直ぐにローザを連れに行く。
 地下1階の家畜部屋に行くと、既に谷がローザを部屋から出していた。
 満面に不安を浮かべながら、佇むローザに悦子はニッコリと微笑んで
「さあ、行きましょう…。これから、お前は何も考えなくて良くなるのよ…。感じるだけで良いの…」
 静かに告げる。
 それが、ローザの人格の死刑宣告だとは、その時のローザには解らなかった。

 悦子はローザを伴い地下2階に下りると、それまで宛がわれていた部屋には行かず、奥まった部屋に入る。
 そこは以前の部屋の3倍は有る、調教部屋だった。
 壁一面の水槽や古びた木製の椅子、最新の拘束台やクレーンまで付いている、本格的な調教部屋である。
 調教道具もこの部屋には、学校に有る全種類が常備されていた。
 地下2階に有る最大の部屋が、悦子の個人調教室として宛がわれた。

 悦子はローザを部屋の中に入れると、真っ先にローザを拘束台に乗せ拘束する。
 怯えるローザを尻目に、悦子は1冊の本を片手に、ローザに近づいた。
 悦子が手に持っている本は[鍼灸入門]と書かれている。
 悦子がものの数分、その本を読み
「ふ〜ん…、経穴っていろんな効果があるのね〜…。前から試してみたかったけど、ローザ実験台ね」
 ニッコリと笑って、ローザに宣言した。
 悦子がそう言って取りだした虫ピンは、座金こそ3o程の普通のサイズだが、針の部分の太さは0.3o程の細い物で、悦子の手の動きでクネクネと揺れる程弾性の有る物だ。

 狼狽えるローザの身体に悦子は本を読みながら、虫ピンを刺して行く。
 虫ピンが刺されるたび、ローザの美しい顔が歪み、大きく口を開けるが、悲鳴は声になっていない。
 ローザが感じている痛みは、抜歯時に歯の神経に触れ響く痛みを数倍強めた様な痛みで、ローザ自身感じた事のない種類の痛みだった。
 気管支が余りの激痛に痙攣を起こし、声帯が動かなくなって、声にならないのだ。
 ローザの口から[カヒュ〜、カヒュ〜]と掠れた呼気が漏れ、全身がビクビクと痙攣している。
 悦子は本を読みながら、[痛点]と言う文字があるツボにだけ、虫ピンを突き刺した。

 悦子はローザの身体の前面に、虫ピンを刺し終えると、次は裏返して背面にも刺し込む。
 全身に虫ピンを刺されたローザは、拘束台から降ろされたが、その激痛はいつまでも続いている。
「お、お願い…これを外して…、体中ビリビリと痺れて…、神経が剥き出しになったみたいなの…」
 必死の顔で、悦子に懇願するが、悦子はニンマリと笑って
「あら、何言ってるの? お前はこれから暫くはそのまんまで調教するの。お前のテーマは[苦痛の快楽]何だからね」
 ローザに告げると、横にあった騎乗鞭を手に取り、軽く打ち付ける。

 その瞬間ローザの全身に激痛が走った。
 鞭を打たれた付近は元より、かわす動作をした腕や、脚、腰などに電流が流れた様な痛みが走り抜けたのだ。
 ローザは大きく口を開け、声にならない声を振り絞り、苦痛を訴えた。
「ん〜〜〜っ、スッゴク痛そうね…。あはぁ、面白〜い。これ、相当の効果が有ったみたい」
 悦子はそう言って本とローザを交互に見て、嬉しそうに言った。

 そしてローザは余りの痛みに、自分の身体を抱き締め、しゃがみ込もうとすると、手が触れた部分と身体をしゃがませる動作をした筋肉に激痛が走る。
 ローザはビクリと大きく震え、跳び上がるとその動作でも痛みが走り、声にならない激痛に震えた。
 悦子はローザのその仕草に満足そうに微笑むと
「どう? 解った…、余計な動きをすると、お前の身体は絶えず激痛に晒されるの…」
 ローザに嬉しそうに告げる。

 ローザは悦子を見詰め
「ど、どうしてこんな酷い事するのよ…」
 力のない声で、問い掛けた。
「ん〜〜〜? 面白いからよ。お前みたいな美人が、苦痛にのたうち回る顔を見ると、気持ちがスーッとするからよ。だから、思いっきり痛がって頂戴!」
 ローザの問い掛けに、悦子は酷薄な笑顔を浮かべ、手首のスナップを使い鞭を一閃する。

 ローザの滑らかな腹から、豊満な乳房に真っ赤な線が一本走り、ローザは天井を見上げ失禁した。
「口の利き方は、お勉強した方が身の為よ。お前はここでは、物以下の存在なんだから、壊すわよ…。白井先生、これの躾けお願いしますね。私は、こいつを仕上げに行って来ますから」
 悦子はローザの調教を白井に依頼し、久美を顎でしゃくって示すと、調教室を出て行く。
 久美は悦子の後ろを上品な微笑みを浮かべ、黙々と付いて行った。

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