夢魔
MIN:作

■ 第31章 農場7

 薫に久美の表情変化のシステムを聞いた小室は、スッと薫に手を差し出すと
「それ、見せて」
 薫に命令した。

 小室はその薫の言葉に反論出来ず
「すいません…。データーを見せて下さい…」
 唇を噛みながら、謝罪し依頼する。
 薫は[フン]と鼻を鳴らして、小室に背中を向けるとパソコンの前に行き、モニターに表情と仕草と声の番号を表示した。
 小室はその組み合わせを数分ジッと見詰め、頭の中に叩き込むと、久美の側に戻る。

 薫はその小室の行動を馬鹿にした様に見詰めていたが、余りにも短時間で久美の元に戻った小室に
「はぁ? あんた、あれだけの時間で、何が出来るの?」
 呆れた様に問い掛けると
「表情と仕草、それに声のナンバーは覚えたから、これから実践するつもりです」
 固い声で薫に答え、久美にナンバーを告げる。

 すると久美は、恥ずかしそうに身体を抱え込み、上目遣いで小室を見詰めると
「あ、あの〜…、恥ずかしいですけど、精一杯頑張りますので、お楽しみ下さい…」
 震えるか細い声で、小室に挨拶をした。
「ああ、お前にこれからSEXと言う物を教えてやる。色々なSEXをね…」
 小室が久美の耳元に囁きながら、番号を告げると
「は、はい…よろしくお願いします…」
 恥ずかしそうに頬を染め、濡れた様な眼差しを小室に向け、艶のある声で依頼する。
 その余りに自然な反応に、薫は呆気に取られ
(こいつ、本当にあの短時間で全部覚えたの…。信じられない、だとしたら凄い記憶力…)
 薫は小室の能力の一端を見て、本気で驚いた。

 小室は久美をベッドの上に寝かせると、ソッと側に寄り添い優しい愛撫を始める。
 久美の耳元に、小室は顔を近づけしきりに番号を告げた。
 その度に久美の表情は変わり、身体が艶めかしく動いて、恥ずかしげな吐息が漏れる。
 数分それを続けた小室は
「良し、今の反応の仕方を覚えたな。始めからもう一度だ、今度は番号を言わないから、自分で変えるんだぞ」
 久美に向かって命令すると、先程と寸分違わぬ愛撫を繰り返す。
 久美は小室の命令通り、愛撫に従って同じく寸分違わぬ反応を示した。
 それは、まるでビデオ再生の繰り返しを見ている様だった。

 小室は次に久美を抱き上げ、膝の上に乗せ身体を絡ませながら、口吻を交わす。
 その際の反応の仕方、仕草、表現を教え、同じようにリピートさせる。
 こうして、小室の教育は進んで行き、オ○ンコとアナルを使われる反応と表現。
 正常位、後背位、騎乗位等の反応を教え込んでいった。
 久美はそうやって、1時間程みっちりと、細かく小室に表情の使い方と表現の方法を学んだ。
 そして薫は小室の凄さを思い知る。

 小室は1時間程掛けて久美に教えた行動を、寸分違わぬ正確さで再現したのだ。
 久美は甘える様に小室にしなだれ掛かり、腕を絡めて唇をせがんで、小室の舌に自分の舌を絡め、唾液を啜り、小室に体勢を入れ替えられると、小さな悲鳴を上げながらベッドに倒れ込み、両手で胸を隠して下から上目遣いに小室を見詰め、ソッと視線を外して、ユックリ胸を晒し、腕を首に回して
「私の身体を使って下さい…」
 小室の耳元に囁き、おずおずと足を開いて、顔を真っ赤に染め股間を晒す。

 小室がオ○ンコにソッと手を添えると
「あんっ…」
 ビクリと震え、甘い鼻に掛かった声を上げ、頬を染めながら恥ずかしそうに、小室の顔を盗み見る。
 小室がオ○ンコの中に侵入すると、眉根に悩ましげな皺を寄せ、背中に回した手で軽く爪を立て
「うふぅ〜…ん…、あん…」
 熱い吐息と共に、閉じた唇の隙間から官能の声を漏らし、白くしなやかな脚を腰に巻き付けた。

 それは、正常位から後背位、騎乗位のフィニッシュに至る、甘いノーマルなSEXだった。
 そして、久美のその反応は、ごくごく自然で何の違和感もなく、悦子の示したテーマ[可憐で淫ら][扇情的で清楚]を踏襲している。
 小室は1つ息を吐くと
「取り敢えず、1つのパターンは覚えたな…後、3パターンは欲しい。それを組み合わせれば、一通りの動きを違和感無くできるだろう…」
 誰とは無しにブツブツと呟いて、久美を引き寄せる。
 小室は2時間のSEXの後、直ぐさま再び同じように違う反応を久美に教え込む。
 薫はその教育をジッと食い入る様に、黙って見詰めていた。

 悦子がローザの前に現れると、ローザはその抜群のプロポーションの身体を、蛙の様に床に投げ出し
「これから、宜しくお願い致します。どんな命令にも、どんな事にも絶対に逆らいません。心から服従致します」
 必死の声音で床に額を擦りつけて、挨拶をする。
 ローザは久美が繁華街に出ている間の3時間みっちり、白井に教育されていた。
 悦子の命令で正座に成って、上体を上げたローザの顔は悲惨だった。
 鼻水と涙で、顔はグショグショに汚れ、恐らく床を舐め続けたのであろう、頬には黒い筋が付いている。
 ローザの美しいブロンドは、苦痛から出る大量の汗で、薄汚れ顔や頬に絡みながら張り付いていた。
 ローザの高い鼻の鼻中隔に通っていた鼻環は外され、直にリードの金具が止められている。

 悦子がリードの根本を掴み、ユックリと引き上げると、ローザの顔が苦痛に歪み、唇が開く。
「当たり前の事を大層に言わないの…。お前は[物]なの、これからは、考える事自体が罪だからね…」
 悦子はローザの瞳を間近で覗き込み、射抜く様な目線で呟いた。
 悦子の目線と台詞が、何の冗談でもない事を物語り、ローザは絶望に打ち震える。
 悦子はローザのリードを打ち捨てると
「白井先生、これまだ全然懲りてないわね…。何して遊んで上げたの?」
 白井に冷たい声で問い掛けた。

 悦子の質問に、白井は項垂れ
「あの…、鞭打ちと、引き回しよ…。それと礼儀と言葉遣いを教えてたの…」
 ボソボソと悦子に答える。
「あ〜…、駄目よ、駄目…。こんな、鼻っ柱の強い奴には、最初から徹底的な痛みを教えてやって、微塵も反抗心やプライドが無く成る様にしなきゃ…」
 悦子は溜息を吐きながら、首を左右に振り右手でパタパタと宙をはたく。

■つづき

■目次4

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊