夢魔
MIN:作

■ 第31章 農場9

 悦子の指示で苦痛の中、絶頂を迎えたローザは、放心状態で床に座っていた。
 白井は悦子の壮絶な責めを見て、腰の奥がゾクゾクと熱くなっている。
「白井先生…どう? 私の責め…」
 悦子が白井に問い掛けると、白井は興奮した声で
「う、うん…凄かった…。凄かったわ…」
 熱っぽく語り、何度も頷いた。

 悦子は薄く微笑んで
「でもね…、まだ駄目みたい…」
 小さな声で、囁くとスッと視線をベッドの方に向け
「どう思う…」
 壁に腕を組んでもたれ掛かり、ジッと見ていた小室に悦子が問い掛ける。
「それは、悦子様が1番解っておいででしょ…」
 小室は少し戯けた表情で、首を静かに左右に振って、胸を2度叩いた。

 悦子はニヤリと笑うとローザに向き直り
「ローザお前の出した物、綺麗におし…」
 静かな声で命じると、ローザはピクリと震え、少しして、ノロノロと椅子に取り付き、自分の糞尿が汚した椅子を舐め始める。
 床に這い蹲り、自分の糞尿を無表情で舐めるローザは、完全に自我を失っていた。
 外されたピストンマシーンも綺麗に舐め終えたローザは、次の指示を待つ様にその動きを止める。
 悦子はニッコリと微笑んでローザに近づき、しゃがみ込むとローザの耳元に顔を寄せ
「良く出来たわね…」
 優しい声を掛けながら、ブロンドの頭を撫でた。

 しかし次の瞬間、唇の端を吊り上げ、悪魔の様な表情に戻ると
「って言われると思った? お前、躊躇ったでしょ…。私の目を誤魔化せると思ったの…」
 ローザに問い掛けた。
 その途端ローザの顔に表情が戻り
「ひ、酷い…気付いてて、あんな事させたのね…」
 ボロボロと涙を浮かべて、訴える。
「騙そうと思う方が酷いわよ…。覚悟しなさい…」
 悦子は呆れた様に悦子に答えると、舌なめずりしながらローザに宣告した。

 悦子は小室の方を向くと
「さっきのより、きついの有る? 特別ボーナス出すわよ」
 残酷な笑顔を浮かべ問い掛ける。
「ええ、まぁ、余り保証はしませんよ…。私も構想だけで、効果や害なんか考えていません。それに下手すれば、ここをやられますよ…」
 小室は頷きながら悦子に伝え、最後に頭を押さえながら言った。
「もう、この際壊れても良いわ、こいつの態度には、ムカっ腹が立ったから…」
 悦子がそう言うと[はい、はい]と小室は小声で囁き、用意を始めた。

 暫くするとローザは足を大きく開いて床に固定し、腕を束ねて人の字に吊られ、水槽の中に入れられた。
 水槽の大きさは、壁一面で前面のガラスが上下して、その深さを変えられる仕組みだ。
 今は150p程の高さに調整され、ローザの乳房の直ぐ下まで少し濁った水が満たされて居る。
 小室は小脇に水槽を抱え持ち、悦子の横に立つと
「本当はあと何個か有るんですが、やっぱり電極が付いている今は、これかな…」
 そう言って水槽を満足そうに見詰めた。
「でっ、これからどう成るの…」
 悦子が問い掛けると、小室はニヤリと笑い
「今、あの水槽の中に3匹放してあるんですが、水温が低いんでまだ、活発には動きません」
 大水槽に近づくと、手に持った水槽の中身を大水槽の中に入れる。

 途端に大水槽の中を、茶色い影が何十匹も走り始めた。
 悦子が訝しそうに大水槽を見詰めると、小室が手招きして悦子を呼ぶ。
「ほら、今入れたのはドジョウです。こいつ等は今が適温なんで、活発に動いて居ます。ですが、そろそろ水温が上がり、あいつ等の動きも良くなって来ますよ…。なんせ、原産はアマゾンなんであと、3℃は上がらないと活性化しません…」
 大水槽の中を説明した。

 その時ローザの引き痙った声が
「い、嫌…くすぐったい。痛っ! クゥッ…」
 何かに身体を擽られ、そして驚いた拍子に筋肉が動き、神経に響く痛みが走ったのだ。
「ローザの身体には、ドジョウの餌が塗りつけて有ります、従ってドジョウ達はローザの身体から、それを刮いで食べようとします…」
 小室が説明すると、ローザはくすぐったさと、ビリビリと走る痛みに眉根を寄せて、堪えている。
「へぇ〜…、面白いね〜。でも、かなり地味だし、さっきよりどう考えても、酷くは無いよね…」
 悦子が感心しながらも、眉をひそめ小室に問い掛けると、悦子の目の端で水槽の中を灰色の大きな物がスッと横切った。

 小室の目にもそれが確認され、ニンマリと笑い始め
「来ましたね…、そろそろ頃合いの水温に成りました。アマゾン川水域捕食者の一方の頂点…。彼等の捕食法は人間界では禁止されています…もう少しで、正体が分かりますよ」
 灰色の影を指差しながら、嬉しそうに語った。
 小室が語り終えた瞬間
「んがはぁ〜〜〜っ、ぎひ〜〜ぃ〜〜〜っ!」
 ローザの口から激痛を訴える声が上がる。

 悦子はその声を聞き、ローザの顔に視線を向けると、ローザは大きく目を開き、水面を見詰めガタガタと震えている。
「ローザどうしたんだい?」
 悦子が好奇心に負け、本人に問い掛けると
「わ、解らない…。何かが身体の側を通った様だけど、その瞬間ビリビリって、身体に電気が走って…ぐひぃ〜〜〜っ、が、がはぁっ!」
 ローザは状況を説明しながら、吊られた身体が複雑に暴れ、新たな激痛に悲鳴を上げた。

 悦子はその時ハッキリとそれを目にした。
 悦子が大水槽内に見た物は、2.5mは有ろう巨大なウナギの姿である。
 上下に平たい頭部に対して、尾部は左右に平たく、ほぼ灰褐色で白っぽい斑模様が有り胴体は完全に大人の男性のふくらはぎを超えている。
 それがゆったりと動きながら、水槽の中を泳いでいるのだ。

■つづき

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