夢魔
MIN:作

■ 第31章 農場22

 その話をキサラはキョトンとした表情で、聞いており
「えっ? 何が後の祭りなの? その子、まだ処女よ…」
 京本に素っ頓狂な声で、告げる
 キサラの言葉を聞いた京本は、驚いて志保理を見詰めると、志保理は腕の中で大きく目を開け、涙を湛えた驚きの表情で、京本を見詰めていた。
 2人の視線が絡み合うと、志保理はオズオズと手を京本の頬に伸ばし、両側から挟むと
「そ、そんな事を思って居られたんですか…。私はてっきり、自分に価値がないと…そう思っておりました…」
 志保理は潤んだ瞳を震わせながら、震える唇でソッと告げる。

 京本は志保理を優しく見詰め
「志保理に価値が無いなんて、思った事もない…。私は、志保理を傷付けたく無かった…、命令で捧げさせるような、無理強いをしたく無かったんだ…」
 志保理に心の内を告げた。
「そんな事…、そんな事絶対に思いません…。京本様の言葉に、無理強いを感じた事など、一度もありません。そんな事考えた事もありませんでした」
 志保理は首を左右に振りながら、訴えるように京本に告げる。
 2人は見つめ合い、お互いがユックリと顔を引き合わせた。
「ストーップ! 止め! 中止〜!」
 その時、キサラが2人のムードを叩き壊す。

 2人は弾かれたように、同時にキサラを見詰めると
「あんたら、まさかここでおっ始めようってんじゃ、無いでしょうね? 確かにベッドも有るけど、そんなラブラブSEX見せつける積もり? 勘弁してよ…。ったく、他所でやって、他所で」
 キサラは眉根に皺を寄せ、犬を追い払うように、2人にシッシッと手を振った。
 2人はその言葉で、バツが悪そうに俯くと、立ち上がりキサラに頭を下げる。
 だが、その時キサラは何か考え事を始め、直ぐに思いつくと
「あんた達、先生として迷える生徒を救ってみない?」
 2人に相談を持ちかけた。

 2人はキサラの話しを聞き終え、お互い顔を見合わせる。
 キサラの相談とは、奴隷生徒達の悩みだった。
 奴隷生徒達はまだ殆どの者が処女で、そのロストバージンの仕方に悩んで居た。
 それは、どんな物かも想像は付いては居たが、現実に見たロストバージンの様子は、最悪の物ばかりだった。
 皆、裸に剥かれ磔られたり、壇上で四つん這いにされたりして、無機物を強引に突っ込まれる。
 彼女達の知るロストバージンは、見せしめでしかなかったのだ。

 そんな彼女達も、志保理同様追い込まれている。
 それは、[試験]の開始が大きな理由だった。
 [試験]を受ける科目を増やすなら、確実にオ○ンコを鍛えなければ成らない。
 だが、ゴミを捨てるように、処女を捨てたくは無いと言うのが、少女達の本音だったが、どう捨てて良いかやり方が解らないのである。
 そこで、キサラは奴隷として完成された、志保理がどう処女を喪失するか、女生徒達に見せてやって欲しいという物だった。

 キサラが受けた相談は志保理自体、女生徒に聞かれた事があり、事実で有るのは知っている。
 そして、自分でも力に成りたいとは思っていた。
 だが、こんな風にその事態が巡って来ようとは、夢にも思っていなかった。
(生徒の前で処女を捧げるなんて…)
 志保理が俯いて、考えていると
「私もさぁ〜、強引に突っ込まれた口だから、生徒達に相談されても、答えてやれないしねぇ〜」
 キサラがボソボソと、呟くように告げる。

 するとズッと黙っていた京本が口を開き
「私は、志保理が良いなら、それでも構わない。この際だから、私は志保理の望むままに、処女を受け取りたいと思っている」
 低く響く声で、しっかりと伝える。
 その言葉を聞いた瞬間、志保理の子宮がキュウッと締まり、体の芯が疼き始めた。
(あぁ〜…嬉しい…京本様のこの言葉を聞いただけで、私イキそうです…。それに、私…そんなシュチュエーションで、処女を捧げる何て…)
 志保理は自分の性癖が、ジクジクと疼き出すのを止められ無く成ってくる。

 京本は志保理の顔を覗き込み
「どうする、志保理?」
 優しく問い掛けた。
 志保理は俯いたまま、ボソリと
「は…い…。その話し…お受けします…」
 キサラに答えを告げる。
 志保理の顔は興奮で、赤く染まり目は潤みきって、夢を見ているように成っていた。
 キサラは喜び勇んで、その事を生徒達に伝えに行く。

 扉を出る前に、振り返ったキサラは
「心配しないでも良いわよ、私の所に相談に来た子って、10人程だから…そんなに、大事に捉えないで…じゃぁ、放課後で良いわね」
 志保理に伝えて、保健室を後にする。
 志保理はスッと顔を上げて京本を見上げると
「申し訳御座いません、京本様を晒し者にするような決断をしてしまいました…」
 京本に濡れた瞳で謝罪する。
「良いんだ、気にする事はない。お前の素晴らしさを生徒達にお見せなさい…」
 京本は優しく謝罪を受け取ると、志保理に口吻をした。
 志保理はその口吻に、激しく応えて舌を絡める。

 キサラは京本と志保理が、承諾してくれた事を女生徒達に知らせようと探していた。
 探すと言っても、闇雲に探すのでは無く、サーチソフトを使っている為、相手の居場所は分かっている。
 キサラは相談に来ていた数人の女生徒を見つけ
「今日の放課後、貴女達が相談に来た、ロストバージンの一つの理想型が見られるわよ…。良い、みんなに伝えちゃ駄目よ、これは見せ物じゃないし、本気で悩んでる人用なんだからね…」
 コソコソと耳打ちして、会場を探した。
(う〜ん…、場所は何処が良いかしら…。15・6人程だから…視聴覚教室の方が良いかしら…)
 キサラが会場を決めて、連絡するとその話は、人づてに伝わった。

■つづき

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