夢魔
MIN:作

■ 第31章 農場33

 ローザは人気の無い路地で20人目の精液を飲み終えると、いつものように急いで路地を離れ始める。
(うっぷ…、胃が張ってるわ…。それに、上がってくる匂いが…精液の匂いしかしない…。昨日の夜から、何も食べさせて貰えなかったけど…。まさか、精液でお腹がいっぱいに成るなんて…思っても見なかったわ…)
 ローザは口を押さえ、胃の中から込み上げる臭気とその内容物を思い、悔しくて情けなくて仕方がなかった。
 悦子は今日のこの路上プレイを前から考えており、ローザに断食させ今朝には、結腸の奥までホースを通し、すべての内容物を体外に排出させている。
 今現在、ローザの消化器系を満たす物は、精液以外何も無かった。

 ローザは自分の頭の中に広がる声と、敏感に成り続ける身体を持て余しながら、次の協力者を捜しに大通りに向かう。
 しかし、そのローザの前に路地を塞ぐように2人の男が立ちはだかり、ローザをニヤニヤと見詰めている。
 ローザはその男達を見て、一目でその職業が分かった。
 暴力を生業にする匂いが、男達の身体から溢れている。
 ローザは、経験上多くのそう言う男達を目にし、見掛けが危険なのか、本当に危険なのか判断できるように成っていた。
 そして、今目の前に立ち塞がる男達は、明らかに後者だった。

 ローザは咄嗟に身の危険を感じ、踵を返して反対方向に抜けようとすると、今まで相手にしていた男達はおらず、同じ匂いのする男が2人、ローザの退路を断っていた。
 男達はニヤニヤと笑いながら、ローザとの距離を詰め近寄ってくる。
 ローザの全身から音を立てて、血の気が引いて行った。
 絶体絶命な状況に、ローザはガクガクと膝が震え、涙が止めどなく溢れる。
 ローザは絶望感に心を染めながら、その場に力なく膝をついて、項垂れた。

 4人の男達はローザを取り囲むと
「お嬢ちゃん…。河岸、変えようか…。心置き無くザーメン飲ましてやるぜ…」
 1人の男が呟く。
 その言葉に、ローザは顔を跳ね上げ、男の顔を見詰めると、男はニヤリと笑ってローザに小さく頷いた。
(あっ…、この人達…悦子様の回し者…。という事は…初めから、私…今日は帰れなかったのね…)
 男の表情と仕草に、ローザは全て悦子の差し金だという事に気がつく。
 ローザはがっくりと肩を落とすと、声を掛けて来た男の合図で、両脇を抱え上げられ立たされた。

 男達はローザを両脇から支え、引きずるようにして路地をいくつか曲がり、廃ビルの中へ連れ込む。
 そこには20人を超える同じ職業の男達が屯し、ローザを待っていた。
「後、2時間半程は口しか使えねえ…。だが、それを過ぎたらどこを使っても構わねぇそうだ…。尿道も使えるそうだからよ、どこに突っ込んでも良いぞ。オーナーのご要望は、[こいつの中を精液で満たせ]だ」
 男はそう言うと、鞄を一つ放り投げる。
 鞄の中には、ボールチェーンの付いた、ゴム製の栓が4つ入っていた。
 その栓は決して人体に使う物では無く、浴槽やシンク、洗面台の貯水に使う物だった。

 20人を超える男達は、ローザを何重にも取り囲み、下卑た笑みを浮かべ見下ろしている。
 ローザは全て理解し、全てをあきらめた。
 ローザはその場に居る男達の、精液を全員分飲む羽目に成る。
 そして、男達に容赦は無かった。
 暴力を生業にする男達の欲望を、ローザはその身体と、その口で全て受け止める。

 車の中で指示されていた通り、男達の質問に不自由な口で返事を返し、涙を流しながら精液を啜るローザを男達は笑いながらビデオに収める。
 ローザの心が、ガラガラと崩れ落ちて行く。
 ローザのプライドが、削り取られて行く。
 ローザの身体が、作り替えられて行く。
 感じるだけの身体に、何も感じない心に、男達は笑いながら、組み替えて行く。

◆◆◆◆◆

 2時間が経つと、ローザの反応は全く変わっていた。
「も、もっと〜…もっとのませてください〜…。ミルクおいしいの〜…もっとください〜…」
 胃袋がポッコリと出る程、男達の精液が満たされた身体を、怪しくくねらせながら、懇願するローザ。
「へへへっ…、この女、本当にあの女が言った通りに成りやがった…。これじゃ、どう見ても変態の色情狂だぜ。おい、お嬢ちゃん…、オッパイ弄くってイッてみろよ」
 男が笑いながら、ローザに命じるとローザは、はだけたワンピースから溢れる、両の乳房を鷲掴みにすると、激しく両手でこね回し
「あ、あはぁ〜〜〜っ…、きもちいい…、きもちいいの〜…」
 半開きの口から、涎を垂らして悶え、快感が高まり絶頂に近づくと
「ぎひ〜〜〜〜っ、ぐぅ〜〜〜っ、がはぁーーーっ」
 激しい痛みが、身体全体を襲い、目を剥いて痙攣する。
 ローザは、悦子の命令により50人分の精液を飲むか、5時間経って貞操帯から解放される迄、絶頂を迎える事が出来ず、神経を苛む激痛にのたうち回った。

 そののたうつ身体の動きで、金属に摘まれた内臓壁が擦れ合いローザに、快感をもたらせる。
 限界を超え敏感に成ったローザの身体は、内臓壁の擦れで激しく感じ、絶頂を迎えそうに成るが、直ぐに激痛で元に戻された。
 朦朧とする意識の中で、ローザはいつも以上に身体が敏感に反応する事に、恐怖すら覚える。
(あの洗剤のせい…、私の身体がおかしいのは…、あれで洗われたせいだわ…。この状態で、貞操帯が外れたら…。この状態で、この人達に犯されたら…。私…狂ちゃうかも…)
 ローザは今の身体の状態で、これからの成り行きを考える。
 すると、ゾクゾクと背中を妖しい予感が走り、身体が熱くなると同時に、身を切り裂くような嫌悪感が膨れ上がる。

 ローザはこう言う人種の男達が、大嫌いだった。
 自身の暴力を嵩に、女を食い物にする男達。
 ローザはモデルの仕事をしていて、こう言う人種の男達に身を滅ぼされた同僚を幾人も見ており、心の底から嫌悪している。
 そして、自分は後数分もすると、その男達の求めるまま、全てを晒し、自分を辱めながら、奉仕しなければ成らない。
 それが支配者の命令なのだ。
 ローザは深い絶望と背徳感の中、高ぶる快感と自身をなじる言葉に責め苛まれる。

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