夢魔
MIN:作

■ 第32章 崩壊7

 少女は登校の準備をすませ、家を出ると暫くして有る人間達を見つけた。
 それは、普段なら絶対に、この時間この場所で見ない人間達だった。
 学校の制服を着た、小柄な風紀委員の男子生徒が、薄い笑いを浮かべ住宅街の出口に立っている。
 その姿はサングラスを掛け、まるで何かを監視している様だった。
 少女が見詰めている事に気づいた、小柄な風紀委員は値踏みする様に少女を見て、顎をしゃくり先を促す。
 少女は怖く成って、直ぐに指示通り学校に向かう。

 暫くすると、3人組の女性徒が、話しながら風紀委員の前に現れる。
 女性徒達は風紀委員の姿を見て、一瞬ギクリとした表情を浮かべるが、直ぐに深々と頭を下げ、挨拶をした。
 その時、風紀委員の鞄から、[パス、パス、パス]っと、空気の抜ける様な音が3度響き、頭を下げた女性徒達は鼻の頭に何かが当たり濡れた様な感触を感じる。
 驚いて、顔を上げた女性徒達は、更に頬や唇に同じ感触を感じ、それの元を探すが一向に何も見つからない。
 訝しそうな表情を浮かべ、女性徒達が登校を再開し、風紀委員の視界から消える。

 女性徒達の姿が消えると、風紀委員は携帯電話を取り出し、ダイヤルする。
「もしもし、3人そっちに行ったよ。1人2発ずつ当てたから、そこに着く迄には効果が出てるよ…」
 3人の女性徒が通過した事と、何かを2発当てた事を知らせた。
『了解…。へへへっ、じゃぁ俺は、3発ずつ喰らわせるかな…』
 通話相手は軽薄そうに、答える。
「学校には着くようにしないと、途中でオナニーなんか始めたら、計画した僕らが大目玉食らうよ。失敗したら、お仕置きモノだって忘れないでよ」
 風紀委員は通話相手に、注意すると次の獲物が来た為に、慌てて携帯を切った。

 今度も3人組の女性徒が現れ、風紀委員を見つけて、同じような反応をし、同じように何か濡れた感触を感じた。
 徐々に登校する人間が増える中、風紀委員を見て挨拶する女性徒達に、軽く挨拶を返しながら、最後の4人組を見つけて、同じ処置をする。
 4人組が視界から消えると
「10人全員終わったよ、僕も今からそっちに向かうね」
 携帯電話に告げる。
『早かったな、こっちも2組目が終わった所だ、あいつら凄い事に成ってるぜ…』
 携帯電話の向こうから、薄笑いを浮かべた声が、響いた。

 小柄な風紀委員は、ポケットに手を突っ込み、コントローラーを操作する。
 すると、風紀委員の目の前に、通学路が自分の視点で現れた。
 サングラスは有機液晶ディスプレーで、鞄の中に仕込まれたCCDカメラ、サングラスの真ん中に設置されている超小型広角カメラ、携帯電話のディスプレイに切り替えられる。
 今まで、風紀委員が見ていた映像は、鞄内に隠されたエアガンの上部に固定さている、照準用CCDカメラの映像だった。
 エアガンの弾は、点の衝撃には脆いが、面の衝撃には耐性がある特殊なBB弾で、物に当たると霧散する。
 風紀委員達はその弾の中に、揮発性が高く、吸収性の強い強力催淫剤を入れ、女性徒達に当てていた。

 自分の任務を全うした、風紀委員は鼻歌交じりに、通学路を進み200m程で、大柄な風紀委員に合流した。
 2人の目の前、数m先を4人組の女性徒達がフラフラと歩いている。
 その女性徒達は、お互いの身体を支え合い、遅々として進まぬ足を懸命に動かしていた。
「何発当てたの?」
 小柄な風紀委員が、大柄な風紀委員に尋ねると
「へへへっ、先頭のグループには3発ずつ。後のグループには、2発ずつだ。ほら、見てみろよ一番最初のグループ、まだあそこに居るぜ」
 大柄な風紀委員が、200m程先を指さすと、壁にもたれ掛かった女性徒が、3人見える。
「あの位置だと、学校まで500m…。遅刻確定だね…」
 ニヤリと笑って、小柄な風紀委員に告げた。

 大柄な風紀委員も、ニヤリと笑い返し
「ああ、俺等2人で10人ゲットだ…。これは、確実にトップだぜ。本当、おまえ良い物見つけたな」
 小柄な風紀委員に告げる。
「僕が見つけたんじゃ無い、弥彦が持って来たんだ。さぁ、詰めに入ろう。ここで、他の奴らに横取りされちゃ、たまんないしね…」
 2人は頷き合うと、女性徒達の少なく成った通学路を足早に登校した。

 風紀委員の2人は、1番最初のグループに追いつくと、ヨロヨロと歩く女性徒の背後から、3発ずつBB弾を当てる。
 学校の正門まで100mを切っていたが、女性徒達はその場でへたり込み、ビクビクと身体を痙攣させた。
「おい、校外での路上オナニーは禁止だろ。こんな所で、イクなんておまえ達、どんな教育を受けてる」
 背後から2人の風紀委員が、3人組に近付き、小声で叱責する。
 その声に、ビクッと震えると3人組が振り返り
「ち、違うんです…。これは、違うんです…」
「身体が変なんです…朝、起きた時は何ともなかったのに」
「ほ、本当なんです…みんな、急に身体が…熱く成って…」
 風紀委員を認め、泣きそうな顔で訴えた。

 風紀委員は、女性徒達に手を貸すように、身体を寄せると
「嘘をつけ! 身体が勝手にこんな風に成るのかよ…」
 そう言いながら、制服の上からでもハッキリと分かる乳首を抓み、ねじり上げる。
「うくぅ〜〜〜ん…、あはぁ〜〜〜…」
 乳首を摘まれた女性徒は、口を固く閉じ必死に声を殺して、ビクビクと震えた。

 もう1人の風紀委員は、鞄で巧みにギャラリーの視線から隠しながら、手を女性徒の股間に押し込み、パンティーを擦り上げる。
「くふぅ〜〜〜ん…」
 グッショリと濡れたパンティーの上から、オ○ンコを刺激され女性徒がブルブルと震え、押し殺した官能の声を上げた。
「こんなに濡らしてるのに、身に覚えが無いって…。どう考えてもおかしいでしょ…」
 女性徒の目の前に、愛液でビショビショに成った手を差しだし、問い掛ける。
 女性徒達に取って、身に覚えが無くとも、身体が敏感に感じているのは事実である。
 女性徒達に申し開きは、出来無かった。
「さぁ、立つんだ。おまえ達は校則違反者として、俺達が追求させて貰う。風紀委員会室でな…」
 ニヤリと笑って宣言すると、3人の女性徒達を管理棟まで連れて行った。

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