夢魔
MIN:作

■ 第32章 崩壊16

 男子便所に設置された[便器]は、その素養で自尊心を粉々に粉砕される。
 まだ、未熟ながらも、サディスト達は奉仕に慣れ、自分の管理奴隷の教育の為にも、貴重な放尿なのである。
 それをわざわざ懲罰の量刑に使うのだから、それなりの技術を持たなければ、誰1人相手にしないのは、自明の理で有った。
 自分の[専用トイレ]を持つ、男子生徒に使って貰える技術がないと、この懲罰は只の放置プレイでしかない。
 男子便所の[便器]は、最もクリア率の低い、[備品]の懲罰だと経験して、初めて知る。

◆◆◆◆◆

[掲示板]は最も当たり外れが有る、[備品]で有った。
 何故なら[監督官]の意向が最も反映される、懲罰だからだ。
 端から順番に1年生、2年生、3年生、風紀委員会、生徒会と額に張り紙がされる。
 すると、各掲示板の連絡事項の紙を[監督官]が受け取り、提示する。
 その提示方法は、各[監督官]の自由と成っていた。

 1・2年生の[掲示板]は拓人達のグループ。
 3年生と風紀委員会の[掲示板]は桜。
 生徒会の[掲示板]は、2年生風紀委員。
 それぞれの[掲示板]の前に、[監督官]が立ち、掲示物を張って行く。

 2年生風紀委員が、生徒会の連絡事項を女性徒の乳房に当て、押しピンで止めて行く。
「ぎぃ…、い、痛い…」
 女性徒は押しピンを刺される痛みに、歯を食いしばり我慢する。
 2年生風紀委員は、普通の丸座押しピンを使い乳房に上手く針が食い込まず、何度も押し込んでは、取れを繰り返し、女性徒の乳房には幾つもの穴が空いて血が滲んだ。

 拓人は針の長い、ピンタイプの押しピンを手にしていた。
 針の長さは2pと普通の物より長いが、これぐらいの長さがないと、紙が身体の動きに合わせて起きるバタ付きに、押しピンが負け、取れてしまうからだ。
 だが、その長さに対して、拓人は針を自ら削って細くし、痛みを緩和させている。
 そして、掲示物の四角にテープを貼って紙の強度を上げ、千切れたりしないよう工夫していた。

 拓人は担当の[掲示板]の前に立つと、左手で乳房に掲示物を押しつけ、右手の親指と人差し指で押しピンを持ち、中指で乳房の表面を撫でる。
 乳房の脂肪が厚く、神経の密集していない所を探しだし、拓人はおもむろに針を刺す。
「ぎいぃ〜っ…くぅ〜〜っ」
 女性徒が痛そうな顔をして、顔を歪め悲鳴を上げるが、実際はいつ刺さったのか良く判らないぐらいの痛みだった。
 女性徒は拓人に教えられたタイミングで、顔を歪め悲鳴を上げるよう、言われていた。

 拓人は鮮やかな手つきで、次々と担当[掲示板]の乳房に押しピンを刺し、担当[掲示板]が悲鳴を上げる。
 縦辺に3本横辺に4本の押しピンを刺し終えた拓人は、補強の為にピンをセロテープでぐるぐる巻きにした。
 こうする事によって、ピンが揺れるのを防ぎ、痛みが走らなくなる。
 拓人はもう1人の担当[掲示板]にも同じ処置をすると
「放課後僕が手当てします。それまで頑張って下さい…」
[掲示板]の耳元にソッと呟いた。
[掲示板]は耳まで真っ赤にして、放課後が待ち遠しくて堪らなく成った。

 3年生と風紀委員会の[掲示板]に成った者の前に、桜が現れた。
 この2人は、B組副委員長の管理奴隷だった者だ。
 桜は掲示物を片手に、掲示板を見詰めると
「お前等の管理者のせいで、あたしは死ぬ程怖い目に逢ったんだからね…」
 そう告げると、[掲示板]の乳房に紙を当て、右手に持った建築用ステーブルで、バチン、バチンと針を打ち込んだ。
 建築用ステーブルとは、石膏ボード等を止める為に使う、巨大なホッチキスで、針の長さは30o程の物まである。

 桜はそれを四角ではなく、四辺に打ち付けた。
[掲示板]の少女は、悲鳴を上げ痛みを訴えるが、桜は全く気にせず掲示物を張って行く。
 お腹と両太股に張られた掲示物は、少女の流す血で赤く染まる。
 そして、桜は茶封筒の中から、長さ2p程の針を持つ、押しピンを取り出すと、少女の乳房に13本、少女の腹部と両太股にも、13本ずつ突き刺す。
 合計52本の押しピンが刺され、少女はあまりの痛みに、泣きじゃくる。

 だが、その押しピンは、同じ数場所を変える事に成る。
 何故なら掲示物の名前の欄に、[確認は名前の欄に、ピン止めで記して下さい]と書かれて居たからだ。
 そしてもう1人の受難者、3年生の[掲示板]も同じだった。
 彼女は掲示物の数こそ2枚と少なかったが、乳房に刺された押しピンは、実に40本を超えていた。
 腹部にも同じ数の押しピンが刺され、[掲示板]は痙攣したように身体が小刻みに震えている。
 痛みに咽び泣く3人を横目で見ながら、1年生と2年生の[掲示板]は、自分達の厚遇が少し後ろめたかった。

 女性徒達はこうして日々[備品]として使用される。
 女性徒達は放課後に量刑を量られるが、減刑されるのはごく僅かで、次の日にはそれ以上の増刑が成された。
 事情を知らない10人の女性徒達は、その増減で一喜一憂するが、裏の部分を教えられている、10人のグループは、その量刑のいやらしさに、心の中で舌を出す。
 減刑とは只の餌で有った。
 希望を目の前にぶら下げられ、それに対して必死に蠢く様を、悦子は楽しんでいる。
 この20人は悦子が飽きるまで、罪が消える事は、決してないのだ。
 10人のグループは拓人と慶太にそれを教えられ、自分達と全く違う扱いを受けるクラスメートに、同情しながら、自分達を庇護してくれる、年下の[監督官]に心から感謝するのだった。

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