夢魔
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■ 第32章 崩壊27

 真や黒沢が罠に掛かった頃、学校の用務員室で、西が家畜生徒を犯しながら、笑い始めた。
 家畜性徒が犯される光景を、眉を顰めながら見ていた奴隷教師が、不審に思い始める。
「何がおかしいのよ〜…。あんた、変よ〜?」
 由香が堪らず西に問い掛けると
「あ〜ん? コレが笑わずに居られるか…。馬鹿な反抗者が、大挙して罠に飛び込んだんだからな…。お前達も、もう終わりだぜ。何たって、管理者が捕まっちまったんだ。首輪は有っても、野良だ…ははは、どんな目に逢うかな?」
 西は堪らず奴隷教師に、本当の事をぶちまける。

 罠という言葉に敏感に反応した、恵美と直美が蒼白な表情になるが、由香は真っ赤な顔で
「何言ってるの! 黒沢様が、捕まる訳無いじゃないの! だって、凄く強いのよ! 絶対、誰にも負けないんだもん!」
 西に猛抗議をした。
「強かろうが何だろうが…。お前20人から居るヤクザ…、それも10人以上が拳銃を持ってる中に、ノコノコ入って行きゃ、捕まるだろ…。万が一が有っても、お前の主人…。黒沢が仲間を置いて、逃げると思うか?」
 西の正確な分析に、由香は反抗出来ず、顔を青くする。
「ひ、卑怯者! 騙したのね!」
 恵美が蒼白の顔で、西に言うと
「騙した? 失礼な奴だな…。お前見てただろ? 俺は、言われた通りに電話して、約束を守って誰にも言わなかった。どこら辺に騙しが入ってんだ? 強いて言えば、[言わなかった]それだけだぜ」
 西が薄笑いを浮かべ、恵美に告げる。

 西の言葉を聞いた直美が、蒼白から真っ赤に表情を変え、西に黒沢から預かった携帯電話を投げつけると
「貴方のその言葉。[言わなかった]は、[嘘を吐いた]と同義語です。この借りは、キッと主が返しに来るでしょう」
 そう言い切って、用務員室を後にする。
 直美が出て行くと、由香と恵美もその後に続く。
 その背中に、西の高笑いが響いた。
 3人は用務員室を飛び出すと、計画首謀者の狂の元へと走る。

 西は3人をニヤニヤ薄笑いを浮かべ見送ると、携帯電話を開く。
 西がコールすると直ぐに、相手が通話口に出て
「もしもし、西です…。思ったより、大物が罠に入りました」
 報告を始める。
『ああ、聞いてる。教師のトップ3が、餌に食いついたそうだな…』
 伸一郎が西の携帯に嬉しそうに呟くと
「はい、これで学校内の反抗勢力も、弱体化すると思います」
 西が楽しそうに告げる。

 西の言葉を聞いた、伸一郎は
『良し、これから一気に教師達の反抗の芽を潰せ! そうじゃな、3人の教師が管理していた奴隷教師は、今日のパーティーが終わり次第、誰でもが使役出来る首輪無しと同じ扱いにしろ、お前や生徒全員の慰み者にしてやれ。
儂に逆らえばどうなるか、晒し者にしろ!』
 西に指示を出す。
 西はニンマリと微笑み
「はい、解りました。女に生まれてきた事を、後悔させてやりますよ…」
 伸一郎に言うと
『月曜日から、顧客が視察に行く、失礼の無いようにな…。ちゃんと、味見もさせろ。顧客を失望させるなよ…』
 伸一郎は西に命じた。
 西は伸一郎に丁寧に返事を返し、携帯電話を切ると
「へへへへっ、面白くなって来やがった。目の上のタンコブも消えて、これからはやりたい放題だ…」
 ほくそ笑んで呟き、家畜生徒に向き直る。

 一方狂を探しに行った、3人の奴隷教師は旧生徒会室の扉を叩き、狂を呼び出す。
 4人は場所を剣道場に移動させ、状況を狂に説明する。
「ちっ! あの、4人が捕まっちまったか…。こりゃそうとうやべぇな…」
 狂が状況を聞くと、ボソリと呟く。
 狂の反応を見た、3人の奴隷教師は、途端に不安になりオロオロとし始めると
「これからどうすれば、宜しいでしょうか…。ご主人様達は、どうなるのでしょうか…」
 直美が泣きそうな顔で、狂に問い掛ける。

 狂は頭をボリボリと掻きながら
「う〜ん、大貫先生は多分死ぬ事はないと思う…。何にはともあれ、女で美人だからな…。だが、後の2人は、断言出来ない…」
 3人に告げると、由香と恵美の顔が蒼白に変わった。
 ガクガクと振るえ始める、2人に
「真さんも含めた3人…、下手に抵抗しなけりゃ良いんだが…。あの3人の性格から言って…、余りそれも望めねぇ…」
 狂が呟くと、2人は狂の身体に縋り付き
「どう! どうすれば、良いんですか? ご主人様をどうすれば、助けられるんですか!」
 必死の顔で問い掛けてくる。

 狂は真剣な表情で、黙り込み
「理事長…。不本意だが、あいつに頼み込むしかねぇか…」
 ボソリと呟く。
 2人は顔を見合わせて、頷き合うと
「今日のパーティーで私達が頼んでみます!」
 狂に告げると
「ああ、お前達の為にも、今日のパーティーは理事長に媚びを売っとけ。黒沢先生と山孝先生、黒首輪が4人ずつ、赤首輪が3人ずつ居るだろ。大貫先生の7人もそうだ。これは、お前達21人の死活問題にも成ってくる。誰かに頼んで、今日のパーティーに紛れ込んで、懇願してみろ…」
 3人に問題の解決を丸投げする。

 本来の狂に取っては、有り得ない反応であるが、パニック気味になった3人は、それに気付かなかった。
「おう、用務員の西は、この件に一枚噛んでたな? あいつを抱き込むのも1つの手だぞ…。あいつなら理事長に直接話が出来る」
 狂は3人に告げると、さっさと剣道場を後にする。
 奴隷教師達は、3人顔をつきあわせ、お互いの管理者に服従する同志達を呼び集めた。
 18人の奴隷教師が、剣道場に集まり、3人の話を聞いて顔を蒼白にする。
 21人の奴隷教師は、お互いを慰め合い励まし合って、今後の事を相談した。
 結論は直ぐに出て、今日のパーティー参加予定者、4人を除く17人が、全員パーティーに参加出来るよう、西に懇願する事に決まる。

■つづき

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