夢魔
MIN:作

■ 第32章 崩壊56

 この女教師達は連帯責任を負わされている為、その巻き取りは全ての女教師に行われた。
 そして、センサーが誰に働いているか、当の女教師達からは見えない。
 何故ならセンサーが働いているランプは、T字バーの真ん中に付いているからだ。
 センサーの入れ替わりは、10分でランダムに変わる。
 つまり女教師達は、中腰のままで足を開き、常にオ○ンコを10sの力で締め付けなければ成らないのだ。
 ランプが変わると、女教師達のリングギャグを咥えた口から悲鳴が上がる。
 全員の乳房が真上に引かれていた。
 誰かが締めすぎているのだが、女教師達はそれが判らない。

 女教師達の顔は、疲労と痛みで朦朧としている。
 その上リングギャグを咥えている為、喉の渇きも酷い物だった。
「さあ、お客様。この地獄の苦しみから、彼女達を解放して上げて下さい。それが出来るのは、ゲストの方だけです」
 キサラが女教師達の受けている責めの内容を告げ、ゲスト達を誘うとゲスト達は皆グラスを片手に、センターテーブルに進む。

 柏木がセンターテーブルに着くと、目の前の女教師に問い掛ける。
「ん? どうした、そんな眼をして…? 俺に責められたいのか?」
 柏木の質問に、女教師は眼で頷き
「おへはいひまふ」
 掠れた声で、哀願した。
 柏木はニンマリと微笑むと、内ポケットから銀色のカンペンケースのような物を取り出し、蓋を開け中身を確認しながら
「俺の責めは、半端じゃないぞ…。これに耐えられたら、考えてやる…」
 そう言って女教師の舌を伸ばし、カンペンケースから取り出した物を、突き立てた。

 ヒュンと女教師の目の前を、銀色に光物が過ぎり、女教師の舌に激痛が走る。
 柏木は女教師の舌を、首枷に手術用のメスで縫いつけた。
 しかも、柏木は刃先を外に向けて刺し、女教師が舌を引くと、真っ二つに成るように刺したのだ。
 女教師はそれを理解したが、思わず舌を引いてしまう。
 何故なら女教師は現在センサーが働く1人で、その傷みの為身体に力を入れてしまい、オ○ンコを締めすぎた。
 途端に女教師全員の乳房が引っ張られ、あちこちで苦悶の悲鳴が上がる。
 メスを刺された女教師は、あまりの痛みに舌を引き、自分の舌を真っ二つにした。
 柏木は哄笑を上げメスを片付けると、別の女教師にちょっかいをかけ始める。
 柏木は、最初から今の女教師を、相手にするつもりなど無かったのだ。
 ただ、メスを刺して遊んでみたかっただけだった。
 柏木はグラスを片手に、別の1辺に向かう。

 柏木の行動を見て、ゲスト達に狂気が宿り始める。
[何をしても構わない]その、今日の売りがゲスト全員の脳裏に浮かぶ。
 男達はそれぞれ、好みの女教師をテーブルから外し、自分の思い思いの場所に連れて行く。
 三角木馬、貼り付け台、拘束椅子、クレーン、水槽、それぞれが思い思いの場所で、道具を吟味する。
 今日このサロンに出ている責め具は、皆赤いラインが2本から3本付いている。
 どれも、庵の作った特殊な責め具で、効果は絶大だ。
 状況は本当に死人が出ても、おかしくは無かった。

 キサラはそんな中、ジッと回りを観察し
(う〜ん…、もうそろそろ頃合いかしら…。でも、あの医者邪魔ね…バレ無いように薄目にするかな…)
 腹を決めスッと奥に下がる。
 奥に下がったキサラは、直ぐに[備品]の半分を呼び出し
「はい、みんなよくお聞き。ここからは、成るべくゲストに飲ませるんだよ。新しいお酒を最低3杯は飲ませて」
 新たなボトルを少女達に与えた。
[備品]の少女達はここに来る前、自分達の監督官に[キサラの指示に従え]と命令されている。
[上手に出来ればご褒美だ]と少女達の脳裏に甘い餌が舞い踊り、少女達は俄然やる気を出した。
 キサラは[備品]少女を呼ぶと、同じ事を言いながら、新しいボトルを少女達に与える。
(準備は整った、もう後には引けないわ…)
 キサラはサロンに戻り、状況を見守った。

 キサラがサロンに戻ると、柏木の姿が見えない。
 訝しんだキサラがその姿を探すと、柏木はサロンの隅で携帯電話に出ていた。
「はっ…、はい…、解りました、直ぐに向かいます」
 柏木は携帯電話片手に、ペコペコと頭を下げると、通話を切って急ぎ足に、エレベーターに向かう。
 キサラはその後をスルスルと追い掛け
「あら、柏木様。どうかされまして?」
 柏木に問い掛けると
「ああ、急用が入った。今日はこれで帰る…」
 苦虫を噛み潰したような表情で、キサラに答えた。
(ラッキ〜! こいつが居なかったら、絶対あの薬に気付く者は居ないわ。これぞ天の配剤ね。日頃の善行のお陰だわ〜)
 内心満面の笑みを浮かべ、残念そうな顔で柏木を送り出すキサラ。
 時刻は21:50パーティーが始まって2時間が過ぎようとしていた。

◆◆◆◆◆

 病院内に入った庵は、ナースセンターに向かうと看護士を捕まえ
「悪いが、森川梓さんを探してるんだが…」
 低い声で問い掛けた。
 看護士は庵の姿を見て、梓の名前を聞き顔面を蒼白にすると、[きゃーーーっ]大声で悲鳴を上げ、警報ボタンを押し、ナースステーションのカウンターの中にしゃがみ込んだ。
 庵はあまりの突飛な反応に、目が点に成って固まる。
 すると、ドカドカと足音を鳴らし、5人の警備員が3方向から現れた。

 警備員は興奮で顔を真っ赤にして、庵を取り囲み
「お前か! 不審者というのは!」
 庵を問いつめる。
 庵は何の事だか全く解らなかったが、婦長が西に脅された事を警備員に訴え、[不審者がまた来るかも知れない]と警戒を強めるよう連絡していた。
 この看護士はその話を聞いており、庵の事を完全に[不審者]だと思い込み、悲鳴を上げて警報を鳴らした。
 庵は溝口こそ知っているモノの、この病院では面識の有る者は全く居らず、事情を話しても聞く耳すら持たれず、暴れる訳にも行かなかった為、只捕まるしかなかった。
 庵が溜め息を吐きながら、警備員に捕まっていると、直ぐに警察が駆けつけ、庵を搬送して行った。
 時刻は21:40、庵は梓達が事情聴取を受けている警察署に、警官に引き連れられて行った。

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