夢魔
MIN:作

■ 第32章 崩壊77

 稔はマンション奴隷と合流すると、ホテルに移動を開始した。
 その身1つの移動だが、質素な生活を強要されていた彼女達にとって、必要な荷物など全く無かった。
 ホテルに着いたマンション奴隷達は、自分の家族を見つけ、目を見開いて涙し、再会を喜び合う。
 稔がホテルに着くとほぼ同時に、純が現れた。
「お〜…、こうやってみると、やっぱり多いな。40世帯207人か…」
 純はその数に頷きながら、ロビーを埋め尽くし、抱き合う人々を見渡す。
「ええ、ですが可成りの犠牲者も出ているようでした…。22世帯80人程が、既に消息を絶っています」
 稔が純の横に立ち、静かに告げると
「けっ、実数はその倍以上だ…この市の、行方不明者の数は、ここ10年で大都市並みに跳ね上がってる。その殆どが、あの爺の仕業だ…」
 純は顔を歪めながら、稔に答えた。

 純は俯き、一度溜め息を吐くと顔を上げ、パンパンと手を叩きながら、被害者の集団に近付き
「ほいほい、再会を喜び合うのは、もう少し後にしてくれ」
 今後の計画を説明する。
 純の説明には、3つの内容が有った。
 1つはこのホテル内の生活は、基本的に共同生活で、掃除・洗濯・食事等は、全て自前でする事。
 もう1つは、このホテルの敷地内から、絶対に出ない事。
 そして、最後の1つは社員配当されている、全ての有価証券の白紙委任状を提出することだった。
 全員がその事は、事前に知らされていた為、混乱する事も無く指示に従う。
 それぞれが白紙委任状を提出すると、与えられた部屋に向かった。
 純は白紙委任状を受け取ると
「タップリと稼いでやるからな…」
 ボソリと呟き、踵を返す。
 その後ろに、稔と庵が続き3人はホテルを後にする。

◆◆◆◆◆

 明日香は純と別れて、帰ってくると、直ぐに佐山に呼び出された。
 佐山の部屋に着くと、佐山は明日香に洋服を脱ぐよう命じる。
 明日香は佐山の命令どおり、全裸に成りその姿を佐山に晒す。
 純の緊縛により、うっすらと縄目の残る裸身を見ながら
「あの小僧にいたぶられて、気持ち良かったか?」
 明日香のブラウスを拾い上げ、ポケットからメモリースティックを取り出し、いやらしい笑いを浮かべ問い掛ける。
「あ…、はい…。恥ずかしくて…、凄く…感じました…」
 明日香は頬を染めながら、佐山に報告した。
「しかし、あの小僧良くこれを渡したな…。[ワクチンプログラム]って、言ってたな…。」
 佐山は明日香の報告を無視しながら、メモリースティックを手で弄ぶ。

 佐山はメモリースティックを見ながら、机の上に置いてあった、極太のバイブを手に取った。
 それは、直径8p程で無数の突起と蠕動ビーズが付いた、凶悪な物だった。
「お前には、ご褒美をやろう…。そこでオナニーしながら、報告しろ。感度は5倍からだ、1回イク毎に感度を1倍ずつ上げろ」
 佐山は明日香の目の前に、極太のバイブを放り投げ命じる。
 明日香は返事をすると、足を大きく開いて股間を晒し、無造作に足下のバイブを咥え込む。
「報告します」
 明日香は佐山に向かって、オナニーをしながら、純の作った偽調教の報告を始めた。

 佐山は盗聴器を使い、その調教内容を知っていたから、その内容などどうでも良かった。
 ただ、明日香を嬲りたかっただけだ。
 明日香もそれを熟知しており、佐山の目と耳を楽しませる為、様々な淫語を使い惨めな自分の姿を報告する。
 明日香の身体は、何度も絶頂を迎え、感度を上げた状態でオナニーした。
 だが、そのオナニーは身体の快感だけで、心まで満たされない。
 それどころか、ドンドン心が渇いて行った。
(あの方の快感が…、上塗りされる…。こんな下らない、性感に…あの方が与えてくれた物が…穢されて行く…)
 明日香は純のSEXにより得た官能が、佐山の下らない遊びで、穢されて行くのが堪らなく悲しくなり、涙が溢れ出す。
 佐山はそんな明日香の反応を、ニヤニヤと笑いながら見ていた。

 そんな、報告を2時間させられた明日香は、やっとの事で佐山から解放される。
 連続で数十回アクメを迎えさせられた明日香は、ボロボロの状態だった。
 全身の性感は、剥き出し状態のように鋭敏に成り、風が触れただけで快感を感じる。
 そんな状態を佐山は、明日香に保持させながら、職務に戻る事を命じた。
 明日香はオナニーの後片付けをすると、一礼して佐山の部屋から出て行く。
 歯を食いしばり、必死な顔で明日香は自室に戻り、メイド服に着替える。
 ファミリアに戻った明日香は、直ぐに隠して有った、荷物を探すがそれは何処にも無かった。
 愕然とする明日香は、その場に泣き崩れる。
(お、お終いだわ…。私が、報告している間に、誰かが点検に来たんだ…。あれが、誰かに奪われたなんて…)
 竹内家の車は、不定期的に警備の者が点検を行い、盗聴などに備えていた。
 明日香はこの2時間の間に、その点検が行われた事を知った。

 暫く愕然としていた、明日香の脳裏に有る不審な点が浮かぶ。
(あ、あれ…。この車から見つけられたのに、誰も私を詰問しに来ない…。有り得ないわ、警備に見付かったなら、直ぐに私が捕まる筈なのに…)
 明日香は不審な点に気付くと、直ぐに立ち上がる。
 性感の感度が上がった身体は、衣擦れの感触でも十分に快感を与えるのだが、今の明日香はそれどころでは無かった。
(先ず、現物が警備室に有るか、それを確認しなきゃ…)
 明日香は快感で、真っ赤になる顔を引き締め、キッチンに向かいティーセットを持って、警備室に行く。

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