息子、有貴は私だけのモノ
riko:作
■ 13
有貴が6年生になると、タイミングよく夫の聡一は家から通勤できる支店に配属になった。
そして何事もなく、時は過ぎ有貴は中学2年生になっていた。
ようやく、家に帰れた聡一には、また転勤が待っていて、地方での単身赴任生活を再びしなければならなかった。
有貴の背は由美を遥かに超えるぐらいに伸び、顔つきも男らしくなり、たまに由美がドキリとするような表情を覗かせることもあった。
ある日、由美が買い物から帰ると、有貴のスニーカーの横に女の子の物と思われる靴が並んでいた。
有君帰っているんだわ。ガールフレンド連れて来ているのかしら?
有貴が家に女の子を連れてくるのは初めてのことだ。
買ってきた物を、キッチンのテーブルに置くと、様子を伺うように忍び足で有貴の部屋の前に行った。
ドアに耳を当てる。
「有貴ってキスしたことある?」
「ないよ」
「私はあるよ」
なんて会話してるの!?
「じゃあ、エッチもまだなんだ?」
「君はしたことあるの?」
「あるよ」
「そうなの?」
「うん」
一瞬、静まり返る部屋。
「有貴赤くなってる。キスぐらいで赤くなるなんて、まだ子供ね」
有貴がキスをされた?
私に有貴に何するのよ!
由美は激しい嫉妬を感じた。
どうして、この子は有貴を呼び捨てにしてるの?!
このままでは、有貴は何をされるか分からない!
焦る由美。
「有貴のアソコ大きくなってる」
「なってなんかいないよ」
「これでも?」
「あっ! やめろよ!」
「大きくなってるじゃない! ウソつき」
このままではいけないと思いながら、立ちすくむ由美だった。
頭を振り、考えを巡らせた。
忍び足で1階に降りて、再度階段を上がった。
「有君、お友達が来てるの?」と、大きな声で言いながら。
「うん」
「開けるわよ」と、声をかけてドアを開けた。
「同じクラスの田中さんだよ」
「今日は」
「いらっしゃい。今日は」
制服で半そでのブラウスシャツから、まだ成熟途中の胸の膨らみが見えそうなほど少女は胸元ははだけていた。
なんて子なの?
イヤらしい!
こんな子に有君を誘惑されてたまるものですか!
「安藤君、ありがと。よく分かったから私帰るね」
「うん。明日学校でね」
「うん。じゃ、おばさんお邪魔しました」
「あら、今ジュースでもお持ちしようと思ったのに」
心にもないことを言う由美。
若さをアピールする「おばさん」と、いう言葉に棘があるような気がする由美であった。
めらめらと燃える嫉妬心。
「さようなら」と、少女は帰って行った。
「有君何なの? あの子」
「何が?」
「あんなにシャツのボタン外して、今にもおっぱい見えそうだったじゃない。まさかお付き合いしてるなんて言うんじゃないでしょうね?」
「付き合ってなんかいないよ。宿題で分からないところがあるから教えて欲しいって言うから」
「なんな子はダメよ。有君とは吊り合わないわ」
「ママは酷いこというんだね」
「大事な有君だもの」
「僕は大事になんてされてないよ。ママが大事なのはパパでしょ?」
「そんなことないわよ」
「分かったから、出て行って。宿題が残ってるんだ」
「はいはい」と、1階に降りた由美だったが、キスをされてズボン越しでもペ○スを触られた有貴がオナニーをしないとは考えられず、また、足音を忍ばせて有貴の部屋の前に立ち耳をドアに押し当てた。
「あぁ〜〜〜」と、有貴の小さな切ない声が聞こえた。
やっぱり……。
このままでは、あの少女に誘惑されてしまう。
私だけの有なのに。。
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