縄奴隷 あづみ
羽佐間 修:作

■ 第6章「大阪出張」1

−大阪日帰り出張−

ここ数日陽子の様子がおかしい。
最初は、看病疲れかと思っていたが、どうもそれだけではない気がする。
真っ赤な顔をして身体を震わせているので、熱があるのかと心配して声をかけた事が何度かある。
つい先ほども、陽子が床につまづき、拍子に椅子に勢いよく尻餅をついた時、身体をそらし、身体を小刻みに痙攣させながら漏らした声は、”あの時の声”のように思えて仕方がない。
顔を伏せ、髪の毛の隙間から見える横顔は、快感を訴える表情に見える。
―まさか… 私が★調教氏にされたみたいなイヤらしい事を!?

病気かもしれないし、一度病院で診察を受けるように勧めてみたが、陽子は一笑に付し、大丈夫ですよ!ととりあわない。
今までは、あづみの仕事終わりを待って、色々話しながら帰ることが多かったのに、今日もそそくさと帰ってしまった。
『どうしちゃったのかしら…陽子ちゃん…』

スタッフルームのドアが開いて秘書の横田が入ってきた。
「遅くなりました。麻木先生」
横田が、明日の大阪出張の新幹線チケットを差し出した。
「申し訳ありませんが、やはり明日は、県庁に行かなければならないので、大阪へはご一緒できません。」と横田が言った。
「あら^^ 大阪への日帰りですもの、別にどうってことないわ^^ 気にしないでね^^」

「すみません。明朝は、博多(07:17)発の新幹線のぞみ6号ですから、6:45にマンションまでお迎えにあがります。 ちょっと早起きですが、よろしくお願いします。」
「はい^^ 申し訳ないですけど、よろしくね^^」

「それと、麻木先生…」
横田が、あづみに報告があると、言いにくそうにいった。

「どうしたの? 横田さん?^^」

何かと思えば、陽子と付き合い始めたと言う。
「まぁ、ホントなの!^^ いつからなの? 横田さん^^」
「は、はい。 ほんの1週間前からです^^; 陽子ちゃんの信頼厚い先生には、ちゃんとお許しを頂いておかないとと思ってました。」

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