三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第三章 女子寮で……11

 僕たちの服…どこに埋もれてしまったのだろう??
 服がないと、この寮からどうやって出たらいいのか??
「すすむ…服が無い…これじゃあ帰れない…」
「よかった。カバンはあるぞ。ズボンは入っている」
 すすむが、脱衣所の外を見て言った。
「ズボンだけあっても…」
 確かにズボンだけ穿いて、帰れないわけではない。でも、ここにトランクスとか、残していくのか…

「まあ、朝になったら、自然に出てくるだろ」
 朝…こいつ泊まっていくつもりなのか? そんなこと許されるのか?? 女子寮だぞ!
「泊まるつもりなのか?」
「こういう世界だ。女の子達だって泊まってほしいと思うぞ…そんなに気になるなら、籠をひっくり返して探してみるか?」
「籠…」
 籠の中は、男のものももちろんあるが、もちろん、女子のものがたくさん入っている。脱いだパンティーとか…ほら、今も目の前で裸になってパンティーを籠に放り込んだ女子がいる…これは、触れるにはちょっと躊躇する…まわりにもなんて思われるか…

 そのとき、空の籠を置いて、いっぱいの籠を両手に持ち上げ、持って出て行く女子がいた。もちろん、全裸だ。
「あ、あの…この籠って、どっか持っていくのですか」
 僕は思い切ってその子に聞いた。
「えっ? もちろんうちのユニットに持って行きますよ」
 その子は立ち止まって答えた。
「ユニット…に持って、いくんですか? …実は、まだここの仕組み、あんまりよく分かってなくて…」
 寮の“ユニット”という言葉も初耳だ。これまで、あいかやしほから、寮の中のことを聞いたことはほとんどなかった。僕は、なるべく不自然にならないように聞いた。
「初めて来た時、説明受けなかったんですか…ここは、お風呂入るときに、来ていた服はユニットごとの籠に入れます。その籠を、ユニットの当番が持っていくんですよ。わざわざ自分で服を持っていく必要ないように」
「君はどこのユニットなの?」
 すすむは、まるでナンパでもするかのような口調で聞いた。
「ヨンエヌイーですよ。」
 確かに、その籠には「4NE」と書いてあった。この記号が“ユニット”を表すのか。
「あ、あの、籠からこぼれたりとか、入ってなかった服は、どこに行くのですか?」
 その子はちょっと考えたようだった。
「一応、受付で預かるルールです」
「受付ですか。ありがとうございます」
 僕は頭を下げた。その女子は籠を持って去っていった。

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