三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第三章 女子寮で……12

 僕とすすむは、人につまづかないように気をつけながら、受付へと急いだ。
 受付には、今は全裸の女子一人だけが座っていた。肩までの髪、色白の、美人。なのだが、ちょっと、近寄りがたいような雰囲気がある人だった。
「あの…」
 僕はおずおずと言った。
「何?」
 向こうは、僕を知っている、そして向こうの方が立場は上、のような雰囲気が感じられた。
「あの…服、届いてないでしょうか? 風呂で、籠に入れなかったら、ここに届くと聞いて…」
 ただでさえ近づきがたい雰囲気だったのが、その女性はさらに機嫌を悪くしたようだった。
「ルールは知ってるでしょ。脱いだ服は籠へ」
 怖い目をしながらも、その女性は、僕たちの服を出してくれた。
「あっ、それ、僕たちのです。ありがとうございます」
 僕とすすむは、手を伸ばして服を取ろうとした。しかし、その女性はさっ、と手でさえぎった。
「君たち、どこのユニット?」
 僕は、一歩退いた。
「え…どこのユニット、って…」
 僕たちここに住んでいる、訳ではない、よなぁ…女子寮だし…
「ここに入れるのは、正規の寮生、実質寮生、または寮生に招待された人だけ。君たちのユニット名は! 答えられないなら不法侵入者なの?」
 汗が出てきた。冷や汗。いくら全裸の女性の前でも、もちろん棒が立つどころではない。
「えぇ、俺たちは、招待されまして…」
 すすむは、あいかとしほのフルネームを言った。
 その女性は表情を変えなかった。
「確かに正規寮生の名前ね。でも寮生の名前だったら、ちょっと知ってればだれでも言えるわよ。あいかとしほのユニットは? 招待されたんだったら、そのくらい知ってるでしょ」
 僕も、すすむも、汗を流しながら凍りついた。
「言えないなら、すぐその格好で退去しなさい!」

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