三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第三章 女子寮で……16

 受付の人が全裸なのも疑問に思ったけど、そのあと風呂で自然に脱いだから疑問に思ったことを忘れていた。
 改めて…なんで裸…??

 僕は思い切って聞いてみた。
「ねえ、ゆみさん…」
「どうしたんですか? いつも“ゆみ”なのに」
 ゆみは不思議そうに、しかし調子を変えずに聞いた。
「いや…ちょっと…  ねぇ、ここって……服を着ない規則とかあったっけ?」

 ゆみは、きょとんとした。一瞬場が凍ったような気がした。

「…じゃあ、まさるさん、風邪ひいてないのにマスクとかしますか?」
「…うーん」
 ここではそういうたとえが成り立つのか…
「…しない…」
「何で、生理でもないのに、公共の場所でもないのに、冬でもないのに、わざわざ服なんて着る必要あるんですか? 触れ合いたいときに、わざわざ脱いで…なんて、昔みたいな…面倒じゃないですかぁ」
 そう言ってゆみは笑った。
「そうだよね。あはははは…」
 僕も、ごまかして笑った。
 そういえば、午前中の保健センターでも、半分似たような会話を同じ学科の奴としたっけ…
 でも、あの時は、まだ下は穿いていた…

 2階で、階段を出た。
 目の前にこんな看板があった。
「【2階】  ←東棟(2NE・2SE) 西棟(2NW・2SW)→」

 これで、2SEが、やっと分かった。
 2SEっていうのは、東棟 2階…多分南側、ってことだったんだな。

 僕たちは、手をつないで、左へ曲がり、突き当りを右へ曲がった。そして、上に「2SE」とかかれたガラスの扉の前に来た。ゆみが僕の左手から手を離して、扉を引いた。

 僕たちは扉の中に入った。

 右側に6つの部屋の入り口のドアがあった。それぞれに表札代わりなのか、紙が張ってあった。
一番手前のドアには「ゆみと まきの しんしつ」のようなことが手書きで書いてあった。

 左側には、3つの入り口。
 一番手前は、ドアは無く、暗かったが、洗濯機と、“脱衣所”でみたような籠が見えた。
 次は、普通のドア。
 一番奥はまたドアが無く、テーブルやいくつかの椅子やテレビがちょっと見えた。

 ゆみは、右の手前から2番目のドア「ゆみと まきの べんきょうべや」の前に鞄を置いて、左側のドアを開けた。
「ちょっとトイレ行ってきます」
 水を流す音が聞こえてきた。見るつもりではなかったが、なんとなく中を見た。このトイレは、いくつか個室があるタイプではなく、ドアを開けるとすぐ一つの洋式便器がある、という方式だった。

 …トイレの説明なんてどうでもいい。便器の上には、ちょっと腰を浮かせた、あいかが!

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