三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第三章 女子寮で……22

 銭湯…?!
 歩いて数分の、僕もよく行っていたところかな?
 でも、この世界の銭湯って、どうなっているんだろう??

「ゆみさん、何でわざわざ、ばらばらにお風呂入るんですか? まき、早く入れたいですよ」
 まきは、そういって僕に抱きつき、キスし、棒を握った。
「えっ?まきちゃん、最近銭湯に行ったことないの?」
 ゆみは不思議そうに聞いた。
「えぇ、何とかここのお風呂入ってましたし」
「最近は、男湯に女、は結構入れるようになってるから一緒に入れるよ。10歳以上混浴禁止、とかの掲示は昔のままだけど」
「そうなんですか…じゃあ行ってみますか」
 不満げだったまきだが、ちょっと顔をあげて、笑顔になった。
「まきちゃん“男湯”と聞いて乗り気になった?」
「そんなことないですよぉ」
 こんな風に、僕たちは銭湯に行く流れになった。

「じゃあ、ユニットに戻りましょう。服を着に」
 ゆみは言った。僕たちはまた触り合いながらユニットに戻った。
 
「ゆ、ゆみさ〜ん! 起きたらいないから、心細かったよ…」
「あつし君、起きたの、もう大丈夫?」
 僕たちがユニットに戻ると、酔いつぶれていたあつしがゆみの声を聞いて、談話室から飛び出してきた。そしてゆみに抱きつき、そのまま押し倒した。
 ゆみはちょっと抵抗した。
「ちょっと待ってよ、あつし君、あたし汗臭いよ。汗臭いのは学科でだけで十分でしょう………これから銭湯に行くけど、一緒に行く?」
「う、うん」
「じゃあ、服を着てね」
 ゆみはそういって、のしかかっていたあつしの肩を持ち上げた。あつしは、何となく納得いかないような顔でゆるゆると立ち上がった。

 僕は、廊下にかばんと一緒に放置していたTシャツを着て、トランクス、Gパンを穿いた。ゆみとまきは、洗濯物のなかから自分の穿きかけのパンティーを探して、穿いて、上はブラウスを着た。あつしは、本人のと思われるかばんと一緒に無造作に置いてあった服を着た。

「やっぱりお風呂混んでたので、銭湯に行ってきます」
「あ、ゆみちゃん…いってらっしゃい…あん、あぁん…」
 ゆみの言葉に対し、しほは引き続き喘ぎながら言った。
 組み合わせはさっきと変わり、あいかはのぶと、しほはすすむと絡んでいた。
“あいかさん、一緒に銭湯行かない?”
 一瞬、そう言って誘おうかと思った。でも行為に夢中のあいかには、それは言えなかった。

 銭湯…いつもの持ち物を、ふと思い出した。
「あ、せっけんとか、バスタオルとか、アパート戻って取ってくるよ」
「大丈夫ですよ。あたしのを貸します。あ、でも小さいタオルくらいはありますよね」

 幸い、小さいタオルはかばんの中にあったので、僕はそれを持った。

 僕たち4人は、寮を出た。もうすっかり夜だった。
 ゆみが先頭、次に僕、そしてゆみのうしろにあつし、僕のうしろにまきが、つかまるような感じで歩いた。

 銭湯は歩いて数分、やはり僕が普段通っているところだった。番台でなくフロントのようになっている以外、ごくごく普通の銭湯だ。
 4人はそれぞれ自販機で入浴券を買い、フロントに出した。
 ゆみとまきが男湯に向かうときは、フロントのおやじは、わざと目をそらした。
 “黙認”というようなことなのだろう。

 そしてゆみ、あつし、僕は男湯の脱衣所に入った。まきは、暖簾の前でちょっと立ち止まったが、ゆみの「まきちゃん、何してるの?」という言葉に導かれ、思い切って暖簾をくぐってきた。
 ほとんど、きのうまでと変わらない風景。比較的年配の男性が多い。しかし、僕たちより数歳上と思われる女性が一人、男性といま風呂から出てきたところだった。当然、どこをタオルで隠すわけでなく。

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