三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第三章 女子寮で……23
「まきちゃん、ねっ、何も言われなかったでしょう」
ゆみが不安そうだったまきに向かって笑顔で言った。
「そうですねぇ。どきどきしちゃいましたよ。大学内とか、誰かのアパートとか以外で男性用のところ入るの初めてだったんで…ゆみさん、たとえば、まさるさんとかが、まきたちと女湯に行くのもいいんですか?」
“女湯”と聞いて、一瞬どきっとした。まあ、女子寮で入ったのは“女湯”だけど、銭湯の女湯に興味がないといえばうそになる。
ゆみはパンティーを脱ぎながらちょっと首をひねった。
いつも行く銭湯で女子がパンティーを脱いでいる…さっき服を着たあたりから僕の棒は静かだったが、再び血液が流れ込むのを感じた。
ゆみは声を落として言った。
「それはやめた方がいいと思う。まだ頭の古いオバサンいるから、通報されちゃうかもしれないよ…その点、男湯なら」
ゆみ、ここでさらに声を落とし、
「いくら年配の方でも基本的に裸の女性が入ったらうれしい」
一同、声を落として笑った。
年をとった人は、やっぱり、元の世界に比較的近い反応をするんだな、と僕は思った。
服装に対する学科の教授の反応でも思ったけど、年をとった人ほど、悪魔さんとの契約の力があまり及んでいないのかもしれなかった。
悪魔さんの力がそこまで強くないのか、あるいは、年取った人の裸やセックスなどを見なくて済むように、悪魔さんのサービスなのか、それはわからない。
「あ〜、ゆったり入れる!」
ふたたびすっかり脱いだゆみは率先してガラス戸をあけ、男湯の浴室に入って行った。中の多くの男性は、ちらっとは見たが、それだけで、別に驚きは見せなかった。まあ、さっき出た女性がいるし、今もゆみの前に一人女性が入っているし、男湯に女性が入ってくるのは、少ないけど当り前の風景になっているようだ。
僕たちも続いて入って行った。
幸い、4人並んで座れる分の洗い場はあいていた。僕たちは、汗とか、液とかをお互い洗い合った。
そして、4人一緒に湯船にはいった。寮の混んだ風呂とは違って、十分に手足を伸ばせる。僕は、そして横を見るとゆみも、思いきり手足を伸ばした。
「ゆ、ゆみさん…」
あつしは、ゆみの隣からゆみの向かいに移り、抱きよせて、キスしようとした。
「まさるさん、潜望鏡しましょうか?」
まきが、僕の両足を広げて、間に入ってきた。
湯船に入ってちょっと落ち着いていた僕の棒は、再び上を向いてきた。
「ちょっと、ちょっと」
ゆみが小声で言った。
「いくら裸でも、ここは公衆浴場なのよ、公共の場所。帰ってからの方がいいよ」
確かに、まわりを見ると、男女で来ている人もせいぜい洗い合っている程度で、それ以上のことはしていなかった。
あつしはそれでもゆみから離れなかった。
「ぼ、ぼ、僕、もうで、で、出ちゃいそうだよ」
あつしは立ち上がって、目一杯に血液が流れ込んだ自らの棒をゆみの目の前に示した。
「あつし君…じゃあ、帰ろう。帰ったらすぐ入れさせてあげるよ…」
それでもあつし君は引かなかった。
「あ、あ、あそこなら、いい?」
あつしは、ガラス張りの浴室から見える脱衣所のトイレを指差した。
ゆみはあきれ顔になった。
「…しょうがないなあ…ここで出されるよりは、ましか…まったく…」
ゆみは立ち上がり、あつしの手を引いて行った。
「まさるさん、まきちゃん、よかったら先に帰っててもらって大丈夫ですよ」
そしてゆみとあつしはトイレのドアの向こうに消えていった。
ゆみに注意されて、僕の足の間から離れて僕の隣に戻っていたまきは、僕の肩に腕をからませた。
「まきたちも、そろそろいきましょうよぉ」
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