三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第三章 女子寮で……26

 じゅんこは、「しょうがないわねぇ、しほがそんなにいうなら付き合ってあげるよ」のような内容のことを言ってドアから出てきたが、顔は笑顔だった。
 でも“最後につながる”って、何をするんだろう??

「9人だし、やっぱり廊下かな」
「そうね」
 僕と抱き合っていたあいかが腕を解いて、しほに聞き、しほがそう答えた。

 その声と共に、みな廊下へと動き出した。
「まさる君、行こ」
 あいかが、よくわからずぼーっとしていた僕の手を引いて廊下に向かった。

 僕とあいかが廊下に出たころには、ゆみ、あつし以外の他の5人はすでにそこにいた。ゆみは僕の後ろから、あつしはゆみのうしろから、最後に廊下に出てきた。
 見ていると、入口の方に移動していた のぶ、まきが何かちょっと話したあと、のぶが仰向けになって、足を拡げた。その足の間に、まきが四つん這いになり、堅くなっているのぶの棒を口に入れた。

「ねぇ…私が舐めていい?」
 まだ手をつないでいたあいかが、つないでいない方の手で僕の棒を握って言った。しぼんでいた僕の棒には再び血液が流れ込んだ。
「え…うん…もちろん」
 あいかは、その手を離し、僕の肩に手を移し、引き寄せた。
 そして、小声で言った。
「あと…じゅんこさんに“舐めさせてください”って、まさる君から言ってもらっていい? じゅんこさん、多分自分から誰かに“舐めて”

とか“舐めさせて”とか言わないと思うから」
「えっ、あぁ、うん…そうするよ」

 僕のうしろにいたゆみは、僕たちの様子をみて少し移動したようだった

 “つながる”がようやく見えてきたような気がした。昔、AVで見たことがある。同じ数の男女何人かが輪っかになって互いの性器を舐め合うのを。細長い廊下だし、女子が一人多いし、で、そのまっすぐバージョンをやるんだなぁ、と思った。
 AVだったら監督が順番を決めるから簡単なんだろうが、実際にやると順番決めるときにいろいろあるんだなぁ。たとえこの世界でも。

「…じゅんこさん…」
 じゅんこさん、まだちょっと怖かった。ちょっと下を向きながら、思い切って言った。
「何?」
 じゅんこさんは厳しい声で答えた。
「…あの…舐めさせて…もらっていいですか?」
「何を?」
 僕は冷や汗をかいた。夕方の、全裸で追い出されそうになった時の雰囲気を半分思い出した。
 やっぱり、はっきり言わないといけないのだろうか…法学部だけに、あいまいな約束はダメ、ということか…

「ええと、じゅんこさんの…おま…いや、その…われ、いや、性器を…」
 さすがに先輩に下品な言葉を使うわけにはいかないだろう。いくら「お」をつけても。

 じゅんこさん、ここでようやく少し表情をゆるめてくれた。
「そう…まさる君がそんなにいうなら舐めさせてあげるよ。じゃあ、仰向けになりなさい」
 僕は一度じゅんこさんに背を向け、一、二歩歩いて、体育座りをするように座って、そしておずおずと仰向けになった。

「まさる君、もうちょっとこっちに来て、あと足開いてくれないと舐められないよ」
 あいかの声。あいかはすでに四つん這いになって、すでに股間の下には誰かがいるようだった。僕は尻を動かしてあいかの方向に向かって足を開いた。そしてあいかは僕の棒をくわえた。

 ほどなく、じゅんこさんの割れ目が僕の顔の上に覆いかぶさった。見た中では、比較的よく手入れされている方だ。やっぱりそれなりに

はセックスしているのかなあ、と思った。

 すぐに、特に合図もなく、始まった。あいかが僕の棒の先に舌を当て始めた。僕もそのすぐあと、じゅんこさんの割れ目に舌を伸ばした。
 じゅんこさん以外みな口はふさがっていて、じゅんこさんも、気持ちよくないのか、喘いでいないので、静かな中、クチュクチュ、クチュクチュとじゅんこさん以外8人の舌が奏でる音が響く。遠くからは、他のユニットからのあえぎ声も聞こえるくらいのしんとした時間だった。

 ぼくは、じゅんこさんの割れ目を舐めて、あいかさんに棒を舐めてもらって、あいかさんは見えないけど誰か(あとで、すすむだと聞いた)に割れ目を舐めてもらって…本当に「つながる」っていう感じがした…あぁ、気持ちいい……
 じゅんこさんの割れ目から、ほどなく、ぬめっとした液があふれ出した。一応、気持ち良く思ってくれているみたいだ。よかった。

 数分、そういう感じが続いたあと、僕の白濁液は、あいかの口に入っていった。そのほかの男子もだいだいこの前後くらいに液を出したようだった。

 女子は舐めていた男子が出し終わると、ゆっくり立ち上がっていった。男子も、出し終わって、舐めていた女子が立ち上がったら立ち上がったようだった。その雰囲気を察して、じゅんこさんが立ち上がった。そして最後に僕も立ち上がった。

 立ち上がった9人は、談話室から持ってきていたティッシュで股間を拭きながら、口々に「おやすみ」といい、その場の全員の異性と抱きしめ合い、ディープキスを交わした。じゅんこさん以外は口に誰かの精子とか愛液とかが入っているけどそんなことは誰も気にしなかった。



「じゃあ、今晩はこれで。ちょっとまきちゃんを借ります…アパートの連中とまきちゃん回す約束してるんですよ」
 のぶがそう言った。
「ちょっとぉ、回すなんて言わないでくださいよぉ…みんなで仲良くする、とかいろいろ言い方あるでしょ〜」
 まきは、のぶを軽くたたいた。でも笑っていた。
 そしてまきは、部屋に戻って洗濯済みのTシャツとパンティーを用意して着始めた。のぶも談話室に戻った。

 回す…仲良くする…どっちにしろ、まきは今晩さらに何人かとセックスするのか…機械工学科一年生の男女比は聞いていないが、二年生と似たり寄ったりに違いない。その学科でいっぱいやって、寮で、僕も含めて何回かやって、そのうえさらに喜んで“回され”に行く…すごいことだ、さっき、一緒に星を眺めて語った話、まさに実践しているんだなあ、と思った。


「じゃあ、あたしたちはそろそろ歯磨いて寝ようか…改めて、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
 しほのことばに連れて、あいかもそういった。僕とすすむもならってあいさつした。その場のあとの3人も返した。

 僕たち4人は入り口近くの、洗濯機がある部屋に入った。ここが洗面所だった。2人が歯を磨ける洗面台があった。
 まずあいかとしほが歯を磨き始めた。すすむは、当然のように、後ろからしほの胸を揉み始めた。僕もならって、あいかの胸を揉んだ。

 僕たちが歯を磨く番になった。当然、僕たちの歯ブラシはない。「まだ持ってきてなかったの?」とか言われたけど、僕はあいかから、すすむはしほから借りて歯を磨いた。歯を磨いている間中、あいかは僕の、しほはすすむの棒を揉んでいた。

 僕たち4人が歯を磨いている間、後ろの廊下からはこんな会話が聞こえた。

「のぶ君…あたしもそっち行っていい?」
 ゆみが言った。
「えっ? そりゃあ、来てくれるのはいいけど、あつしをどうする? たぶんこいつもう終電間に合わないぞ、あつし、どうだ」
 のぶは、談話室から戻ってきたようだった。
「あ、あ、実は、もう、ま、間に合わなくて…」
「じゃあ、あつし、ゆみのとこ泊っていけばいいんじゃないか?」
 そしてのぶは、こう続けた。
「よろしいですよね。じゅんこユニット長。こいつ、実質寮生になりたいらしいんですよ」
 じゅんこさん「ユニット長」っていう役職なんだなぁ。

 じゅんこさんは、改めてあつしのほうを向き直ったようだ。
「君は、初めてみる顔だけど、誰の友達?」
 じゅんこは一瞬厳しい声で、あつしに言った。
「え、ええと、ぼ、僕は、あつしと申しまして、ゆ、ゆみさんのが、が、学科メイトです」
 あつしは、じゅんこさんに尋ねられて緊張が倍増したようだった。
「ルールにより、泊まれるのは、正規寮生に招待された人のみ!」
 ここで声を和らげ、
「じゃあ、ゆみちゃんが呼んだんでしょう」
 じゅんこさんは、ゆみにそう言った。
「ええ、まあ、形式的にはそういうことになりますが…」
 ゆみが困ったように答えた。ゆみが帰ってきたとき見ていたが、その時は、のぶとあつしはいなかった。あとからのぶとあつしが一緒に来て、のぶがゆみのフルネームを言って“招待されました”みたいにして受付を通った図が想像できた。
「ゆみちゃんと一緒なら宿泊可!」
 ゆみは少しの間、考えているようだった。

「…じゃあ、あつし君と一緒に、そっち行く、っていうのはどう?」
 のぶも、少し考えているようだった。
「うーん、回そう、いや、みんなで仲良くしよう、というところに男が増えるのはどうなんだろうなぁ」
 のぶも、このあとあまりあつしと行動を共にしたくないのかもしれなかった。
 ゆみはすかさず言った。
「あのアパートだと、きっと女子はまきちゃんだけでしょう。男子は何人なの?」
 のぶは、指を折って数えているらしく、しばらく間があって答えた。
「ええと、今日待ってるのは、俺も入れて5人かな」
「女子の比率が増えた方がいいじゃない。まきちゃん1人だったら、合計6人で女子1人で女子の比率、約17%。そりゃあ、5%以下のうちの学科よりはましかもだけど、あたしとあつし君が行ったら合計8人で2人だから女子比率は25%になるよ。ねぇ、その方が良くない?」
 ゆみはそのように力説した。

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