三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第三章 女子寮で……27

 理系の会話ってこんな感じなのだろうか??

 のぶは、納得したようだった。
「なるほど。それもそうだ。あつし、それでいいか? よかったじゃん、二人きりじゃないけど、ゆみと雑魚寝できるぞ。ここに泊まるのは、また来ればいつでもできるし」
 不安そうだったあつしの声が一気に嬉しそうになった。
「ほ、ほ、ほんと! …ひ、一晩中、ゆ、ゆみさんとい、一緒! あ、ありがとう!」

「じゃあ、あつし君、行こう。服着て」
 あつしは、促され、服を置いてある談話室に戻ったようだった。

 僕たちが歯を磨いて出てきたときには、一度部屋に戻っていたゆみがパンティーを穿いて、ブラウスのボタンを留めながら出てきたところだった。

「じゃあ、行ってきます」
 そして、一応服を着た4人は階段を下って行った。
「いってらっしゃい」
 残る5人は口々にそう言った。

 じゅんこさんは、4人を見送った後、僕たちと入れ替わりに洗面所に入っていった。

 それから、すすむとしほは一緒にトイレに入った。

 ……
 何時間かぶりに、あいかと二人きりになったことになる。ええと、何を話そうか…
 でも、それは考える必要がなかった。あいかはその間中、ずっと僕を抱きしめ、キスをしていてくれたから。

 水を流す音が聞こえ、すすむとしほがトイレから出てきた。すすむの棒は、立っていなかった。しほとトイレに入って、お互い、用を足

せた、ということなのだろうか。

 つぎにあいかがトイレに入ろうとして、僕に向かって振り返って「あれ、トイレいいの?」と聞いた。
「うん、今は、いいや」
 僕は答えた。
 つながり終わった直後だったら、トイレ行けたかもしれない。でも、ゆみやまきが回される話のあたりから、棒はずっと硬くて、たとえ一人でトイレ入っても、無理そうだった。
 あいかは、トイレに入ってもドアを半分開いた状態のままにした。

 しほは、片方づつの手に僕とすすむの棒を持ち、代わりばんこにキスをし続けた。

 あいかがトイレから出てきて、僕たち4人は、あいかとしほに導かれるように部屋に向かった。

 あいかとしほが立ち止まった部屋、その部屋の貼り紙には、「しほと あいかの しんしつ」と書いてある、名前の下にボールペンで「と すすむと まさる」と書き足してあった。

 あいかさんの部屋! というより、ぼくたち4人の部屋?!

 部屋はそれほど広くないが、ベッド2つが置いてあった。ベッドで空間の三分の二は埋まっているようだった。
 ドラマとかマンガとかで見る、女の子の部屋のイメージ、でほぼ合っていた。僕は改めてドキドキした。

「おやすみ」「おやすみ」
 しほとあいかは互いにそう声を掛け合い、それぞれ左と右のベッドに入り、電気を常夜灯にした。
「じゃあ、まさる、あいかさん、おやすみ」
 すすむは、まるで本当に前からそうしていたように、自然にしほのベッドに入って行った。そしてすぐに、抱き合い、キスし合い、触り合い…とはじまった。

 僕は、左にすすむとしほの絡みを、右に横になったあいかを見て、立ちつくしていた。
「あいかさん…そっち、行っていいの??」
 ベッドに横たわるあいかは、あれだけいろいろあった後でも、なおセクシーに見えた。
「当たり前でしょ。わたしを一人で寝させる気? 早く来てよ」
 そう言われ、僕は、ゆっくりとあいかのベッドに入り、あいかの横に近づいた。


 今日、多くの人とセックスしたり、液を出したりした。
 教室での最初のあいか、ひろこ、女子寮に来てから、風呂の前でのけいこ、さちこ、談話室でのゆみ、中庭でのまき、そしてさっき、廊下であいかの口の中に出して…
 そしていま、再びあいかと! 夢なら、覚めないでくれ…

 僕は現実を確かめるように、あいかを抱きよせ、キスした。暖かかった。現実だ。


 そうして、僕は、あいかと、再び一つになった。お互いにあらゆる所を触り、舐め、喘いだ。

 数十分ののち、僕は、今日、二回目、白濁の液をあいかの中に送り込んだ。
 さっき出したばっかり、ということもあり、今までで一番長く続いた。
 あいかと長いキスをした。あいか、とっても幸せそうな表情。
「ありがとう。とっても気持ち良かったよ」
「僕も。ありがとう」

 横になってあいかを抱きしめながら、僕はふと、今朝まで、つまり以前の世界の頃、ずっと考えていたことをに思い出した。
「僕、世の幸福の総量って、変わらないと思っていたんだ」
「へ?! 何? いきなり?」
「誰かが幸せを感じる時って、他の誰かその人に対して無理しているとか、何か幸せじゃなくなる。そんな風に思っていた」
「ふうん」
「でも、今、そうじゃない、って思った。だって、あいかさんも僕もこんなに幸せで」
 あいかは吹き出した。
「何言ってるのよ、突然。はじめてやったわけでもないのに。ふふっ」
 そう言ったあいかは、もう一度僕にかなり長いディープキスをした。

 今日は、世界中で、みんなが気持ちよくなっているに違いない。

 僕たちは、男の夢をかなえたんだ!

 女も、悪魔さんの魔力のせいとはいえ、みんなこんなに笑顔になっている。

 そうなのだ。僕たちは、世の笑顔を、つまり、世の幸福の総量を増やしたんだ!

 僕たちは、いいことをした。そう確信していた。

 よかった、よかった…

 僕はそんなことを考えながら、いつのまにか眠りに落ちていた。

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