三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」15
その時、ドアをノックする音が聞こえた。
もしかしたら、状況が打開されるかもしれない!
「はい」
じゅんこさんは手を止めずに、言った。
「じゅんこさん、おられます? ゆみです…」
ゆみだ! ちょっと、助かったかも…
でも、ゆみ、かなり疲れた声。
「どうぞ」
僕は、舌を止めないまま(止めると怒られそうで…)目で入口の方を見た。ゆみと、その後ろにあつし。後ろからゆみの胸を掴んでいた
。ゆみは、ここからは顔までは見えなかったが、下半身にはさっき付いた、という感じの白濁液がかかっていたのは視界の端に見えた。
「まさるさん、ここにおられたんですか」
僕は、ゆみに「あとで助けてくださいね」と頼まれ「なるべく助けるよ」と約束したことを忘れたわけではなかった。
「ごめん」
僕は、この態勢では、そう言うのが精一杯だった。でもこれがゆみに伝わったかはわからない。
「じゅんこさん、せっかく4人いるんだから、4人でやりませんか?」
じゅんこさんは、ゆっくりと立ちあがった。じゅんこさんの割れ目が、遠ざかっていく。
「ゆみちゃんがそう言うなら、そうしようか」
ありがとう! ゆみ! これで、とりあえずじゅんこさんと二人の状況から逃れられる!
…まあ、本当は、これは僕が、ゆみとあつしのところに行ってやらなきゃならなかったことなんだけど…
4人ということは、このユニットには他に女子も男子もいないようだ。まきも泊まりに行っているに違いない。
すると、ゆみはあつしと二人だったんだろうなあ…連続何回くらいやることになったのだろうか?
「あの…」
ゆみが口を開いた。
「まず、みんなでお風呂行きませんか?」
「でも、今混んでそうな時間だよ。やるならやっちゃおう」
じゅんこさんはそう言った。
「でも、ちょっとすっきりしたくて…」
ゆみは、かかっていた液をティッシュで延ばしながら、こうつづけた。
「銭湯行きましょうか」
これで、きのうと同じく、メンバーは、まきとじゅんこさんが替わって、銭湯に行くことになった。
僕たち4人は、脱衣籠のところに行って、それぞれ自分の服を探した。
3人はTシャツにトランクスかパンティーを持ったが、じゅんこさんだけは元の世界で昼間歩いていてもおかしくないような普通の服装一揃いを持った。
玄関近くで服を着て、4人は寮を出た。
じゅんこさんと僕が並んで、僕のうしろにゆみが、そのうしろにあつしがつながるように歩いた。
僕は“じゅんこさんと入る風呂って、どんな感じだろう”と、半分不安に、半分ちょっと楽しみに、思いながら歩いた。
やっぱり、洗い方とかいろいろ言われるのだろうか??
ところが、そうはならなかった。
じゅんこさんは、銭湯に入って入浴券をフロントに出すや、女湯にまっすぐ向かった。そして
「ゆみちゃん、どうしたの?」
と、声をかけた。
一緒に男湯に入りかけていたゆみは
「じゅんこさん、固いですよねぇ」
と小声で言って苦笑いしたあと、
「あ、バスタオルまだお持ちでないですね。お貸ししますよ」
と言ってタオルを貸してくれ、じゅんこさんの後に従った。
結局、僕は、あつしと男二人で風呂に入ることになった。
男湯は、昨日と同じような風景。脱衣所も含めると2,3人の女性がいるけど、あとは当然年配の男性が多い。
僕たちは手早く脱いで浴室に入り、隣同士の洗い場に座った。
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