三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」19

「“セックスしたいと思ったら、その人とセックスできる世界にする”か。それ、いいかもしれないぞ…つまりある女を、いや、この世界なら、女もセックスしたいだろうから、異性、と考えた方がいいだろう“思った異性を、セックスするようにコントロールできる世界にする”ってことだな。ちょっとすれ違ったかわいい子とか、テレビでしか見ないアイドルともできるかもしれないぞ!」

 別にそこまで広げなくてもいいのだけど。
 しかし、コントロールかあ…別にコントロールしたいと思ったわけではなくて…でも、こっちの意思で動いてもらうということは、そういうことかぁ、と僕は思った。

「コントロール。そういうことになるだろうなあ」
 でも、コントロールする、っていうことは、当然相手の都合は入ってこないわけか。僕はそう思って、すすむに言った。

「でも…セックスしたい、と思って、たとえば相手が生理中なのにこっちで勝手にコントロールしてしまったら…どうなるだろう?? “セックスしたい”“今生理だから口で”くらいのやりとりは必要だろうなぁ」

 “生理だから口で”っていうセリフを誰かから言われたり聞いたりしたわけではないが、昔エロ小説かなんかのシーンで読んだことある。こういうパターンもきっと現実にあるだろう。

 すすむは深くうなずいた。

「それは確かにそうだ。その子が下痢とかだったらもっとやばい。俺にはそういう趣味は無いぞ」

 思わず想像して萎えるシチュエーションだ…と僕は思った。

「僕だって無いよ…それに“思った異性”なら、女子から、自分がコントロールされることだってあるわけだし…だからやっぱりある程度される相手の都合も入るように、一方的なコントロールでなく、やりとりできるようにしないとならないなぁ」

「確かにそうだ」

 すすむはあごに手を当てて、考えるような動作をしばらくした後、こう言った。

「じゃあ“思った異性と意識を共有できる世界”にするか」

 意識を共有…それだと、相手から逆にコントロールされることは?

「共有? それだと、セックスしたい、と思っても、逆に向こうからセックスしたくない、という意識でコントロールされるのでは?」

 すすむはすかさず答えた。

「この世界なら、そういうことはあんまりないだろう。その2人が同じ体のようになるんだろ。一番気持ち良くなるように動くに違いない。…言葉にしなくても、その時一番触ってほしいところを触ってもらえる! しかも、男と女、2人分の快感を感じられるぞきっと、おおぉ、これはいいぞ!」

 すすむの棒は、状況を想像しているのか、かなり上を向いてきた。

「それってオナニーみたいに思えてしまうのかなぁ」

「もしそうだったとしても、そんなことは関係ないほどきっと気持ちいいぞ、よし、悪魔さんのところ行くぞ! 服は洗濯籠だな!」

 そう言ってすすむは早速洗濯籠がある洗面所に飛び込んだ。

 僕の棒も、上を向いてきた。

 思った女子の体が、自分の体と同じに…僕は思い浮かべた。あいかの体が自分の体と同じになる。すると、お互いに一番気持ち良くなるように動く。僕の快感、あいかの快感を、お互いに感じる。ずっと離れなくて済むようになるのではないか…

 僕の棒はその妄想にますます大きくなった。

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