三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」21

「おはようございまーす」

 すぐに、あまり何か考えたりする時間もなく、さちこが笑顔でやってきた。前回会った時と違って髪の毛は束ねていなかった。でもやっぱりかわいい。
 そしてさちこは僕たちそれぞれに軽くキスした。

「あれ、このユニット、今お二人だけなんですか?」
「ああ、みんな先大学行っちゃって」

 すすむがそう答えた。

「さちこさんは? 今日何コマ目から?」
「2コマ目からです」
「じゃあ、まだ時間あるな…ねぇ、ちょっとそこにしゃがんで、足開いてみて」
 すすむは、洗面器の斜め上くらいにさちこを導いた。
「こうですか?」

 僕はどきりとした。さちこは、たまたま、僕に向かって真正面に股を拡げる格好になった。黒い陰毛…それなりに手入れしてあってそんなに深いものではないが…の奥の、ぱっくり開いた、真っ赤な、照り輝く、割れ目の奥…

「そう、そんな感じで。そこから、おしっこして、洗面器に入れられる?」

 すすむははっきりそう言った。“おしっこ”…よくそんな単語を女子の前でさらっと言えるものだ。
 さちこは平然と答えた。

「もちろん、入れられますよ。洗面器こんなに広いんだから。そりゃあ、コップとかだったら命中は難しいかもしれませんが…」

 すすむはすかさず、洗面器を指して言った。

「じゃあ、ここにおしっこして」

 さちこは、不思議そうな顔をした。

「えっ? 何でですか?」
「うん…男だと、手で角度決められるからいいけど、女の子だと、どうなるのかなあ、とか思ってね」
「いくら女でも、さすがに洗面器だったら入りますよ…じゃあ、いきまーす」

 すすむは、僕の隣にきて、しゃがんだ。ぼくもしゃがんで、さちことほぼ同じ目線になった。

 すぐに、さちこは、洗面器に向かって、黄色っぽい弧を描き始めた。

 液体がプラスチックにぶつかる音…
 そして、すでにある液体に液体が注ぎ込まれる音…

 おとといから、女子の放尿は、1回見ている。保健センターで。あと、あいかが、ちょうど終わったところも1回見た。
 でも、真正面で、間近に、見るなんて。

 すすむ、“見本を見せる”って言っていたけど、こいつ自分がこれを見たかっただけなのでは…

 それでもいいや。このシーン。僕の棒も、胸も、破裂しそうだ。


 そのうちに、弧は小さくなっていき、最後には雫になった。

「ああ、すっきりしました。ティッシュかトイレットペーパー取っていただけますか?」
 
「舐めてきれいにしてあげようか」

 すすむが冗談のように言った。

「ごめんなさい。実は、きのうわかったんですが、クラミジアもらっちゃったみたいなんです。マ○コ舐めるのはやめた方がいいですよ」

 さちこは、まるで“ちょっと風邪ひいて”というくらいの調子でそう言った。

 クラミジア…性病の一種、ということしか分からないが…やっぱりそういうことってあるんだな。

 …僕は一瞬どきりとした。おととい、僕はさちことセックスした…うつった?!
 ああ、大丈夫だ。さちことは、ちゃんとコンドームしたんだった。思いだした。

 これからも、なるべく、コンドームは、つけた方がいいだろうなあ、と僕は思った。


 その間に、すすむはさちこにティッシュを渡し、さちこは自ら股間を拭いているところだった。

 すすむは、僕の隣に戻ってきて、耳打ちした。
「まさるも、やりたいこと、頼んでみろよ」

 やりたいこと、それは、当然、一つ。

 僕は、思い切ってと立ち上がった。

「さ…さ…さちこさん!」

「え! びっくりした。何ですか?」

 さちこは手を止めた。僕は思ったより大きい声が出てしまっていたようだ。

「あ、あ、あの…」

「ほら、どうした! あつしのしゃべり方がうつったか!」

 すすむは笑ってそう言った。

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