三つの願い 〜男の夢〜
Hide:作

■ 第四章 「第二の願い」23

 僕は、学食の売店でパンを買ってから(気がついたらいままで朝食を食べていなかった)教室のある校舎へ、そしてまっすぐに教室に向かっていった。

 そして僕は、教室のドアを勢いよく開けた。
 すぐにあいかの姿が目に飛び込んできた。
 あいかは、やはり一糸まとわぬ姿だった。両手を机につき、片足を床に、もう片足を学科メイトの男子が持って、割れ目にはその男子の棒を入れて、そして口には別の学科メイトの男子の棒を咥えている真っ最中だった。
 あいかの胸は、また別の男子の手の中にあった。
 つまり、ちょっと近づけそうになかった。

「まさるくん、おはよう!」
 僕が入り口近くで動けずにいると、うしろから声がした。ひろこだった。ひろこは、上半身には何もつけておらず、パンティー一枚で廊下を歩いて来たようだった。
 僕が返事する前にひろこは後ろから抱きついてきた。胸の感触が背中に広がった。そしてひろこは僕の耳に、ふっと息を吹きかけた。気持ちよくて、鳥肌が立った。
 僕は、鞄をその辺の机に置き、ひろこのほうに向き直り、お互いキスをした。
 僕は考えた。

 セックス、誘ってみようかな。

 僕はもう、誘えるんだ。

「ひろこさん……」
「何?」
 唇を離したひろこはちょっと怪訝そうな顔をした。あまり自然ではなかったかな?
「セ、セックス…しようか」
「…いいよ…あたしもやりたかったし。でも珍しいじゃん、まさる君からお誘いなんて」
 ひろこは笑ってそう言った。学科メイトの架空の記憶の中の僕も、やはりあんまり積極的ではなかったようだ。

 ひろこはさっとパンティーを脱いだ。

 うーん、誘ったはいいけど、この状態からどうしたらいいだろう…机や椅子は僕の後ろにあり、ここでこのまま押し倒したら開いているドアの向こうの廊下だ。それはちょっと痛そう。

「まさるくん、脱がないの?」
 ひろこは続いてそう言って、僕のトランクスも勢いよく下ろした。

 そうだ。僕はさちこが“クラミジアもらった”と言ってコンドームを勧めたことを思い出した。
「コ、コンドーム、この辺にあったっけ?」
「あたしまだ危険日じゃないから大丈夫だよ」

 そうか…大丈夫…なのかなあ…本人が言うからいいか…
 確かに、大学内では、寮内と違ってコンドームがそこらへんに置いてあるのは見なかった。みんなどうしているんだろう?

 僕はひろこを抱きよせ、舌を絡ませた。右手を、ひろこの割れ目に近づけてみた。乾いていた。これから濡らさないと。

 僕は急ぎ、割れ目の手前の方を狙って指でかき回したり、左手では乳首をくるくる回したり、舌でもう片方の乳首を舐めまわしたりした。ひろこは「あっ、ああん、まさるく〜ん、気持ちいいよ〜」と応じてくれた。そして、ひろこは、僕の棒を掴み、剥いて、親指で先っぽを刺激し始めた。ひろこはだんだん濡れてきた感じだった。




「あ、ああー、ああ、すごーい!」

 右のほうからあいかの喘ぎ声が聞こえた。僕は舌をひろこから離し、その方向を見た。
 口でくわえていた男子の棒はもう液を出したようで、あいかの口の周りにその白いものが光っていた。
 さっき片足を持って入れていた男子は、今度はあいかの腰を両手で抱えて腰を前後させていた。あいかは足を宙に伸ばし、両手でその男子の肩を持って、揺られるに任せて喘いでいたのだ。


 僕も、あれ、やってみよう。

「ひろこさん、ちょっとこのまま、肩に手を置いてみて」
「うん」
 ひろこはその通りにした。
 そして僕は、ひろこの腿を持ち上げようとした。
「ちょ、ちょっと、まさるくん、あれやる気?」
 ひろこも、あいかの方をちらっと見て、僕にそう言った。
「あれは、あれだけ体格差があるからできるんだよぉ…」
 確かに、あいかを抱えている奴は学科でも三本の指に入るくらい身長が高く体重も重そうだ。改めてよく見たことはないが、棒もでかいに違いない。
 あいかは、どちらかというと小柄なほう。
「まあ、あたしがドアの枠につかまる、とかすれば、できないわけじゃあないけど、まさるくん立ってないじゃん! 入らないよ」
 ひろこは僕の棒に手を当ててそう言った。
 その通り。結構触れてもらって、途中までは立っていたのだか…
「ごめん」
「昼休み、きのうもこうだったね…」

 そして、ひろこはもう一度あいかの方をちらっと見た。

「あいかが気になるの?」

 図星だ。

「ごめん」
「あやまらなくていいよ。あとでね…あ、すすむくん、おはよう!」

 すすむが今来たところだった。
 こうしてひろこは、着けているものは片足にパンティーを引っかけただけの状態で、すすむに抱きついていった。
 僕は一人になった。

 僕は、もう一度トランクスを穿き、教室の前の方の端の座って、パンをかじり始めた。ここなら誰も目に入らない。
 学科メイトたちの喘ぎ声が教室に満ちている。あいかの声も聞こえた。

 やっぱり気になる。パンをかじりながら、あいかを視界の端の方に入れてみた。入れている男子は、さっき胸を揉んでいた奴に交代しているようだ。
 今度は両足を床につけた普通のバックになっていた。口の方は、さっきとは別の奴の棒の先っぽを舌で回しているところだった。
 横にも、どうなっているかよく分からないが、もう一人男子がいて、つまり、まだ話しかけることができそうな状態ではなかった。

 もし、僕が近くに、のそっと立ったら、きっと挙動不審だろう。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊