三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」26

 そして、電車はしぶ○に着いた。ほとんどの乗客が入れ替わる。

 ええと、あの数字三文字のファンションビルはどっちだろう…大丈夫、ちゃんと、案内板にそのビルの名前はあった。僕は矢印に従い、エスカレーターをいくつか乗り継いで、地上に出た。


 …その光景は、一言でいえば、雑多、だった。

 Tシャツにパンティーの女子は少数いた。しかし、多くはTシャツにブラジャー、とかかなり細いビキニ、とか、パンティーにニプレス、とか、さきの電車の中の拡大版が目の前に拡がった。
 中には、体に服の代わりに何か絵を描いている人もいた…ボディペインティングっていうんだったかな?
 男は、やはり上半身裸が多いようだった。

 そして、目指すビルに、着いた。
 ファッションビルだけに、ここは特に女子の比率が高い。
 僕は、その、いろいろな方法でちょっとだけ隠した女子たちが通り過ぎるのを、ただ眺めていた。
 それでも、さっきのメモ帳を復習するのは、忘れなかった。

 いつのまにか、17時を回っていた。もうすぐ、あいかとのデートが始まる…

「ごめん、待った?」

 後ろから不意に声がした。あいかだ!
 僕は振り返った。ピンクのブラジャーとパンティーを身に着けていた。

「ううん、全然…」

 そして、僕はあいかに抱きついた。

「あいかさん…ありがとう」

 そして、僕はあいかにキスした。長くキスするつもりだった。でも、あいかは、ちょっと舌が触れたくらいですぐに唇を離した。

「…そうそう、言ってなかったけど…実は…わたし、1時間しか一緒にいられないの」

 1時間だけ……そうか、あいか、人気あって忙しそうだったからなあ…確かに、あれほど予定が詰まっていそうなのに今日ここで会えるっていうのも、よく考えると変だった。

「せっかくのまさるくんのお誘いだから、ちょっと移動の時間に会うことにしたよ。ごめんねゆっくりできなくて」

 あいかはすまなそうにそう言った。

「い、いいよ。会ってくれただけでうれしいよ」

 あいかは、ちょっとほっとしたように笑顔になった。

「じゃあ、行くよ。エレベーター来た」

 あいかは、僕の手を取って、エレベーターへと導いた。

 えっ?? このビルに行くの?? ここ、服とか売っているところでは? ここでセックスするのだろうか??

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