三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」28
「高くない?」
「この辺、最近“掃除を最小限にするかわりに休憩1時間に限って1000円”っていうサービスがあるの。1000円なら安いでしょ」
「なるほど」
僕は思わずそう言った。そうやって回転率を高めているんだな、と思った。
あいかは迷わず一つのホテルに入った。使ったことあるのだろうか?
僕もついて入った。
入ると、大きなパネルがあって、そこに各部屋の番号と内部の写真らしいもの、そしてボタンが並んでいた。
いくつかの部屋の写真が明るくなっていたが、大半は暗くなっていた。
「やっぱり混んでるなあ」
「何で分かるの?」
「ほとんどランプ消えてるじゃん、まさるくん、ラブホ来たことないの?」
「うん…やるときは…だいたい大学か寮かだったし…」
これは本当だ。
「そっか、じゃあ今日はラブホデビューだね」
そういってあいかはにっこり笑ってキスしてくれた。
そしてあいかは、ランプがついている部屋の一つのボタンを押し、すぐそこにあるエレベーターのボタンを押した。
ほどなく、エレベーターのドアは開いた。僕たちは乗り込んだ。
あいかは、階数のボタンと「閉」を押すと、早速パンティーとブラジャーを脱ぎ始めた。
「あいかさん、いいの? ここで脱いで?」
「いいのいいの、ここみんなやりに来るところなんだし」
一糸まとわぬあいかと、狭いエレベーターで二人きり! でもどきどきする間もなく、すぐにエレベータは目的の階に着いた。
「まさるくん、早く! 時間なくてごめんね」
改めて腕時計を見た。約束の一時間にもう十分ちょっとしかない。
あいかと僕は廊下を急いだ。どうやら、ランプがついて進む方向を表示してくれているようだった。
そして、あいかと僕は、部屋に入った。
はじめて見るラブホテルの部屋。ドラマとかで見たことはあったのでイメージはあった。ほぼそのイメージで合っていたようだ。
僕は鞄を置き、腕時計を外して、トランクスを勢い良く脱いだ。そして両手であいかを抱き寄せた。
「あいかさん…」
僕はそう言って、あいかの唇に自分の唇をつけた。そして舌を入れた。あいかは今度は、舌を絡ませてくれた。
それでも、ほどなく、あいかの方から唇を離した。そして言った。
「ねえ、ベッド…行こ…」
あいかは、もう先が湿り始めた僕の棒を引っ張ってベッドへと歩いた。
“掃除を最小限にする”と聞いていたが、それはそれほど気になるものではなかった。ベッドには前の人が寝ていたであろう乱れた跡はあったが、しみとか使用済ティッシュとか毛とかは見当たらなかった。
そのあたりは最小限掃除しているようだ。
あいかは鞄から、なにか液体を取り出して、割れ目の中に塗りこんでいるようだった。
「あいかさん、それは?」
あいかは不思議そうな顔をした。
「え? ローション、見たことないの? …時間ないからすぐ入れられるようにね」
そうだよなあ。前儀とかしている時間なさそうだもんなあ。
目覚まし時計があるのが見える…あと10分ないのかぁ。
「まさるくん、上になる? 下になる?」
「え、ええと、どっちでも…」
やっぱりいつも流れでやっているとだめだな…
「じゃあわたしが上ね。まさるくん仰向けになって」
僕はベッドで仰向けになった。そして、すぐにあいかはベットの上に乗り、僕の上にまたがり、僕の棒を手にとってあいかの割れ目に、滑り込ませた。
あぁっ…今までに感じたことのないぬめり! これがローションなのか。
すぐにあいかは勢いよく腰を上下させ始めた。
「いきそうになったら我慢しなくていいからね…あぁ…あぁ」
実際、すぐいきそうだった。前にやったのは午前中に大学に来る前にさちこと。もう6時間くらい前のことだ。
休み時間ごとにふつうにやっていた日もあったことを考えると、これは結構間があいていて、溜まっていたのだ。
それでも、本当に我慢せずにすぐにいってしまったら情けない、と思って、しばらくは出さないようにした。それに、もっと、あいかを感じていたかったし。
ぬめりも、しだいにローションだけではなくなってきたことを感じた。
「あっ、あーっ…はあっ…あん…まさるくん、気持ちいいよ」
「あいかさん、僕も…とっても…気持ちいいよ。ありがとう…」
僕は、両手であいかの胸に触った。汗びっしょりになっていた。あいかの汗が滴り落ちる…
僕はそろそろ我慢できなくなった。たぶん三分は経ってないけど、僕は、あいかの中に、たっぷり、液を、発射した。
あいかはゆっくり腰の動くスピードを落とし、やがてとまり、僕の棒を割れ目から抜いた。
そして、あいかはそのまま倒れこみ、唇を僕の唇と少しの間重ね、その後、上から体を重ねたまま、言った。
「今日は誘ってくれて、うれしかったよ。ありがとう。またね」
あいかはそう言うと、再び短く唇を重ね、すぐに僕から離れた。
「じゃあシャワー浴びたら、行くから。ホテル代の半分ここに置いておくから。ほんと短い時間でごめんね」
あいかは500円玉を枕元に置いて、部屋の中の別の扉を開けて入っていった。
…なんか、ほんと、あっという間だったなぁ。
僕はそう思った。
でも、あいかと、デートした! そして、またセックスできた! よかった!
短い時間だったけど、それは、本当に、幸せな時間だった。
僕は、満ち足りた気持ちで、目を閉じた。
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