三つの願い 〜男の夢〜
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■ 第四章 「第二の願い」33
「こんばんは」
あいていた入口から、2人の女子が顔をのぞかせた。
1人は、背が高く、茶髪の長い髪を背中まで垂らしていた。もう1人は黒髪で、顔を隠しているのだろうか、と思うくらい、髪が前に来ていた。
なんか、似ているわけではないが、雰囲気的にお姉さんと妹、という感じが一瞬した。
「あ、はるかさん、のどかちゃん、こんばんは!」
けいこが明るく言った。
「私もビール飲ませて」
茶髪の長い髪の方の女子が入ってきた。しかし、もう1人は、僕たちを見た瞬間、股間を隠すような動作をして、後ずさりをしていなくなってしまった。
元の世界でありそうな反応。ちょっと新鮮だった。
茶髪の長い髪の女子は、あつしに、そして僕に「はじめまして」とそれぞれキスした後、冷蔵庫からビールを出して、僕の左斜め前に座った。
「はるかは、年目は私と一緒の4年目」
りんこさんはそう言った。
年目は、という言葉が出てくるということは、はるかさんかりんこさんのどちらかに留年があることを推察させる。
(たとえば“4年目2年”と言うと、大学に入ってから4年目だが、学年は2年生、ということになる)
この大学では留年は珍しくない。特に、なにか学業以外のことに力を入れている人は。
「よろしく」
それから、僕とあつしはそれぞれ自己紹介した。
それからはるかさんを中心に話がすすんだ。はるかさんは4年生で(すると留年しているのはりんこさんと分かる。あとで知った、前述の所属団体の話も合わせると納得)学部とか、学科で何をやっているかとか、あとは三人姉妹の長女で、両親が海外に住んでいる間何年も母親代わりに妹たちの面倒を見ていた、ということなどが分かった。
だから、第一印象で「お姉さん」という感じがしたのかもしれない。
僕は、さっき一瞬現れていなくなった女子が気になっていた。
「はるかさん、聞いていいですか?」
「何?」
「さっき顔を出したのにいなくなった人、どうしたんですか」
はるかさんは、ちょっと間を開けて、答えた。
「のどかちゃん、まだあんまり男の人に慣れてなくて…男の人に裸を見られると恥ずかしく感じるみたいなの。だからあなたたちを見て部屋に戻ったの。普段は私たちに合わせて裸でいるけどね」
「こ、こ、古風ですね」
ビールですっかり顔が赤くなったあつしが言った。
「そうなんですか。僕たち、いてまずかったですか?」
「そんなことはないよ。多分、服着たら来ると思うから」
はるかさんはちょっと声を落として続けた。
「あと…実は…ヴァージン、らしいの…だから、来てもいきなりセックスしようとしないで。キスとか触るとか舐めるとかはどんどんやってあげてほしいけど」
「はぁ…ええ、そうします」
この雰囲気の中にヴァージンがいるとは思わなかった。まあ、会話の苦手な人もいることと同じだろう。
その時、あいているドアから、その、のどかがそっと顔をのぞかせているのが見えた。
「のどかちゃん、見てないでいらっしゃいよ」
はるかさんが手招きしたのに応じ、のどかはおずおずと入ってきた。そして小さな声で「こんばんは」と、下を向きながら言った。
さっき「服を着てくる」と言っていたけど、来ているのは白いブラジャーとパンティー、という下着のみ。元の世界だったら、いや、今でも、十分ドキドキできる服装だった。
もしかしたらこの世界では「下着」が、下に着る服、でなくなっているからそう言わなかったのかもしれない。
「は、はじめまして。のどかといいます」
のどかは直立不動でそう言い、深々と頭を下げた。
「のどかちゃん、今日は男の人が来てるんだから、たまには男の人と仲良くしたら」
「え、え、でも、あたしなんかで、いいんですか…」
「いつも言ってるけど、自信持ってよ。男の人との方が楽しいよ」
男の人との方が、って?
「でも…男の人、本当はあたしなんかに触りたくないんじゃないかって…」
「そんなことないよ。ねぇ、まさるくん」
いきなり振られてちょっとびっくりした。でも、別にこの子に触りたくなくなるような要素は、見当たらない。
「え、ええ、もちろんですとも!」
ここは、実際に行った方がよさそうだな。さっき“どんどん触ってあげてほしい”のようなことを言われたし。
「じゃあ、のどかさん」
僕は立ち上がった。どきどきした。このような雰囲気の子に触れるのは初めてだ。
僕は、のどかのところにゆっくり歩み寄り、抱きしめた。のどかは、震えているようではあったが、別に抵抗したりはしなかった。
そして僕は、のどかの顔の前にかぶさっている髪の毛をそっとどけた。厚いメガネをかけていた。超かわいい、とは言えないまでも、どちらかというとかわいいといえる顔だと思った。もしかしたら本人的には顔に自信がなくて、髪で隠しているのかもしれない。
そして、僕はのどかと唇を重ねた。いつものようにすぐに舌を入れないようにして、比較的すぐに唇を離した。
さて、このあとどうしたらいいだろう??
こういう場合、結構すぐに胸に向かってしまうところなのだが、ブラジャーをしている。さっきの話からすると、いきなりブラジャーをとるわけにもいかなそうだ。
僕は、はるかさんの目を見た。はるかさんにはこちらの困惑は伝わったようだった。
「背中からゆっくり触っていくといいよ」
僕は目で御礼を言い、のどかにうつぶせになるように言った。そして、僕は言葉通りゆっくり背中を触り始めた。
確かに、はじめは緊張していたのどかが、だんだんリラックスしてきているようなことは伝わってきた。
それでも、のどかの方から僕に触ってこようとはしなかった。
気がつくと、りんこさんとけいこは、あつしの上に乗っているのがテーブルの向こうに見えた。今度はけいこがあつしの棒を入れて、りんこさんがあつしの舌で、という組み合わせだった。
僕も、ちょっと棒がさびしい。それは外から見ても分ったろう。
「まさるくん、私も入れて」
この「入れて」は、絡みに入れて、なのか、穴に入れて、なのかわからない。両方かもしれない。
僕が返事をしないうちに、はるかさんは僕の後ろに来て、後ろから僕を抱きしめた、柔らかい、胸の感触。そしてその後、棒を握ったり、棒の先端をなでたりしてくれた。
そのうちに、はるかさんは僕の耳元に息を吹きかけた後
「そろそろ、背中以外も触ってあげて」と耳打ちした。
僕は、左手を、のどかの足や、パンティーの上から尻に、持っていったあと「仰向けになってもらっていい?」と言ってみた。
右手ははるかさんの胸のところで動かし続けた。
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