Hカップお嬢様乃南ちゃん
わたる:作

■ 21

(あん……恥ずかしい……)

乃南はうつむきながら、なるべく目立たないよう端の方を歩いて自販機に向かっていた。
まだ人通りが少ないところとはいえ、周りの男すべてが乃南のまだ大人になりきっていない顔を見た後、水着に収まらず歩くたびに揺れるおっぱいに視線をやる。

(いや……みんな見てる……っ)

乃南は腕でおっぱいを押さえつつ、急ぎ足で自販機に向かった。

そしてメインプールに差し掛かる。
そこはまさに人ごみで、乃南はそれを掻き分けていくしかなかった。

「ごめんなさい……っ通してください……」

そう言いつつ乃南は手で人を押しのけるようにしながら進む。

「うおっ! あの娘可愛い!」
「胸のデカさやばくね?」
「水着から出まくってんじゃん……高校生くらいだろ!?」

すぐさま周りの男が乃南に視線を浴びせる。

「み……見られてる……乃南のお乳見られてる……っ」

人をよけなければならないため手で胸を庇えず、好き放題にハミ出し、大きく揺れる。

「やべーな……揺れすぎだろ……」
「でけぇ〜揉みてぇ〜!」
「やべ……一気に勃ってきた……」
どんどん乃南に視線が向けられる。

「みんな見てる……っ! 恥ずかしい……!」

乃南は羞恥でいっぱいだった。しかもなかなか進めない。

「まじ触りたい……」
「あんな可愛いのにあんな巨乳って……最高じゃん!」
「あれでパイズリされたら……たまんねぇ……」
どんどん広がる羞恥の言葉。

「いやああ……!」

パイズリ、という言葉に乃南の忌まわしい記憶が蘇る。

(パイズリって……お乳に挟むやつよね……みんな乃南にして欲しいと思ってるの……?)
乃南は思う。

あの日自らのおっぱいにたっぷりと浴びた男の液体の感触を乃南は忘れられない。

(小野君も……して欲しいと思ってるの……?)

今頃になって気づいた、あどけない小野に潜んだ乃南に対する、他の男となんら変わらない視線。
乃南は一瞬、頭の中の思考に気を抜いた。すると……

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