Hカップお嬢様乃南ちゃん
わたる:作
■ 34
「いや……何を話してるの……?」
帰宅の準備をしながら乃南が思う。
向こうで固まって話しているのは乃南に嫌がらせをしている数名だ。
話題は自分だろう、乃南は思う。
「やだっ……こっち見ないで……」
男子たちはチラチラと乃南を見ている。
「もう……」
乃南は腕を添え、なるべく胸が目立たないようにした。
「起立、礼」
クラス委員の声が響き、終礼が終わる。
「はやく……帰ろう……」
乃南はカバンを持ち、早めに教室を出た。
急ぎ足のため、巨乳がぼいんと弾む。
廊下に出て、もうすぐ下足箱というところだった。
ひらっ……
「きゃっ!」
乃南はお尻にふらっと風が入る感触を感じた。
「おっ白か……乃南ちゃん白以外着けないの?」
背後から男の声。クラスの男子が乃南のスカートを捲り上げていた。
「いやっ!」
乃南がスカートを押さえ、この場から逃げようとする。
「おっと……待ってよ」
男が言い、乃南の腕をつかむ。
「やめて……離して……!」
乃南が抵抗するが、男の手を振り解くことができない。
「やぁ、乃南ちゃん、そんなに急ぐことないでしょ」
乃南の周りにクラスの男子数名が集まってくる。
乃南は反射的に制服の上から胸を覆った。
「今度は……なに?」
乃南が弱弱しくたずねる。
「なにって……乃南ちゃんが命令破るからだよ」
男の一人が言う。
「わ、私……ちゃんと下着脱いで着替えたのに……」
乃南が動揺しながら言う。
「でも授業来なかったんだから本当かわかんないでしょ?」
男がニヤニヤと言う。
「でも……命令は着替えることだけだったし……」
乃南がうつむいて言う。
「そんな屁理屈通るわけないでしょ、乃南ちゃん」
男が言う。
「そ……そんな……」
乃南が胸を抱きしめたままへたり込む。
「さて……乃南ちゃん、ちょっとついてきてくれる?」
男の一人が言い、歩き出す。
「ほら、立って……」
男に腕を引っ張られ乃南が立ち上がる。
「うう……」
もうイヤというほど弱みを握られた乃南には、大人しくついていくしかないのだった。
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