Hカップお嬢様乃南ちゃん
わたる:作

■ 35

「さて……ここでいいか」
乃南は誰も居ない、校舎の隅の空き教室に連れてこられた。
「な……何を……するの……?」
乃南がおどおどとたずねる。
「ああ、心配しないで、今すぐどうこうしようってわけじゃないから……」
周りの男子はみんな笑みを浮かべている。
「さて……乃南ちゃん、君は他のクラスの男子にもすごく人気があるんだよ……知ってた?」
男の一人が唐突にそう切り出した。
「えっ……?」
乃南がきょとんとする。
「他のクラスの奴によく言われるよ、乃南ちゃんと同じクラスでうらやましいってさ」
別の男が言う。
「でも……告白とかされたことないんだけど……」
乃南はとりあえず話題に乗ってみる。
「ああ、そういう人気じゃないからね……薄々自分でも分かってるんじゃない?」
男が言う。
「え……っ?」
驚きながらも、乃南は次の一言に予想がついていた。
「みんなが好きなのは乃南ちゃんのおっぱいだよ、俺らもだけど」
男が言う。
「そ、そんな……」
予想はついたものの、やはり乃南は心底不快になる。
「それも変態みたいなやつばっかり、乃南ちゃんがただ制服着てるだけで興奮してオナニーしてるんだぜ」
「ひどい奴なんか乃南ちゃんの体操着姿見て授業抜けてまでオナニーしに行ったやつもいるしね」
「気づいてないと思うけど写真とか撮ってる奴もいるよ」
男子たちが口々に言う。
「いや……もう言わないで……!」
乃南が言う。
「まぁ、そんなに清純な顔でこんなに大きなおっぱいしてたら無理ないけどね」
男の一人が言う。
「まぁそんだけ乃南ちゃんファンが多いのに俺らだけで独り占めしてちゃ悪いと思ってさ……」
さらに男が言う。
「ど……どういうこと……?」
乃南が不安そうに言う。
「ちょっと乃南ちゃんにファンサービスしてもらいたいんだよ」
男がにやけながら言う。
「えっ……サービスって……?」
乃南が尋ねる。
「うん、乃南ちゃん撮影会でもしてもらおうかな」
男が言う。
「えっ……? 撮影会……?」
乃南が怪訝な顔をする。
「ああ、普段はコソコソ隠れて写真撮ってる奴らばかりだからね、堂々と乃南ちゃん撮りたいと思ってるよ」
「でも……写真撮られるの……?」
「ああ、別に乃南ちゃんは適当に笑顔でポーズでもとってくれればいいよ」
どのみち断ればまた脅しをかけられる、乃南は思った。
「うん……それくらいなら……」
乃南が言う。
「へへ……ありがと、言い忘れたけど制服ショットだけじゃ面白くないだろうから……体操着やら水着にもなってもらうよ」
わざと忘れていたように男が言う。
「み……水着……!? そんなのイヤ……!」
乃南が言う。たくさんの男子の前で水着を着るなどできるわけもない。
「イヤならいいよ? そのかわり教室であの映像流させてもらうけど」
男が言う。
「だめ……! それだけはやめて……!」
乃南が懇願する。
「あのビデオ見たら多分もっとファン増えるよ……」
嫌味に男が言う。
「だめぇ……お願い……」
乃南が言う。
「んじゃ撮影会やる?」
有無を言わさぬ口調で男が言う。
「や……やります……!」
乃南が声が震えながらも言う。
「そうこなくっちゃ……じゃあ乃南ちゃん、ケータイで宣伝用のムービー撮るから」
ケータイを取り出しつつ男が言う。
「え……? 宣伝……?」
乃南が言う。
「俺たちの知り合いの乃南ちゃんファンに送るのさ。このムービーを受け取った奴が撮影会の参加者ってことで」
男が言う。
「私何したらいいの……?」
乃南が不安げに言う。
「うん、この紙に書いたこと覚えて読んでくれればいいよ」
そう言い、男は乃南に一枚の紙を渡す。
「いやっ……スリーサイズまで言うの……?」
紙を見ながら乃南が言う。
「うん、あいつらならそれ言っただけでめちゃくちゃ興奮するぜ……」
「やだ……恥ずかしい……」
その紙にはまるで乃南が自ら撮影会をやりたがっているかのような文が書いてある。
「こんなの送られるなんて……」
乃南は心底イヤだったが、もはや逆らうことはできない。
「よし、乃南ちゃん、大体覚えたね? 書いてあるように撮ってる間は笑顔を絶やさないように」
携帯を構えながら男が言う。
「は……はい……」
乃南が笑顔を取り繕いつつ言う。
「あ、そうだ、制服のボタン二つほど外してみようか」
男が言う。
「はい……」
このくらいのことは言われるだろうと思っていた。乃南は大人しくボタンを外す。

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