Hカップお嬢様乃南ちゃん
わたる:作

■ 36

中から清純な顔立ちからは想像つかない深い谷間が見える。
「よし、じゃあ撮るよ」
男が指で合図をし、動画を撮り始める。
「こんにちは……二年五組の秋穂乃南です!」
精一杯の微笑みとできる限りの羞恥を感じさせない明るい声で乃南が話し出す。
「えっと……早速ですが……いつも私を見てくれてる男子の皆さんにお礼と言ってはなんですが……」
乃南が次第にうつむき始め、口調も恥ずかしげになる。
「私……乃南のスリーサイズを言います……」
頬を赤らめながら乃南が言う。
「えっと……」
乃南が躊躇うが、目の前の男子に視線で急かされる。
「まずウエストは57センチ……です」
細い腰周りに手を当てながら乃南が言う。
「ひ……ヒップは……91……です……」
豊満なお尻に手を当てながら乃南が言う。
「最後に……ば……バスト……は……」
乃南がカメラの前で羞恥を露にする。

男子は特に急かさず乃南が自ら言うのを待っている。
(だめ……言うしかないの……)
乃南が意を決し、羞恥でいっぱいの清純な顔を上げ、手を後ろで組み、胸をそらす。
「95cm……Hカップです……学年で……一番大きいです……」
声を震わせながら17歳の美少女がカメラに向かって言う。
「さらに今日は……いつも私によくしてくれる男子の皆さんのために……撮影会を開くことにしました……」
あたかも乃南が望んだかのようなことを言わされる。
「制服はもちろん……水着なんかも着たいと思います……カメラは持参してください……ビデオも可です……」
乃南が紙に書いてあった撮影会の詳細を言う。
「写真もビデオもいくら撮って頂いてもいいです……参加できるのはこの動画を受け取った人だけです……」
チラリと紙を見て乃南は話し続ける。
「日時は明日の放課後、二階の右端の空き教室です……」
「さらに……クラスの男子が考えてくれた企画もあります……これは私も知りません……」
乃南は紙の一番最後まで読む。
「それでは明日……お待ちしています……♪」
最後だけ少し微笑み、動画を撮り終える。
「いやぁぁ……!」
撮り終わった瞬間、乃南はしゃがみこんでしまった。

多くの男子にスリーサイズを知られてしまう……さらに明日には自ら恥ずかしい姿を見せなければならない……
「おつかれ、乃南ちゃん」
男子が言う。
「心配しなくていいよ、大勢でやると目立つから招待するのは20人前後にしとくよ」
男が言う。
「あと体操着とスクール水着……それとお気に入りの水着……ビキニがいいな、一着持ってきて」
男が乃南に注文をつける。
「あ……言うまでも無いけど……明日来なかったらどうなるか……」
そう言い、男子たちは出て行った。
「いや……いや……!」
しゃがみこんだまま、乃南は横に首を振った。


次の日の正午。

乃南はまだ自分の部屋に居た。
夏用の制服をすでに身につけているが、学校に行く決心ができないまま午後になった。
学校に行けばクラスの男子、さらに動画を受け取った学年の男子にジロジロ見られるのは間違いないだろう。
自らスリーサイズまで言ってしまったのだ。見られるだけですまないかもしれない。
「いや……!」
乃南が言う。行きたくないというキモチと、行かなければもっと酷いことになるという不安が乃南を襲う。
もしかしたらこうしている間にも乃南の恥ずかしい映像を学校で流されているかもしれない。
しかし、まだ決心はつかない。
「でも……だめ……行かなきゃ……」
乃南は呟き、カバンに手を伸ばした。

そして持ってくるよう言われた体操着とブルマ、スクール水着を入れる。
「あとは……水着……」
乃南がスク水以外で着るのは小野の時の黄色のビキニだけだ。
「いやっ……あれは着たくない……」
ふるふると乃南は首を振る。あの時のことは思い出したくない。
「確か……ピンクのが……」
乃南が言い、洋服たんすの奥を探し始める。
「あっ……あった……」
乃南が薄ピンク色のビキニを取り出す。

黄色と一緒に買ったが、そのまま着そびれていたものだ。
乃南が制服の上からその巨乳に水着を合わせてみる。
「いやっ……恥ずかしい……!」
これから乃南は自分が望んだように、その豊満な胸を男子たちに見せに行かなければならないのだ。
「だめ……行かないとっ……!」
もう乃南には従うしか路はないのだ。カバンを持ち、乃南は家を出た。
「もう……揺れないで……っ……」
いつものように制服の下で弾む巨乳をいつも以上に抑えつつ、のろのろと乃南は学校へ向かった。

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