Hカップお嬢様乃南ちゃん
わたる:作

■ 40

「やっ……それは……」

乃南が言う。

「どしたの? さっきはやってくれたじゃん」

男子が言う。

「あ……汗で……あの……服が……」

乃南がしどろもどろに言う。

「へへ……なるほど……」
「いいねぇ……」

乃南が胸を覆っている理由を悟った男子たちがにやつく。

「ふく? それがどうしたの?」

男子が意地悪に聞き返す。

「だから……ぶ……ブラジャー……が……」

乃南が恥ずかしさをこらえて言う。

「ブラジャーがどしたの?」

さらに男子が尋ねてくる。

「す……透けて……見えちゃいます……」

乃南が思い切って言う。

男子たちはさらにいやらしい目を向ける。

「そっか……じゃあ透けるのがいやなら体操着脱いじゃえば?」
男が言う。

「おお! いいねそれ!」
「そうだ! 脱いでよ乃南ちゃん!」

男子たちが口々に言い始める。

「そ……そんな……! いや……!」

乃南が困惑して言う。そしてチラリとカンペを見る。

体操着を脱げ。

そう書かれていた。

「い……いやぁ……!」

乃南が言うが、

ブラジャー! ブラジャー!
と男子たちがコールを始める。

(恥ずかしい……! でも下着くらいなら……)

乃南が覚悟を決める。拒めばさらに酷い目にあうだろう。

ぐっ、と体操着を引っ張り、一気に脱ぐ。
同時に無数のシャッター音と歓声。

「の、乃南ちゃんのブラジャー……!」
「白……だ……!」
「てか谷間……すごすぎだろ……!」

Hカップの同級生のブラジャー姿。
普段絶対見ることのできない乃南の姿を男子たちがカメラに納める。

「いやぁぁ……!」

幸い乃南が今日着けていたのは地味な白いブラジャー。
だが到底収まりきらない巨乳がハミ出し、カメラに撮られている。

乃南はただブラジャーとブルマ姿の恥かしさに耐える。そして、

「はいっ……体操着姿は……終わりです……っ!」

最後のブラジャー姿で乳寄せ、というリクエストに答え、乃南が言う。
すぐさま体操着を着て廊下に逃げる。

「はぁ……」

乃南はカバンからタオルを出し汗を拭く。
すると案の定、カンペの男子が乃南に寄ってきた。

「いやぁ……いいねぇ、乃南ちゃん」

ニヤニヤと男が言う。

「も……もう……これ以上は……!」

乃南が言う。

「うんうん、もうひと頑張り。じゃあスクール水着に着替えてきてよ」

男が言う。

乃南の顔が少し明るくなる。男子の口調はこれで終わりにする、ととれるものだった。

(よ……よかった……)

乃南は思い、スクール水着を持って女子トイレに入り、着替え始めた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊