Hカップお嬢様乃南ちゃん
わたる:作

■ 44

「ふぅ…」

乃南がため息をつきつつ、制服に着替える。

「あんなたくさんの男子に…エッチな写真撮られたんだ…」

あの場から逃れられた安堵が消え、同級生のカメラの中に自分の恥ずかしい写真がいくつも収められたということを改めて感じる。

「もう…いや…! なんでこんなにお乳が大きくなったの…!」

否が応にも男子の興奮を誘ってしまう乃南の巨乳。
ブラジャーと制服を着てなおその大きさを誇示するHカップ。

「もう…いやぁぁ…!」

乃南は涙を流しつつ、学校を出た。



「はぁ…こんなにいいもの見れるなんて…」

撮影会の客の男子の声。
撮影会場の教室。

「どーだ? すごいだろ乃南ちゃんのおっぱい」

乃南のクラスの男子の声。
男子たちの会話。

「ほんと…違うクラスだから制服姿しか見たことなかったけど…水着まで見れるなんて…」
「マジ触りたいよ…あのおっぱい」
「はやくトイレでヌキてー! ガマンできねぇ…」
「あれでパイズリされたら…! う〜たまんね!」
「そうだ…この写真使えば…!」
「ホント、いくらでも脅せるじゃん…!」

男子たちはさらに欲望をたぎらせる…。



翌日、乃南は目を覚ますと同時に、昨日の恥ずかしさとこれからの憂鬱さが襲ってきた。

「いやだなぁ…」

乃南はベッドの中で呟いた。
起きる気がしない、眠い。

「行きたくない…」

最近はつねに思っていることだが、今日は一段と気が重い。

「また…何かされるのかな…」

他クラスの男子たちにも、乃南の恥ずかしい写真をイヤと言うほど撮られた。
もしかしたら、学年の全員に写真がばら撒かれているかもしれない。
被害妄想が乃南を襲う。

「いや…!」

乃南は呟き、顔を伏せる。

「でも…ダメ…」

学校に行かなければ、何をされていてもわからない。

「行かなきゃ…」

乃南はカラダを起こし、のろのろと制服に着替え始めた。
そして、いつもより少し遅い時間に家を出た。



乃南は学校の下足箱に着き、上履きを取り出そうとする。

「あれ? 何だろう…」

乃南の上履きの下に封筒らしき物がある。
乃南がていねいに封筒を開け、中身を取り出す。

「いやっ!」

思わず乃南は声を上げてしまった。
入っていたのはビキニ姿で巨乳を強調する乃南の写真だった。

「だ…誰がこんなの…」

乃南が言う。さらに写真の裏に短い文章が書いてあった。

{今日の昼休みに撮影会の教室に来てください 乃南ちゃんファンより}

ただそれだけの文章が乃南の気をさらに重くした。

「いやぁ…っ!」

乃南は写真を破り、ポケットにしまった。

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