鬼の飼い方
鬼畜ヒスイ:作

■ 檻ノ壱・首輪をつけよう4

 今、クイナの白い裸体が俺の股下にある。熱く、今にもはち切れそうな程そそり立つ、肉棒の下に。
 両腕を頭の辺りに投げ出し、両足は軽く閉じて「ハ」の字に膝を立てた格好のまま、押し退けようともせずに細めた目で股間を凝視する。心なしか視線は泳いでいるが。
 このままショーツを剥いで彼女の秘穴に突き入れて、情熱的なパトスを吐き出せばどれほど気持ちの良いことか。白濁の毒液を所構わずに吐き掛けたら、なんと官能的な情景になるか。想像するだけで、俺の息子が狂喜する。
「ヤリたきゃ、ヤレばいいだろ……。女一人、犯せないヘタレ野郎か?」
 悪態を吐くクイナの声が、どこかしら緊張が混じり息を上がらせている。
 駄目だ、まだそれではケモノ同士の交尾でしかない。俺の目的は、彼女を犯すことではなく、『鬼』を飼うこと。だからこうして、昨日は何もせずに首輪だけをつけたのだ。
「お、おいッ。お前、ちょっと待てよ!」
 クイナが狼狽するのも無理は無い。
 撫でるでも、舐めるでもなく、ただ鼻頭を絹の如き肌に沿わせて呼吸してだけ。
「走って、来たんだから……汗臭いって」
 自分の体臭を嗅がれて、やっとクイナが小さな抵抗を見せた。それでも、俺の顔を押し退けることも出来ないぐらいの力で、だ。
「良い匂いだ。君は、こんな匂いをしているんだね。こっちは、どんな匂いがするのかな?」
 ヒクヒクと鼻腔を広げながら、少しずつ下半身へと移動してゆく。
「ぅぅ……んッ」
 何を隠そうとしているのか、クイナが身を捩りながら下半身を鼻から遠ざけようと足元へと移動する。
 執拗に追い縋る鼻。必死にもがく下半身。
 それを何度か繰り返してから、もう少しでベッドから落ちそうなところで止まる。
「クックックッ……。可愛いな、君は。そんなに嫌がらなくても、俺は君の全てを受け入れるつもりなんだけど」
「ば、馬鹿野郎……」
 意地悪そうに、それよりももっと愛おしそうに、耳元で囁いてやる。クイナは、顔を背けて小声で雑言を吐き捨てる。
「次は……?」
「どうしたい?」
 クイナの問いを中途半端に、俺は選択肢を突き付ける。
 一つは、ショーツの端を引っ張りながら弄ぶ。もう一つは、視線を入り口に置かれたリュックへ投げかける。
 クイナは、選びあぐねているかのように俺とリュックを交互に見比べた。処女を奪われるか、体の自由を奪われるか、どちらかで揺れ動くクイナの視線。
 こればかりは、俺にも予想は付きかねる。見知らぬ男に抱かれる不安、それとも自由を奪われて鳥篭の中で弄ばれる恐怖、どちらもクイナにとっては選び難いものだっただろう。
 だが、彼女は選んだ。

 俺から逃れるようにベッドの枕元に戻り、自らブラジャーのホックを外して床に放り投げる。同様にショーツも。
「欲しいなら上げる、私の初めて。後生大事にしてても、意味なんてないから」
 胸の内に澱む不安を隠し、処女を捧げようとするクイナが、この世の何よりも愛おしいと思える。最初から、彼女は『鬼』などと形容されるべき少女ではなかったのだ。
 純粋で、穢れの無い無垢な存在だったはず――。
「それじゃあ、頂くよ」
 言って、俺はクイナの体に覆い被さった。
 最初にベッドに押し倒したのと同じ格好だが、手は力強くシーツを握り締めていた。
 大きくも小さくも無い、ちょうど大人の掌に納まるお椀型のハリのある胸に、そっと触れる。始まりは優しく、次第に強く、円を描くようにして練り回す。
 クイナがか細く呻く。
「ぅふッ。あ……ん」
「痛いか?」
「何か、くすぐったい。続けて……」
 クイナの懇願に、次は小さいながらも自己主張する薄桃色の乳房を指で弾く。
「んッ」
 数瞬、体を捩らせる。
 更に乳房へ舌を這わせたり、飴を舐めるようにして口の中で転がしてみる。クイナは声こそ上げないが、何度となく体を小刻みに震えさせた。
 もうそろそろ、下の方も我慢の限界が来ているだろう。触れずとも、脱ぎ捨てられたショーツの染みを見ればどんな状況か想像がつく。制服を脱いでいるところから、既に彼女は妄想を膨らませていたのだ。
「もう準備は良いね。入れるぞ」
 そう言って俺は、ジーンズを破らんとばかりに勃起したペ○スを解放する。ビンッと弾けるようにして現れた肉棒を前に、クイナは顔のみにあらず全身を赤に染めた。
「や、やっぱりだめぇ。そんなの、入らないよ……」
 予想外の大きさに動揺するクイナ。と口では言いつつも、逃げようとしない辺りに本心が表れている。
「下のお口は、欲しがってるみたいだぞ」
「やぁ……ッ。入るわけないじゃん!」
 最後の抵抗とばかりに、俺が広げようとする足を必死に閉じる。だがやはり、さして力も入れずに広げられてしまう足。すぐさま間に体を捻じ込み、閉じられなくしてしまう。
 そして、潤沢と蜜を滴らせる女性器――ワ○ナまたの名をマ○コに突き付けられて、観念したかのように口を噤むクイナ。諦観とは恐ろしいもので、クイナの体は弛緩剤を打たれたようにダラリと力が抜けている。
 ペ○スが、ゆっくりと恥穴の割れ目を押し広げる。
「ぅぅ……いッ!」
 下腹部に太い肉棒が進入してくる感触に、痛みを堪えようと歯を食いしばる。
 まだ亀頭も入り切らぬところで、薄い壁にぶつかる。嘘偽りのない、本当の処女膜だ。
 俺は、躊躇うことが彼女を更に苦しませることだと知って、勢い良く肉棒を突き入れた。
「い、ぎッ……!」
 歯を食いしばった顔が仰け反り、苦悶が声となって喉を振るわせる。愛液とともに赤いものがシーツを汚した。
「大丈夫か?」
「こ、これぐらい、大したことねぇーよ。ナンパ野郎を殴った時に、指を骨折した時の方が、これの倍は痛かった」
 俺の心配する言葉に、強がりかも分からぬ弱々しい苦笑を浮かべて見せる。その強情さは、やはり『鬼』と形容するだけの少女のそれだろう。
「ねぇ、キ、ス、まだ……」
 肉棒が恥壷の奥を求めようとしたところで、不意にクイナの両腕が双肩を掴む。その懇願に、クイナが歳相応の少女であることを、思い知らされるのだ。
 望むなら、望むとおりにしてやろう。
 引き寄せられるままに体を倒し、唇を重ねる。軽いもののつもりが、口内へ侵入してきたクイナの舌が、それがファーストキスであることを知らしめるように無秩序に蠢く。
「ふ、う、あふぅ……ん……んんっ」
 彼女の拙い心が、拙いながらも求めようとするものとは、いったい何なのだろうか。
 口付けに言葉を奪われている間に、肉棒が彼女の心の奥へと侵入を試みる。クイナは嬌声を堪える代わりに、俺を強く抱きしめた。
 クイナの小さな恥壷には、半分を突き入れるのが精一杯だ。本来、喧嘩をするには小さくて、華奢な少女。こうして、俺の肉棒を引き千切らんと恥穴を縮めるだけでも、体の下で彼女が焦燥していくのが分かる。
 この先は、これからの楽しみに取っておけば良い。だから、俺は早々にクイナの中へ白濁を撒き散らす。
 ――それを穢すのが、俺の本質なのだから。

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